間違えると恥ずかしいけど、間違えがちな漢字表記
日本語には読む音は同じだけど漢字と意味が異なる同音異義語が存在します。
きちんと意味を理解していれば間違えて使うことはないのですが、最近はパソコンやスマホでの変換が当たり前になったためか、意味が通らない文章を見かけることがあります。
漫画・小説・ゲーム・ネット記事……その他諸々。
なので今回はそういった中で特に間違いやすい単語について挙げたいと思います。
☆マークは特に間違えて表記されることが多い単語です。
【あう】
〔会う〕物理的な意味で人にあう場合などに使われる。
〔合う〕意味としては『一致する』。
『気が合う・服のサイズが合う』
☆〔遭う〕好ましくないことに偶然あう。『合う』と混同しがち。
『酷い目に遭う・山賊に遭う』
〔逢う〕巡りあう。良き出逢い。
〔遇う〕偶然にあう。
【いがい】
〔以外〕それを除いたほかの物事。
『関係者以外立ち入り禁止・そうする以外に方法がない』
〔意外〕予想と違うこと。
『意外な結果に驚く・意外に親切な人』
【かかわらず】
〔関わらず〕意味としては『かかわらない・関係なく』。
『あの男には関わらずに作戦を進めたい』
☆☆〔拘わらず〕前述の内容に対して否定的な繋ぎ言葉。
意味としては『~なのに』。
上記の『関わらず』と間違える人が非常に多い。
『早く寝たにも拘わらず、寝坊して学校に遅刻してしまった』
【かなう】
☆〔叶う〕願いや願望が実現する。下記の『かなう』と混同しがち。
『長年の野望が叶う』
〔敵う〕意味としては『対抗できる』。
『彼に敵う人はいない・暑くて敵わない』
〔適う〕意味としては『合致する』。
『お眼鏡に適う・理想に適う』
【かんしん】
〔感心〕ほめたくなる。
『礼儀正しい態度に感心する』
〔関心〕興味を持つ。
『関心を示す・関心を持つ』
〔歓心〕喜ぶ気持ち。うれしいと思う心。
『意中の人の歓心を得る』
【すんでのところ】
〔既の所〕好ましくない事態を最後の段階で回避したさま。
意味としては『もう少し・あやうく』。
『寸での所』といった形で誤用することが多い。
【たいせい】
☆〔体勢〕体の姿勢。下記の『たいせい』と混同しがち。
『体勢を崩す・射撃体勢』
〔態勢〕一次的な身構え、対応。集団に対して用いられることも。
『受け入れ態勢・攻撃態勢』
〔体制〕仕組みや組織。
『政治体制を変える・組織体制』
【たつ】
〔立つ〕物理的に『たつ』。
『両足で立つ』
〔建つ〕建設するという意味で『たつ』。
『あそこに立っている寺院は、数百年前に建てられたらしい』
〔経つ〕時間が『たつ』。
〔発つ〕意味としては『出発する』。
『羽田を発つ飛行機に乗る』
【たとえ】
〔例え〕たとえること、同じような例。
『例えるなら犬みたいなものだ・例えば野球やテニスが好きだ』
☆☆☆〔仮令orたとえ〕意味としては『仮に・もしも』。
『たとえ~としても』
上記の『例え』と間違える人が非常に多い。
『たとえ足が折れたとしても、走り続けてみせる』
【たずねる】
〔訪ねる〕人や場所を『たずねる』。
〔尋ねる〕探し求める・質問する。
【てきせい】
☆〔適性〕意味としては『素質・才能』。下記の『適正』と混同しがち。
『彼には魔法の適性がある』
〔適正〕適当で正しい。
『適正な対応・適正価格』
【どうり】
〔通りorどおり〕物事が変わらない状態のままであること。
『いつも通りで・予想どおりで』
〔道理orどうり〕物事の原因や理由に、当てはまる点があるのに気づくこと。
『道理で寒いわけだ』
【とらえる】
〔捕える〕取り押さえる。
『獲物を捕らえる・犯人を捕らえる』
〔捉える〕つかむ・把握する。
『相手の動きを捉える・特徴を捉える』
【もっとも】
〔最も〕一番・最上の。
『彼は最も優れた戦士だ』
☆☆☆〔尤もorもっとも〕前述に対して否定的な繋ぎ言葉。
上記の『最も』と間違える人が非常に多い。
『話は理解した、もっとも異論がなくはない』
☆☆☆〔尤もorもっとも〕道理にかなう・当然であること。
上記の『最も』と間違える人が非常に多い。
『なるほど、それはもっともな話ですね』
【をえない】
☆☆〔を得ない〕否定語に続く形で『~しないわけにはいかない』。
下記の『負えない』と混同しがち。
『賛成せざるを得ない』
〔負えない〕どうしようもない・手がつけられない。
『手に負えない・背負えない・傷を負うわけにはいかない』
【まほうじん】
〔魔方陣〕四角形で数字が書かれたもの。
縦・横・対角線のどの列でも数字の合計が同じになるもの。
〔魔法陣〕円形で幾何学的な模様が描かれたもの。
ファンタジーなどで使われるのはこちら。
他にも色々と誤用しがちな漢字は多いのですが、今回は以上を挙げてみました。
間違えて使用していた言葉はあったでしょうか?
折角の文章も漢字を間違えては締まりません。意味を捉えて正しく使いましょう。
自信がない時は……平仮名で書くのも一つの手ですよ。