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舞踏会・後編(第6章)

舞踏会の雰囲気にわたしも馴れ、いろんな男性と談笑した


わたしばかりじゃない、舞踏会場にいる女達は躍起になっていろんな男性と話しをしてた


その中でも姉は常に数人の男達に囲まれ、母の教え以上に時には魅力的に、時には軽く男達をあしらって話しをしていた。わたしの助けなど全く必要ではなかった


男達は姉に夢中だった


 

そんな時に突然、舞踏会会場の入口から大きなどよめきが起こった


その感嘆の声、ざわつき、ため息、称賛が舞踏会場に広がっていく、大きくなっていく


一人の女性が舞踏会に遅れて入ってきたのだった


宝石を散りばめた美しいドレスに、クリスタルのヒール


そのドレスの輝き以上に圧倒的な存在感を持ったそれは美しい女性だった


 

舞踏会場の雰囲気は一変し、彼女の為の舞踏会になった


そこにいた全ての女性が彼女の引立て役になった


わたしと話しをしていた男性も、姉の周りにいた男達も、突然訪れたその美しい女性を見ようと離れて行った


2階の王室の席で舞踏会場を見ていた王子も身を乗り出して彼女を見てる


わたしの心は乱れた


 

王子は2階からゆっくりと降り、彼女の前に立ちダンスを所望した


舞踏会場は美しい二人に目が注がれた


彼女と王子は楽しそうにダンスを始めた


演奏家達も楽しく音楽を奏で始め、料理人達も召し使い達も楽しそうに二人を見つめてる


舞踏会場にいた全ての人が二人を見つめた


 

ダンスが終わると王子は彼女に何か話しかけた


楽しそうだった彼女の顔は曇り、切なそうな顔をして首を横に振りつづけている


彼女は突然王子を突飛ばし離れると、舞踏会場から走って飛び出していった


何が起こったのか解らない王子は召し使い達に彼女を追わせた


舞踏会は騒然としたまま、終演となった


 

姉の描いていた未来は現実にはならず、わたしは変わらない明日が来ることを感じていた




夢が終わった




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