優越感
帰省ラッシュで渋滞している高速道路。渋滞は何十キロと続き、当分は進みそうもない。
そんな中、突然一台の車がタイヤを折り畳み、5メートルほど宙へ浮かんで進み始めた。渋滞など関係なく、自分だけが快適に進める。車のドライバーは渋滞を見下ろし、優越感に浸った。
面白くないのは他のドライバー達。ただでさえ渋滞でイライラしている所に、そんなものを見せられて面白いわけがない。
すぐさまドライバーは特定され、空飛ぶ車の技術が表沙汰になる。しばらくして、空は車だらけとなった。
渋滞に無縁となった高速道路を一台の車が走っている。車のドライバーは空飛ぶ車で渋滞する宙を見上げ、優越感に浸った。
面白くないのは他のドライバー達。人々はどうも優越感を許さない傾向にあるらしい。