突然の…(第13章)
わたしはいつものように市場に買い物に行くと、ジョセフはいつものように笑って話しかけてくれた
いつものようにジョセフは饒舌に喋ってた
それがしばらくすると、ジョセフはだんだん心あらずになり…黙りこんでしまった
わたしは「なに?、なに?」とジョセフに聞いた
わたしは不意にわたしがシンデレラの姉であることが知られたのかと思うと不安になった
「なに…なに…」と小さな声で聞いた
ジョセフは目を伏せて黙って考えている。言葉を選んでるようだった
その沈黙にわたしは胸が詰まりそうになった
ジョセフは目を上げると、意を決したように強い口調で言った
「あなたが好きだ!結婚してほしい!」
わたしは言葉を失った
ホッとしたかっただけなのに
突然のプロポーズにホッとして、嬉しくて、気が動転した
嬉し過ぎて言葉も表情も上手く出てこない
今度はジョセフが不安そうな顔でわたしを見てる
わたしは上手くすぐ言葉が出てこない自分が歯がゆかった
胸の中で「今のは冗談だよ」と言わないで、と思った
嬉しい…でも…
わたしの心の中に光と影が交錯した
そんなわたしを見てジョセフが何かを言おうとした瞬間、わたしの名前を誰かが呼んだ
わたしがその声のほうを見ると、一人の貴族の男がいた
あの舞踏会でわたしにダンスを所望した男だった
その男はわたしに近づくと「君はシンデレラ妃のあの姉だったのかぁ」とわたしに言った
黙ってる私に「意地悪するようには見えなかったんだが、女とは恐ろしいもんだな」と続けて言った
わたしの中で何かが崩れていくのが解った
ジョセフの顔が怖くて見れない
男は料理人の買い出しにつき合って市場に来たみたいだが、市場の雰囲気を嫌い、市場の人達を見下してるようだった
ジョセフにも汚らわしいものを見るような目で見てる
男はわたしを指差し、ジョセフに向かって
「こんな女にプロポーズするのか?こいつはシンデレラ妃をいじめた、あの姉だぞ」と中傷するように言った
「知ってます」
ジョセフは男に静かに答えた
思わずわたしはジョセフを見た




