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新しい妹(第2章)

母は、再婚相手にはことかかなかった


母は我が家の再興の願いの為に、貴族の目に止まりやすいお城近くの城下町に住む男性と再婚することを選んだ


新しい父親は先妻に先立たれた失意の中で母を紹介され、再婚を決意したようだった


わたし達家族は新しい父が住む城下町に引っ越すことになった


わたしは城下町の活気あふれる雰囲気に心が踊った


新しい父は私達家族を優しく迎え入れてくれた


そう…なにも問題はないはずだった


紆余曲折はあっても、またいつも通りの日常が始まるだけのはずだった


彼女に出会うまでは



彼女は新しい父の後ろに隠れていた


彼女はわたしにとって初めての妹になる


わたしは分かち合える妹ができることが嬉しかった

 

彼女が姿を現した時の光景をわたしは生涯忘れない


それは姉も母にとっても同じだと思う


それくらい、わたし達家族の衝撃だった


 

初めて出会う妹は目を疑うばかりの綺麗な女の子だった


ただ綺麗なだけでない、絶対的に人を引き寄せる魅力にあふれていた


 

新しい父は彼女に向かって「シンデレラ、お母さんとお姉さんにご挨拶なさい」と言った


妹の名前は『シンデレラ』だった


 

姉はシンデレラの姿に言葉を失ってた


姉がシンデレラの引立て役になってる


シンデレラの光の中にあの姉が飲み込まれている


 

母も新しい娘が自慢の娘より輝いていることにどこか戸惑いを隠せずにいた

 

 

わたしは…


家族の戸惑いがわたしの戸惑いだった


彼女一人の存在が、今までのわたし達とわたしの否定になりかねない



心がざわめくまま、新しい生活が始まった




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