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たとえ転生してもうさぎを愛してる  作者: ガーネット兎
第1章〜バーテンダーはウサギ達と共に〜
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偵察

冒険者ギルドでは

ギルマスが渋い顔で領主とギルド本部からの手紙を読んでいた。


領主もギルド本部もヤドン村に実害がない以上援軍できかねる。というのが答えだった。


たしかに大陸全土見回しても魔王軍やモンスターの街襲撃など珍しい事ではない。

実害あるそちらを優先するのは当然であろう。


流れの高ランク冒険者がふっと現れる事がある。

その時闇夜の聖剣の仇はとってもらうとしよう。


ギルマスは冒険者ギルドの依頼掲示板に精霊術士討伐依頼クエストを貼っておいた。


その額は一体につき金貨10枚と闇夜の聖剣が受けた時の2倍の報酬である。


その依頼書を見つめる流れの冒険者。彼はゼルクの兄ブルトであった。可愛い弟がやられた以上仮は返さないといけない。


しかしゼルクの兄ブルトもギルマス同様に精霊術士を危険だと判断していた。高性能の結界を多重放つなど並大抵の結界士ではできない。


それは巨大な国の宮殿に複数人の魔術士が行う集団結界魔法に似ていた。


これを行えるあたり、最低S級冒険者複数組で対処しないと戦いにすらならないと分析していた。


「仕方ない偵察に定評のあるS級冒険者嗤う傭兵団に頼んでみるか」


ブルト率いるS級冒険者鮮血の韋駄天は同じS級冒険者に共同依頼を受けてもらう為に文を送った。



数ヶ月後赤い林檎邸という居酒屋にてお互い話し合いがもたれた。


「ブルトが俺に頼み事するとは一体どんな厄介事なんだ?」


エールを飲みながら嗤う傭兵団のリーダームハンマドはニヤニヤしながら話を聞いてきた。


嗤う傭兵団は総勢15名からなる多人数所帯だ。しかし15名も集めないとS級冒険者にはなれなかったのに対して


鮮血の韋駄天のリーダーブルトは4人でS級冒険者に上り詰めた強者だ。


対抗心を常に燃やしていたムハンマドからすれば英雄ブルトが自分に直接頼み事をしてくるのは気分が良かったのだ。


「俺の弟のギルド闇夜の聖剣がラパンの森で死んだ。

討伐したいが厄介なのが闇、聖、土の強力な結界が森を包み込んで守っているとこなんだ。

敵戦力把握をまず頼めないだろうか?」


「弟の仇か?英雄と呼ばれたお前さんが行けば解決するんじゃないのか?なんでわざわざ俺らを」


馬鹿にしたような目で一瞥した後ムハンマドは酒を煽る。


「いやここのギルマスの意見と現地の様子を見るに最低でもS級冒険者複数で当たらないと解決できない。昇進精霊術士が絡んでると私は見る」


それに対してブルトは依頼を受けて貰おうと必死に説得する。


「けっ!その割には報酬額が低すぎるんだよな。

下手したら一人頭金貨一枚もいかないじゃねーか。

報酬金貨100枚はいかなきゃやってられねーぜ」


ムハンマドはどうやら依頼達成金額に不満があるようだ。何せムハンマドのメンバーは大所帯だからだ。


「私も同意見だが昇進精霊術士を見たという証拠はないしそもそも精霊術士の能力自体把握しきれてないんだ。

だからまずは偵察だけでもお願いできないか?

そうすりゃあ報酬金も上がるかもしれない。

それに昔助けてやった貸しがあるだろ?一丁頼むわ」


昔の恩で何とかブルトは押し切る。


「ちっ!しゃあねー おいシャドーにイメルダにダガー偵察してこい!!

偵察は2週間!慎重にな!決して気取られるなよ」


「ムハンマド兄貴!冬に偵察は勘弁してくださいよ」


シャドーは冬は働かない派らしい。大体の冒険者は冬の仕事は嫌がる。


「仕方ないだろ!お前も冒険者の端くれなら依頼の裏どりも立派な生き残る為の手段だ!

我々15名の命も掛かってんだ。

シャドーよ偵察隊隊長をまかせる。しっかりやれよ。」


こうして渋々嗤う傭兵団の団員3名は偵察に向かった。


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