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狼狼狼狼狼狼狼狼狼娘  作者: 宵闇レイカ
五章 白き郷
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白月の願い






 創白(だしろ)の領地、昔の創白が村。

「…月様の匂いはこのまま先へ続いています。ずっと直進です」

「わかった。他に情報は?」

夢白(ゆめしろ)当主、夢白(ゆめしろの)(よる)を横抱きに抱えながら、百間(ひゃくま)星夢(せいむ)は問う。

「また表情から読んだですか」

「夜ちゃんはわかりやすい。(ほむら)ちゃんもだけど」

問いかけた筈の焔の方が少しばかり驚いた表情を見せるが、夜はそれに気付かずに、

「…武白のお二人の匂いが途切れました。それから月様の焦るような匂いが残っています。これは…」

「こっちも一筋縄ではいかなかったか。だけど今ここに居ても仕方ない。後を追おう」













 そして、川を挟み、少し林を抜けた先では。



「……。」

武白の能力は『対人戦闘』。そして『制圧』。

 輝白の、俺の貫いた傷は、もうすっかり修復されていた。

《ここまでが『能力』らしいな》

武白は、別に相手が人でなくても攻撃性は発揮できる。ただし、対人で相手を傷付ければ、その本質に従って、相手を昏倒させたうえでその傷だけを修復する。

 つまり『制圧』。


 カリナは引っ込めた。彼は幽霊であるから、見える部分が傷付いたとて、死にはしない。

 そして、センラ、メイナは……――


 花の一つもこの場にはない。姉妹で寄り添い、そして上着を掛けてやることしか出来なかった。

 もういまや魂の所在すらも分からないが。どうか…、どうか――。


 気付けば、足元には、地下に続く(ハッチ)があった。少しずつ場所を移動していたためか。

「…」

言葉は出なかったが、地下に何があるのか。

 全くの勘だが――


 『白の門』。

 地下であるのに薄明るいのは、この『創白(だしろ)の奥義』なる造形物が、白く妖しく光を放っているからか。

 創白当主、期規(きすのり)さんの娘、期沙(きすな)ちゃんの話では、くぐればいい(、、、、、、)という話だった。

 見た目は木造りの門をそのまま物質だけ変えたようなものだ。重々しい門だが、押せば意外にも簡単に開いた。

「……っ」

この涙は…、溢れた眩しい光のせいか。いいや――。


 ――最期に…。別れを告げることも、顔を合わせることすらも叶わなかったが。


 どうか、この場で。


 この神々の故郷(さと)で。


 …。

 この扉は、願いを持ってくぐりさえすればよい。



 ならば。



 願わくは――



 合理性でも、正義すらもなく。




 俺は―――。











 ただ愛した人が、安らかにあり続けることを――――――






















































































 温もりがあった。


 懐かしい匂いも。



 重たい瞼を上げるだけでも面倒な程の幸福感に満たされて。



 ああ…、いつまでもこのまま――、とも願ったこともあった。



「――。――?」


 声はゆっくりと。優しく。


 いつも聞いていた、その声。






 私の愛したその人の――。
















 日常が。


 そこに在った。












































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