表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
春と未来  作者: くろ
2/19

発展

目が覚めた時には家を出る5分前だった

…完全に遅刻だ


俺は急いで支度をし朝食も食べずに家を出た


家から学校まで徒歩20分とそこそこの距離


奏汰と司も家が近いのと学力も同じくらいなので3人で同じ学校を受けて3人で合格したし高校生になっても一緒に登校する事になっていた


「おーい、春樹走れ、時間ねえぞ」


「あと何分でホームルーム始まるの?」


「10分ってとこだな!」


「無理じゃねえか早速遅刻とか勘弁だからお先」


「あ、奏汰待て!」


司と奏汰とは小学生の頃からずっと一緒だったけど奏汰はずば抜けて足が早い

50m走、6.0と言ってたっけな…

おまけにイケメン、完璧である


かくいう俺と司だが…


「無理、もう走れない春樹おんぶして」


「むしろ司が俺をおんぶしてくれ、死ぬ」


「いいから黙って走れお前ら、もうすぐだぞ」


「「は、はい…」」


残り30秒というところでギリギリ教室に着くことができた


もちろん入学早々遅刻なんて普通はありえないので新入生達には怪訝な目で見られた

こりゃ第一印象最悪だな…なんて思ってると


「走ったんだね、お疲れ様」


と、隣の岸谷未来ちゃんが笑っていた。


「あ、うん、寝坊しちゃってね」


「ダメだよーちゃんと起きなきゃ、ギリギリじゃん」


「ほんと危なかったよ、明日から気をつけないと」


「お、じゃあ明日早く来れたらご褒美をあげよう!」


「マジ?その言葉忘れないからな!」


朝から走った疲れなどどうでも良くなるくらいには眩しすぎる笑顔だった


よく見たら髪もセミロングで好みだし声も透き通ってて綺麗、どストライクだ


ふと司の方を見るとこっちを見てニヤニヤしていた、気持ち悪い…


「おーしホームルーム始めるぞー、日直、号令よろしく」


「起立、礼」


「今日は1人ずつ前に出て自己紹介してもらうからな、じゃあ出席番号一番からよろしく」


…今すぐ帰りたい、この世で苦手とする物

それは、1にホラーで2に人混み、3に自己紹介というくらいには苦手なイベントだ…

てかそもそも自己紹介って何だよ…前に出てやるって公開処刑かよ…


なんて事を考えていると司の番のようだ


「えー出席番号6番、河野司です。好きな食べ物はハンバーグで好きなことは寝ることっす!みんなよろしく!」


顔だけイケメンやりおる…何の苦もなく突破しやがった…もう何も考えられないし司の真似すれば……


「おーい、黒瀬、聞こえてるかーお前の番だぞ」


「はい!?あ、はい」


……驚いて変な声が出てしまった

教室のどこからか失笑が聞こえてくる

穴があれば入ってそのまま蓋して欲しい


前に立つと奏汰と司が爆笑していた

あいつら後でしばく…


「え、えっと、出席番号10番黒瀬春樹です、好きな食べ物はハンバーグで好きなことは寝ることです、よろしくお願いし…」


「おいおい黒瀬、それじゃあ河野と同じじゃないか」


余計なこと言うなよくそ担任…やめろって…今までしてきたこと謝るからやめてくれって…


「そうだぞ!好きなタイプ言えよ!」


司は後で絶対しばく、しばいて牛丼奢ってもらう


といっても答えずにただ立ち尽くすのも恥ずかしいし適当な事言ってやり過ごすしかないか…


「好きなタイプは…大人しくて声が透き通っててセミロングな人です、皆さんよろしくお願いします」


拍手の中自分の席に戻ると岸谷未来ちゃんがちょっと照れくさそうに話しかけてきた


「セミロング好きなんだね、私と一緒じゃん」


しまった


いくら必死だったとは言えこれじゃクラス全員の前で告白してるようなもんじゃないか


「あ、うん、岸谷さん似合ってるよね、セミロング」


「えへへ、ありがと、岸谷さんだと何か嫌だし未来でいいよ?」


「えっあっうん、わかった、俺も春樹でいいよ」


「OK!じゃあー春くんって呼ぶね!」


「うん、改めてよろしく、未来」


自己紹介、最高です、神様ありがとう


最初見た時の胸の高鳴りはきっと気のせい何かじゃなかった


俺はこの子に惚れてしまっていた

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ