31・三の曲輪攻略戦
「ウオオオオオッ!!」
既に陽は沈み、紫色の夜の帳が降りてきていた。空には満月だけがこうこうと明かりを灯している。
夜空に咆哮が響き渡った。
ゴルディークは敵の攻撃を腕に固定したスパイクシールドで弾き、そのまま殴り飛ばす。そして、立ち塞がる敵をことごとく両手の剣で切って捨てていた。
「重腕のゴルディークだぁ!!」
その少し前、先程まで細い足場の道で敵の集中砲火を浴び、足を進める事ができなかった。
押し寄せる魔法を剣で切り飛ばし、矢を腕の盾で弾き、オートシールドで受け止める。
後ろに続く仲間達も迎撃しつつ膠着していた。
しかし、しばらくして後方で動きがあったらしく、わずかに攻撃の手が緩んだ。
その隙を突いて背後にいる仲間が声を上げた。
「ゴルディーク! 10秒持ちこたえてくれ! 最高にデカイのを叩き込む!」
「任せろホズレット! 一撃たりとも通さん!」
ゴルディークが後ろの仲間に力強く返す。
炎の様な紅蓮のローブをまとい、長い耳に銀の飾りを付けたエルフ族の男だ。
後衛の魔法職で、マジックウィザードの上位職である『エレメンタルロード』。
チャージタイムは長大だが、他の追随を許さぬ破壊力の攻撃魔法を行使できる。
ホズレットはローブと同じ赤いオーブを天にかざし、チャージタイムに入った。
足下に魔法陣が展開され、自らを取り囲む様に幾何学模様が宙に浮かび始める。
頭上に掲げた掌が眩い光を放ち、その先から幾重もの魔法陣が連なって円筒形を成していく。まるで、魔法陣で形成された砲身。
その輝く砲身が徐々に輝きを増しながら火花を散らし始めた。
ホズレットを狙った矢をゴルディークが剣で弾く。
ホズレットがチャージタイムに入った事に気付いた敵が、彼に攻撃を集中させ始めていた。
無数の光弾と化した攻撃がホズレットに迫るが、ゴルディークと他の仲間達も邪魔をさせぬよう迎撃する。
剣で弾き、盾で防ぎ、魔法で相殺する。防ぎ切れなかった攻撃が盾をすり抜けた。
だが、ゴルディークはその身を滑り込ませて盾とした。
「ぐぅお…!」
幾重にも叩き込まれる攻撃がオートシールドの許容量を超え、ゴルディークの体に響いた。
「待たせた! 進路を切り開く!!」
ホズレットが声を上げ、魔法の砲身を切岸の上に合わせた。
ゴルディーク達は魔法の発動を成功させた。
「タワー オブ クリメイション!!」
次の瞬間、砲身から眩い光が放たれた。
左手の切岸にひしめく敵が、爆音と共に巨大な火柱に包まれる。敵の攻撃がその一瞬、完全に止んだ。
ゴルディーク達は駆け抜けた。
敵の攻撃が正面に限定されたこの瞬間、ゴルディークはそれを全身に受けつつ、一気に前進した。少しずつだがゴルディークの鎧が削られ、破片が飛び散る。
「隊長達を援護しろ!」
ゴルディーク達の後ろに並ぶ味方も魔法を撃ち込んで援護していた。
ゴルディーク達は敵が怯んだ隙にさらに加速した。
曲輪への入口は切岸を大きく回り込んだ最奥、左手側にあった。
ゴルディーク達は激しさを増す正面からの攻撃を捌き切り、その前に躍り出た。
入口には敵の近接戦闘職が多数待ち構えていた。
振り上がる刃の群れ。
だが、ゴルディークはその武器ごと最も近い手首を跳ね飛ばした。
同時に他の敵が振り下ろした刃を盾で受け、鎧ごと胴を薙ぎ払う。2振りの剣でさらに待ち構える敵を切り伏せた。
「待たせたな。俺の首が欲しい者から来るがいい」
そして、ゴルディーク達はついに曲輪へと足を踏み入れたのだった。
「囲め囲めッ!! 数で潰せ!」
「40レベル台のメンバーを集めろ!!」
曲輪の守備を担っていた近接職が待ちに待った出番に飛び出してくる。
半分近くが40レベル台で占められているようだ。
30レベル台が主力であるこの戦場ではより上位の40レベル台は切り札とも言える戦力だ。それが集まっているという事は、この場所で決着をつけるつもりなのだろう。
ゴルディーク達を囲んでいる敵は3パーティ、15人。さらに現在切岸から下方を攻撃している者も含めれば30人に及ぶ。
ゴルディーク達のパーティは70レベル。それとべリオンのパーティがいるとはいえ、8人。
数の上では圧倒的に不利だったが、臆している者はひとりとしていなかった。
「重腕のゴルディーク。参るッ!!」
唸りを上げ、猛虎は剣を振り下ろした。
「ルクス。道が開けたみたい。」
私は右方向の道を指した。
ゴルディークが敵地に突入したおかげで、ついに前方が動き始めたのだ。
「お、じゃあ行くか!?」
ルクスが敵の攻撃を躱し、矢を射ち返しながら返事をする。
数で勝るとはいえ、被害が増していた。
人員を入れ替えながら戦ってはいるが、崖の上に身を隠せば攻撃をやり過ごせる敵側と違い、開けた場所にいるこちらはどこに撃たれてももれなく当たってしまう。
谷底に落ちていった者も含めれば、既に10人以上の数が失われている。対して敵の被害は半分にも満たないだろう。死にさえしなければ回復してゾンビのごとく復活してくる。
「だけどアレを越えていくのか? 無茶だろ」
スフィアルが魔法を撃ち込みながら声を上げた。
視線を道へと向ける。上からは未だ魔法が降り注ぎ、逃げ場のない細い道を渡ろうとする者を容赦なく責め抜いていた。
それに耐えられなかった者が次々と光の粒として消えていったり、または谷底へ葬られていく。防御力の高いゴルディーク達だったからこそ耐えられたのであって、レベルの低い者ではとても対応できないでいた。
しかし、このままではたとえゴルディーク達といえど孤立したまま倒れる可能性もある。間に合ったとしても、その頃にはこちらの戦力も多くが失われてしまっているだろう。
「ならば僕に策があるぞ!」
ベイブがつぶらな瞳を輝かせながら自分の胸を叩いた。
「どんなっ?」
「……イヤな予感がするなぁ……」
期待に満ちた目を向けるルクスと、逆に目を伏せたリラ。
私が視線を向けると、ベイブはニッコリ白い歯を見せて笑った。
「ベイブ。その剣高かったんだからな。頼んだぜ」
「うむ! お値段以上の成果を期待していてくれ!」
「……お前もまた無茶な作戦を考えるな。ま、いつもみたいにピンチをチャンスに変えてくれよ」
「ベイブ。がんばってね」
各々ベイブに声をかけていく。
「ベイブ。よろしく、おねがい」
私も心の準備はできた。
「では、行ってくるッ!」
そして、ベイブは走り出した。
そのまま右の道に入り、前方で止まっている仲間の背中に追い付く。
急に現れた新しい的に、敵の攻撃が放たれた。
だが、ベイブは速度を緩めない。あわや前方の仲間に激突するという瞬間。
ベイブは細い足場から堀を飛び越え、切岸の急斜面に飛び移った。
「なんだアイツ!?」
ベイブは切岸の斜面を水平に駆け抜けていく。
まっすぐその先には曲輪への入口がある。
驚嘆する敵からすぐさま攻撃がベイブに集中した。急斜面を風の様に駆けていくベイブの足下が次々と攻撃で穿かれていく。
だが、さらに速度を上げたベイブはそれを置き去りにしていった。
ようやく攻撃がベイブに追い付いた瞬間、ベイブはそれを大剣で弾き返した。
「ぬぅん! 皆、来いッ!!」
ベイブが叫んだ瞬間、私達も飛び出した。
私達は堀の中に駆け降りた。
「さっすがベイブだぜぇ! はっはっはっ!」
ルクスが走りながら大声で笑った。
私達が走っているのは切岸と道の間に挟まれた堀の中だ。堀の形状はV字に掘られ底部が尖った薬研堀。その急斜面を駆け降りていた。
本来ならここに落ちたら、狭く身動きが取れないまま敵の集中砲火を浴びてしまう。
「はっはっはぁっ! やらせないぞ!!」
だが、ベイブが囮となり攻撃を引き受ける。さらに大剣で器用に攻撃を捌いて、下を走る私達を守ってくれていた。
「あのデカブツ、早いぞ! 撃て撃て!!」
「ん? ありゃなんだ!? クソ、デカブツがジャマでよく見えねえ!」
ちょうど夜の時間に入り、より暗くなった堀の中にいる私達を敵は狙いにくく感じているようだった。
「落ちた所を狙え! 下の連中共々ハチの巣にしてやる。」
しかし、いかにベイブとはいえど急斜面と上からの圧力の前に失速、高度を落としてきていた。
「なんのおぉっ!」
ベイブは前方に剣を投げつけ、斜面に突き刺した。ルクスが与えた剣だ。
ベイブはそれを足掛かりに、一気に跳躍した。
そこそこ高かった剣は装備を含めたベイブの重量に耐え切り、見事ベイブを元の高度よりも遥か高くへと押し上げた。
「スフィアル! 頼んだぞ!」
「無駄にはしないさ!」
堀の中は曲輪の入口まで一直線だ。後は私達がこの深い堀から抜け出すだけ。掘りの造りが甘かったのが幸いし、障害物はない。
私達は走る勢いのままに、堀の斜面を駆け上がった。
だが、急斜面で数歩も行かない内に勢いが殺される。
スフィアルが私とリラの手を取った。
「ぐっおおおおああ!!」
スフィアルは妖精族だ。鳥人族には劣るが、翅による飛翔が可能である。
それによって私とリラを上まで引き上げるというのだ。
しかし、筋力の低い妖精族では2人分の重量を持ち上げるのは難しい。
「スフィアル! 合わせろ!」
「いつも通りな、ルクス!」
ルクスが下から私達を思いきり押し上げた。
ウェポンアタッカーの高い筋力とスフィアルの飛翔。
そして――
「「フォース!!」」
――私とリラがそれぞれ筋力アップの支援魔法をかけてそれらを補助する。
私達は、坂の頂上に手をかけた。
「がんばったが、残念だったな」
堀の上で私達を待ち受けていたのは、今にも撃ち放たれんとする敵の魔法だった。
曲輪の入口へとたどり着いたが、登るのに手一杯だった私達はそれに対応できなかった。
「僕が来たからにはもう大丈夫だぞ!」
しかし、攻撃は来なかった。
見上げると、よく知ったつぶらな瞳がそこにあった。
敵は魔法を放つ事なく大剣に切り伏せられ、谷底へと消えていった。
「ベイブ!」
私達が名前を呼ぶと、彼は力強く応えてくれた。
「うむ!」
そのベイブに、突如矢が射ち込まれた。
だが、ベイブは難なくそれを掴み取ると、その方向に向き直った。
それは下からだった。矢にはロープが結び付けてあった。
「ベイブ、もういっちょよろしく!」
「もちろんだとも!」
ルクスだ。1人堀の底に残ったルクスを、ベイブがロープを思いきり引っ張って引き上げる。
そのベイブを、今度は私、スフィアル、リラが守り抜く。
今まで守られっ放しだったんだ。
やっと私の出番が来た。
袈裟斬りに振り下ろされた剣。その間合いに飛び込み、わずかに体を反らして躱す。
そして手首を掴み、振り下ろされた剣の勢いを利用して思いきり谷底に投げ飛ばした。悲鳴を上げながら暗闇へ消えていく敵。
さらに奥から突き出された槍の上に飛び乗り、その顔面にカウンターで蹴りを叩き込む。わずかによろける敵にかかと落としで追撃し、オマケに側頭部を蹴り飛ばす。
私が地面に着地した頃になって、ようやく自分が蹴られた事に気付いた敵。
だが、意識を取り戻した直後にスフィアルの作り出した氷柱に閉じ込められ、氷と共に砕け散った。
「ミ、ミケ……? 魔法職じゃなかったかお前?」
スフィアルが眼鏡を直して戸惑っている。
そう言えば、私が戦うのを見るのは初めてだったっけ。
「スフィアル! ボーっとしない!」
「わ、悪い!」
リラは平常心を心がけているみたいだ。飛んでくる魔法を相殺しながら声を上げた。とりあえず戦闘が最優先で、後回しにしてくれた。
「いよっしゃあ! ただいま!」
ルクスがようやく引き上げられた。
ついに私達は5人そろって曲輪の入口にたどり着いた。
「作戦、大成功だな!」
ルクスがイタズラっぽい笑顔を浮かべ、ベイブとハイタッチを交わした。
同時に後ろを歩む味方から歓声が上がった。敵からも驚嘆の声が上がっていた。
私達は曲輪内に進入した。
ここは曲輪の西に位置する。右手南側はまた堀を挟んで高い切岸がそびえている。上からはやはり敵の攻撃が降り注いできていた。
おおよそ把握している地形から、現在地は三の曲輪といった所だろう。上が二の曲輪。
さらにその先に控えるのが敵の本丸。本曲輪だ。
ここ三の曲輪は北側に大きく開けていて、現在ゴルディーク達が戦っている。
北端から切岸の下へは最初に私達が戦っていた、今も多くの味方が戦っている広い坂が見えるはずだ。
土塁に身を隠しながら攻撃を放っている敵がいる。しかし、そのほとんどは今や曲輪内で暴れるゴルディーク達へ向けての援護射撃に手一杯のようだった。
下へ攻撃しているのは西端に並ぶ細い道の侵攻を防いでいる敵のみ。
つまり、これを排除すれば多くの味方がここへたどり着ける様になる。
「ベイブ! 行くぞ!」
「うむ!」
ルクスはアイテムボックスから予備の剣を取り出すと、ベイブと共に土塁に隠れる敵へ躍りかかった。
「させるな!」
上の二の曲輪から妨害しようと攻撃が放たれる。
「こっちのセリフだ!」
しかし、氷の壁を出現させそれを防ぐスフィアル。
「時間を稼ぐ。今の内に、片付けてやれ!!」
ルクスとベイブは振り向かず「おう!」とそれに応えた。
敵の攻撃がスフィアルに集中し、氷の壁は数度凌いだ後に粉々に砕かれた。
「一人じゃ大変でしょ。手伝ってあげる」
リラがスフィアルの横に立ち、光の壁を出現させ魔法を弾いた。
「私もいる」
スフィアルを狙った矢を私はことごとく叩き落とす。
リラのセイントウォールは魔法は防げるが、武器攻撃はすり抜けてしまうのだ。だから、私がそれを補う。
「2人共、がんばろう」
2人の前に立ち切岸の上を見上げる。
チーム アラウンド ザ ダイヤモンドの正念場だ。私も含めた5人で、この戦場を切り開く。
「うぉらああッ!」
ルクスが切岸に張り付いている敵を剣で斬りつけた。
その怯んだ隙にベイブが突進し、必殺技で叩き伏せる。輝きをまとった大剣が地面ごと敵を貫いた。
ルクス達の襲撃に敵はハチの巣をつついた様な騒ぎを起こしていた。
下の道を攻撃する手がたちまち止まる。その手を順次2人の侵入者に向けて、敵はチャージタイムに入った。
しかし、ベイブが体を伏せると、その陰から3本の矢を弓に番えたルクスが姿を見せる。
「3連、トライデントピアス!!」
ギリギリまで引き絞られた3本の矢。放たれた直後それぞれが3本の閃光と化し、計9つの槍となって敵の集団を貫いていく。
「ぬうあああッ!!」
必殺技後の硬直から回復したベイブが大剣を振り回し、唸りを上げて次々と敵をなぎ倒していく。巨大な鉄板を振り回しているとは思えない、小刻みな回転とステップで敵に攻撃する隙を与えない。
剣戟の嵐に巻き込まれ、地面に転がっていく敵が1人、また1人と光の粒へと変わっていく。
そのベイブを囲もうと動き始める敵だったが、剣にスイッチしたルクスが進路上に躍り出て斬り裂いていく。そしてベイブの大剣の軌道に、その鉄板の餌食として押し出していく。
この集団はほとんどが遠距離攻撃を得意とする魔法職で占められていた為、接近戦に持ち込まれたこの状況に最早対処できなくなっていた。
まっすぐ私を狙った光の矢を手甲で弾いて軌道を曲げる。
目で追えない速度ではなかったが、高レベルの必殺技は私の力では止める事が叶わなかった。
なので、体に当たる直前で側面から叩き落とす事にした。
「な、なんだあのチビ!? 俺のブリッツブレイクが当たらねぇ!?」
切岸の上にいる敵が何やら必殺技の名前を叫びながら狼狽している。
それより誰がチビだ。顔覚えたからな。
「ミ、ミケさんスゴいね……」
「ブリッツブレイクは弓矢最速の技のはずなんだけどな……」
リラとスフィアルも魔法を放ちながらもちょっぴり集中力に欠けているみたいだった。
「銃弾より遅い。後でコツ、教えようか?」
「……いや、いい」
スフィアルはそれだけ言うと自分の作業に戻った。
昔、近所の子供に技を見せた時と同じ反応だ。教えてとせがむから教えてあげたのに、途端に「やっぱいい」と話を切り上げられたんだよね。お姉さん悲しい。
「おい! 弓隊集めろ。あのチビに攻撃を集中させるんだ!」
上では敵が攻撃の指針を決めたようだ。あと、お前は後で私が必ず倒す。
「やれ! バーストショット!!」
ぞろぞろと集まった敵が一斉に矢を放つ。その矢は発射と同時に散弾銃の様に弾け、無数の針に拡散して襲いかかってきた。
それを私は手足を駆使して叩き落としていく。
さすがにいくつかは避けきれなかったが、すぐにリラが回復魔法をかけてくれて全快した。
後ろに庇った2人を無傷で守り抜くのが私の役目だ。
「な、なんなんだよアレは……。だ、第二射! ……あっ!?」
その時、弓を構える敵の一帯に爆炎が襲いかかった。
「ナイスファイトだったぜ! お嬢ちゃん!」
背後の道を渡りきってきたこちらの味方だ。
先頭の男が私達に声をかけると、そのまま乱戦状態のゴルディークの加勢に走っていった。
後ろでは遠距離を得意とする味方が切岸の上に攻撃を仕掛けている。
その後も続々と味方が流入してくる。
ルクス達は役割を果たしたようだ。加勢に加わった味方と交代してこちらに戻ってきた。
「お仕事お疲れ様!」
「おう! そっちも」
リラが手を上げ、ルクスもハイタッチで応えた。
ベイブもご機嫌で大剣を振り回しながら戻ってきた。
スフィアルもようやく一息ついて眼鏡を直した。
「ふう……」
とりあえずこの場での仕事は済んだみたいだ。私も構えた腕を下ろして乱れた前髪をかき上げた。
流入した仲間達が戦い始めるのを見ながら、私達はひとまずこの暇に体を休める事にした。
次回投稿は20日午後8時予定です。
立体魔法陣はロマンです。
しかし、技名を考えるのはなかなかに難しい……。
キャラクター名は割りとキャラクターの雰囲気やそれに合った語感でテキトーに決めていますが、技名は意味を持たせる必要があるので。
いやぁ、紅蓮の魔術師ってかっこいいですよね。次回どんな活躍を見せてくれるのか!?
次回、第32話『ペイン』
お楽しみに!