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第一章 今

ようやく本編に入れました

俺の名はフリードリヒ・アクセル・フォン・アーヘン。ドイツ人だ。

身長178cm、体重58kg、おさまりの悪い薄い色の金髪に同じく薄い青色の眼をしている。

年は17。世間一般ではギムナジウムという学校にに通っている年らしい。

‘らしい’というのは俺は生れてから今まで学校というものに通ったことが無いからだ。


俺は「王宮」と呼ばれる家で生まれ、そこで育ってきた。

これは、普通の人間の家庭環境とは大分違うらしい。

なんでも俺は「王」として生まれた人間であり、「王」が普通の人間と違うのは当然のことであるようだ。

それは俺にもわかる。「王宮」の中で教えてられる歴史の中では、ほとんどの王は普通の人々とは違う生活をしている。

しかし、完全に違うわけではない。学校には通っていないが家庭教師がいていろいろ教えてくれる。

普通の人間と違って「許可」が必要だが外に出ることもできる。

そう、完全に違うわけではないのだが、俺は他人との間に壁を感じてしまう。


だから、俺は毎日行う「巡察」以外に街に出ることはない。

先ほど説明したように「許可」をとれば出ることは可能なのだが、外出してもあまり楽しいことがない。

俺が現れる前は楽しそうに話していた人たちが、俺が現れると口を紡み、目に恐れるような表情を浮かべる。

家庭教師に聞いてみたところ、「王」を敬うからこそ、そのようになるのだそうだ。

だが、それでも理解できない部分もある。

なぜ、恐れるような表情を浮かべるヤツの他に、憐れむような表情を浮かべるヤツもいるのだろう。

家庭教師は答えてくれなかった。


そんな訳で俺には家族や「王家」に仕える者以外の知り合いがとても少ない。

それは同年代にしても同じことだ。

例外がバカ共だ。

友達がバカ二人というのには寂しいものがある。

性格はバカAがいつも冷静でいるのに対し、バカBが常に何かやる本物である。

バカ共は明らかに俺より年が下だろう。

だが、三人しかいないとなると年の差は意味をなさなくなるものらしい。

上下関係という言葉が希少価値に分類される日も近いと思われる。


聞かれる前に家族のこともしゃべっておこうと思う。

俺の家族はというと、父、母、姉、俺の4人家族である。

正確には父王、母后、姉王女という表記になるのだが。

父は王家、母は伯爵家の令嬢という出自だから家柄としてはかなりのものと思う。

我が家を訪れる人は、俺の家族、特に父のことを褒め称える。

普通、仮にも一国の王であるなら、幾人もの妾を持つのが普通であるという。

しかし、父は母以外の女を持たない。そして、およそ男が好むと思われる酒・女・賭博の何れも好むことなく、

ただ政治に明け暮れている。


だが、父親の手本みたいなその男を俺は死ぬほど憎んでいる。



ここまで読んでくれてありがとう

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