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狼狼狼狼狼狼狼狼狼娘  作者: 宵闇レイカ
五章 白き郷
57/61

魂の月






 身を護る手段は無くなった。だが、俺が地から昇り降り落ちる黄金の雨に貫かれることは無かった。


「―――ァあ…?」


 俺には胡散臭い迷信以外に魂の在り方なんて分からない。

 だけど。

《やっぱり繫げられたな…。これなら》


 これなら。

 これなら――‼


輝白(かぐしろ)…‼」

「…‼」

輝白はやや狼狽したようだが、すぐに攻撃を再開した。

 一対一。

 黄金を腕に纏わせ、籠手のように造形し、さらに拳を黄金に染めて、直接的に殴りくる輝白。

 対して俺もまた。直接的な打撃で応じる。



 バギィィイイッッ‼‼



 と、黄金と『武白』が衝突する。


 魂の接続。

 カリナが提案したのは、彼を媒体として、俺とメイナ・センラ二人とで魂を接続する方法だった。誰も試したことは無いが、成功だった。

 これなら…‼

 ――打ち合える‼‼


 武白の能力を疑似的に纏い、輝白と衝突する。

 打ち合い、()わし、打ち、打たれ、黄金と赤が混じり、散る。

 武白の能力は対人制圧。白の光は、本来は攻撃と防御の両方の性質を兼ねている。半自動で生成される光は、自分が打った際に反動をなくし、破壊力を強化する。防御性はセンラに継がれた方の能力。相手が九狼でもなければ、あらゆる『攻撃』を無効化する。

 対して輝白。黄金を自在に操り、物量とも鋭さとも意のままである。

「…ッ‼」

黄金を打ち、砕く。

 武白の能力で打てば、黄金を砕くなぞ容易い。

 対し輝白は、

「――ッ‼」

戦法を変えた。

 メイナとは違う、一時的で限定的だが、完全に『武白』を顕現させたらば、物量で制圧するよりも、集中させて強固にした方が有効と判断したらしい。

 センラの魂の宿る防御性。その防護もまた、重ねて、分厚く、強固になるようだ。加速する戦場。一対一の純粋な戦闘。

 制約があるとすれば――

「…ぐ…ッ」

輝白はメイナからの傷が残る。

 そして俺もまた、

《…早く決着を着けろ…‼もたないぞ…》

時間は限られる。今は、肉体が死んでからまだどうにか留まっている魂を、強引に引き込んでいるに過ぎない。来るべき時が来れば、それも使えなくなってしまうわけだ。

「…っ‼」

先に仕掛けたのは輝白。


 ドンッッ‼‼


 輝白の背後から打ちあがったのは…

「…‼」

確認する間もなかったが、すぐにでも正体は分かった。

 『槍』だ。

 メイナとセンラは、カリナが残った体積で守っている。ならば、心配はない…。

「…ぁア‼」

蹴り抜いた。確実に急所を避ける通りさえ判れば構わない。

 …例え、操られた『黄金』の槍が、防護を貫き、左の肩から先を抉り取ろうとも。


 隙を開けず、残った腕で、殴り抜く。

 武白の攻撃性を集中し、咄嗟に輝白の黄金で作った盾をも貫いて――。


 勝負はあった。





 今度は――、俺が……――










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