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たとえ転生してもうさぎを愛してる  作者: ガーネット兎
第1章〜バーテンダーはウサギ達と共に〜
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毘沙門天

お気に入り登録やブックマーク登録よければお待ちしております。魔法一覧は第19部にまとめて総集しております。


冒険者ギルドでは困った事になっていた。

ラパンの森に関しての依頼が取り消されたせいで

ヤドンの村では、キノコ、薬草、山菜、果物、何よりポーションの原料の不足が著しかった。


その為商業ギルドは冒険者ギルドに圧力をかけていた。

「このままでは村での食糧危機に医療崩壊が起こります。何とかラパンの森の依頼を復活して貰いたい」


「しかしあそこには勇者に匹敵する精霊術士がいるんです。手を出ししたら命がいくらあっても足らないんです。」


「冒険者ギルド長は偉く頼りなく弱い存在みたいだ。

宜しい!脆弱な冒険者ギルド長にかわり我々商業ギルドが金を使い依頼を出しましょう。

下等生物たるうさぎの精霊術士如き数の暴力で一気に蹴散らして見せましょう」


商業ギルド長は自ら音頭を取り精霊術士抹殺の緊急クエスト依頼を壁に貼り付ける。


「商業ギルド長!この案件冒険者の命の保証はできかねます」


「冒険者とは元より生きるか死ぬかその狭間で金を得て名声を上げていく者で商人も同じ。

商売での失敗は死を意味します。同じような者です!商業ギルドが命じます緊急クエスト!Cランク以上の冒険者は出席可能。

桐斗の賞金首で金貨100枚

他の精霊術士でも金貨10枚出しましょう皆さん参加お願いしますね」


『おー』


冒険者は盛り上がりは最高潮に達していた。

金貨一枚で何もせず一年豪遊できる世の中で

金貨100枚だと一生遊んで暮らせる事になる。

みな金に目が眩んでいた。


ブルトは一歩前に出た

「緊急クエストでは1番ランクの高い冒険者がリーダーとなり皆を率先する立場からにある。

つまり私達鮮血の韋駄天がリーダーという訳だ。皆こころしてかかってくれ!

敵は強いしかし敵は1人何も恐れることはない。目指すは桐斗の首一つゆくぞ〜!」


割れんばかりの声援の中でブルトはひとり呟く

「さて何人生き残るやら精々囮役しっかり果たしてくれよ」


S級鮮血の韋駄天には4人のパーティがいた。聖騎士ブルト 盗賊ハダン 魔法士ナバラ 僧侶キタン


「マジで行くのかよ。ムハンマドも逃げ出したのに」


パーティメンバーもブルトの要請で渋々ながら緊急クエストに参加した。

ブルトのとった案はこうだ。


前回のシャドー達の調査で大体の桐斗の拠点は把握済み。結界も壊れた。


そこを北、東、南東の3方向から一気に挟み撃ちする作戦だ。

幸いにもB級冒険者は何組かいて、冒険者は総勢200人を超す参加者だった。

策としては袋の鼠作戦だ。 


最悪火をつけて撹乱しても良い。

ブルトは商業ギルド依頼のもと指揮をとってラパンの森に進軍した。

  

ヤドンの村を出発した冒険者達は3方向からラパンの森に進軍を開始した。外層の森の結界は聖と土だ。


人間相手では落とし穴にはまった程度だ。犠牲を出しながら拠点4箇所を護る中層の結界に迫っていた。


音と匂いから敵の進行を察知した桐斗は中層の結界に闇の結界を加えた。これで中層結界内に簡単には入ってこないはず。


方角は北、東、南東どちらからでも神殿が距離的に近い。


まずは真ん中の東から片付けて北と南東の連絡手段を断つか。


桐斗からしたら大胆な策だった。真正面から迎え撃つ形に他ならなかったからだ。前回の魔王軍との戦いで少し浮かれていたのかもしれない。


中層の結界の端から桐斗は敵を見定める。

「さてお出ましですか。雰囲気は冒険者ぽいな!何が目やてなのやら」

桐斗は射程距離に入った敵に懐に装備していたシェイカーの中からココナッツドリームを放った。すると敵はよんでいたらしく


「土魔法 鎌倉」


洞窟の様な作りの土壁でココナッツの雨を見事にガードされた。


「ちっ!じゃあこちらだエメラルドミスト」


「風魔法 風壁」


風の結界を行使されてエメラルドミストの風刃が通らない。

こいつらの中に前回の魔王軍戦を近くから見てた奴がいるな。対策をされて焦る桐斗を前に冒険者は更に

数十人からなる弓部隊が火矢を放ち出した。

そっちは神殿の方角だった。


桐斗は悪い予感を感じていた。

何よりうさぎ達が心配で神殿まで引き返してきた。


あたりは火矢を受け燃え盛り、弓で死んだうさぎもいた。何より火矢は雨の如く降り注ぐ。


こんなはずではなかった。何が間違いだったのか

言葉では言い表せない、やるせなさと怒りと悲しみで自分の中で何かが弾けた。


パーン!そんな音だっただろうか。


エクストラスキル 毘沙門天を取得しました。


ハイスペック思考回路及び魔法演唱オートマチックモードに切り替わります。


水結界魔法ブルーハワイ


「波乗り水流魔法ブルーラグーン


水結界を作り水流魔法で一気に火を消化した勢いで

波に乗りながら敵陣に斬り込んだ。それはまさしく毘沙門天の如き姿と表情であった。


「闇土混合最高級範囲安眠魔法ダーティーマザー


敵の隊列が安眠する中、さらにラスティナールとサウザショットガンの貯蓄シェイカーをぶっ放して殺していく。


そしてレベルが上がりMPを回復したら新たに


「聖風混合最高級範囲斬殺魔法フローズンダイキリ


風の大剣が現れ斬り倒していく。

至近距離からのショットガンに罠と風の剣に成す術なく50人以上やられていく。


通常魔法士は中衛や後衛から距離を離れて闘う。しかし桐斗はエクストラスキル毘沙門天の影響で無意識に接近戦で闘っていた。


「ひっ!?鬼!!逃げろ〜」


東の陣は崩れた。

桐斗はすぐさま次に南東方面へ急いだ。


南東の陣では火矢が効かなくなると辺りを警戒しながら前衛が投石作戦を決行していた。


「闇最高級範囲睡眠毒魔法キッスオブファイアー


南東の陣全ての人間が毒と睡眠状態に陥った。

仕上げとばかりに


「聖最高級氷結地獄(雪国)」


敵は皆氷漬けにして出られなくなる。

南東の陣も終わらせた。最後は北だけだ。

すぐさま引き返して北へ桐斗は向かう。


ちょうどその頃東の敗走兵の1人が北の陣へ逃げ込んできた。


「東が1分で壊滅させやられた!南東も長く保たない!すぐに鮮血の韋駄天に知らせろ」


鮮血の韋駄天のメンバーは東の陣の後方に隠れていた。

南東の陣を片付けた後北に向かう桐斗を後方から追い北の陣と挟み撃ちする作戦であった。


「弟よ!我に力を」


ブルト達は気付かれないように桐斗を追った。


桐斗は北の陣へ着くと南東とは違い北の陣はこちらに迎撃態勢を敷いていた。


「風壁、鎌倉、水壁、火炎陣」


水火土風4属性の護りの簡易結界魔法を敷いている。


「聖最高級範囲アンチ結界魔法(吉野)」


複数の簡易結界が一瞬ですぐ様消えた。すぐ様桐斗は手持ちのラスティナール入りシェイカーを残り全て投げ入れた。


呆気にとられた冒険者は成す術なく罠にかかり戦闘不能に陥ってしまった。


桐斗の攻撃していた姿を見ていたブルトは勝機とばかりに距離を詰めて「雷鳴剣」を桐斗に打ち込んだ

いわゆる雷の魔法剣である。


しかし桐斗もエクストラスキル毘沙門天の発動中で感覚気管は研ぎ澄まされており、雷鳴剣をすんででかわして、パラライカを喰らわしあらゆる状態異常にブルトをさせた。


するとブルトの仲間から状態異常回復薬が投げられブルトは持ち直した。


「我は鮮血の韋駄天ブルト!弟ゼルクの仇をとらせてもらう。弟の無念の鎮魂歌の為にも精霊術士は根絶やしだ」


「人間はうさぎを搾取する!そんな悲惨な状態を無くすべく俺は戦っている。俺の肩には全てのうさぎの未来がかかってるんだー」


桐斗は腰の聖剣ビスマルクを右手で抜きブルトと斬り合いに応じる。


「下等生物如きうさぎが人間様に盾ついてんじゃねーよ!家畜は家畜らしく食べられてしまえ」


後方からブルトに援護魔法がとぶ「ファイアーバード」ブルトの剣に焔が纏わりつく。

ブルトは魔法剣ファイアークロスを叩き込む!

なんとか桐斗は受け止めたがダメージを負う。


「うさぎも人も同じく夢を見て自由を手にする権利がある。人だけの為にこの世界があると思うな!」


桐斗とブルトは共に攻勢を強め叫び合う。ハダン、ナバラ、キサンはその隙に距離を詰めた。

流石S級冒険者なだけはある。盗賊が隙を作り聖騎士が剣を振るい魔法士が攻撃とサポートで巧みな連携で

反撃魔法を許さない。


桐斗は一度後方へ跳ぶ。二段ジャンプだ。

素早さで逃げて隠れてゲリラ作戦と考えていたが敵の追撃は止まらない。

ナバラは土魔法土竜で逃がさない。土で出来た竜が桐斗を噛みつきにくる。

ハダンは毒付きナイフを投げてくる。

ブルトは貰ったとばかりに奥義を叩き込む  


「奥義 連斬刃」

それは飛剣を複数飛ばしてくる技だ。

桐斗はやられたかに見えたが、


桐斗は腰のサウザショットガンで土竜の頭を吹っ飛ばして、


その場を乗り切り魔法を発動させた。


それは「風隠遁魔法(アレンヌ風の梵)」


迷彩隠遁魔法だ。

桐斗は森林の闇に姿を眩ませた。

さぁここからゲリラ戦の時間だ



桐斗を仕留め損なった鮮血の韋駄天のメンバーは焦ったようすであたりを警戒しているようだ


それは一瞬で桐斗の存在が消えたからだ。


「くそ〜正々堂々闘え出てこい下等生物!貴様らは食べられる為に生まれてきたんだ」


それから10分近く出てこない桐斗に焦れて


鮮血の韋駄天メンバーは慎重に神殿の方角に進む。


「貴様が出てこないなら結界ギリギリから拠点に魔法をぶっ放してやる」


その頃桐斗は冷静に罠を仕掛けていた。


50m程進み苛つきからブルトが木の根に足をとられた。


すると左右からサウザショットガン入りシェイカーが飛んでくる。


ショットガンをギリギリかわしたブルトの上空からさらにエメラルドミスト入りシェイカーが降ってくる。


突然の風刃の嵐に晒されて鮮血の韋駄天メンバーはダメージを負うがそれで終わりではない。


皆ガードしてる隙から桐斗は僧侶キサンの心臓にサウザショットのシェイカーを食らわせて戦闘不能にしてさらに潜伏する。


回復役がやられて鮮血の韋駄天メンバーは真っ青になる。


これでは確個撃破にあう。

ブルトは一時撤退を決めた。


キサンはハダンが担ぎナバラが援護で殿はブルトだ。

後ろ歩きでゆっくり撤退する。


ハダンもブルトもナバラも汗だくだ。


桐斗は隠密で先回りして更に罠を作る。


どれだけ進んだだろうか。


やっと森の端が見えかかった所でココナッツドリームが放たれた。


ココナッツの雨が降り注ぐ。

ナバラは咄嗟に鎌倉で土壁を作るが


ココナッツドリームで発動したトラップのシェイカーが360度から何本も降り注ぐ。


鎌倉は音を立てて崩れ去る。

更には土に仕掛けたラスティナールで穴に埋まってしまう。


トドメとばかりに穴の上から


「聖最高級24バレット魔法(24マティーニ)」


24発の弾丸が3人の急所を綺麗に貫く。

ハダンとブルトとナバラは即死した。


それを見届けて桐斗のエクストラスキル毘沙門天は解除されて我に帰る。


「はぁはぁはぁ何とか勝てたのか?」


毘沙門天は疲れすら忘れさせて肉体を動かすエクストラスキルなだけに解除後はどっと疲れが来る。

桐斗は木陰で倒れ込むように意識を手放した。




本日のカクテル

アレンヌ〜風のそよぎ〜

ミドリ3

マスカットリキュール1

カルバドス ブラー グランソラージュ1

レモンジュース1

上記をシェイクしてクラッシュドアイス入りのグラスに注ぐ更にオランジーナを適量注ぎ軽くステアしてライム、オレンジ、グレープフルーツの皮を飾りストローを添えたら出来上がりだ。

こちらカクテルアワード2012の作品である。

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