表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/15

あなたが綺麗な人だから(第11章)

青年はそのリンゴを拾いながら少し怒った顔でわたしに言った


「何があったか知らないけど、食べ物は大切にしなきゃ」


続けて言った


「このリンゴはね、人に食べられるまで大切に作られた大切なリンゴなんだよ」


更に青年はわたしに近づきこう言った


「大切なリンゴだから、綺麗なあなたにプレゼントしたんです」


青年はリンゴをわたしに手渡した


 

「そんなに顔を隠してちゃ、もったいないよ」


と優しい笑顔でわたしに言い、わたしが顔を隠していた髪を指で掻き分けて、「ほらね」と言った


わたしの頭をそっと優しく撫でてくれた


 

 

わたしは…


 

思わず涙が出た


 

 

ずっとこらえていた何かが吹き出した


ハッと我に返り涙を止めようとしたけど、涙が止まらない


止めようとすればするほど、涙が次々と溢れて来る


 

彼は突然のことに戸惑ってた


それを見た市場の仲間達が彼に


「おいジョセフ!女を泣かせたのか」


「こんなペッピンさんを泣かせる野郎は最低だぞ」


と次々に冷やかしてくる


彼は慌てて周りに説明にもならないような説明しながら、わたしに必死で謝ったり、なだめたり、なぐさめたりしてくれてる


わたしは彼のその姿が嬉しくて、もっと涙が止まらなくなった

 

可笑しくて、笑って、涙が止まらなくなった


 


嬉しくて、嬉しくて




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ