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春と未来  作者: くろ
15/19

二回目

家に帰ってから何故か違和感があった

モヤモヤする

恐らく原因は未来のはずだが全く出てこない


「うーん...なんだろ...」


「どしたの春ちゃん?」


「さっきから引っかかることがあるんだけど何かわかんなくてさ」


「未来ちゃんのこと?」


「たぶん、てか絶対そうなんだけど」


「ふーん、でも未来ちゃん凄いよね、隣町すんでるのにこっちまで来るなんて」


「うんうん...え?」


「え?だから、隣町に住んでるのにこっちまで来るなんてすごいねって、あっちの町でも祭りやってたよ?」


「それだ...!!」


どう考えてもおかしい

報告するために隣町からこっちに来るか普通

確かに電話とか極力無視して来たけどそこまでするとは

考えにくい


「汐里さ、友達に未来がどこに住んでるとか知ってる人いない?」


「ストーカーみたいだね...うん、たぶんいると思うよ、今聞いてみる」


現在時刻は22時、夏休みはあと2週間少しあるしこの時間に電話しても大丈夫だろう

汐里が電話をかける

少しこちらを見て誇らしそうに笑った

頼りになるでしょ?と顔に書いてあって俺も笑ってしまった


「あ、もしもし咲?ちょっと聞きたいことあるんだけどさ、未来ちゃんっていたじゃん?あの子の家とか知ってる?

うんうん、はああ!?ほんとに!?わかった、ありがとう!」


とてつもなく短い電話だった


「どうだった?」


「春ちゃん、あの子の住んでる所隣町じゃないよ」


「へ?」


「橋の反対の方、あたし達の下校する道をさらに行った先だよ」


「めっちゃ近いな、でもそれだったら中学も同じはず...」


「ん?春ちゃんなんも聞いてないの?あの子山梨からこっち来た子だよ?」


「は...?知らない知らない、逆になんで知ってるの?」


「女の情報網は凄いんだから」


またしても誇らしそうな顔をしている

にしても何でそんな嘘をついたんだろうか...

メリットが...


「何で俺に嘘ついたと思う?」


「うーん、単純に浮気相手を隠したかったんじゃない?」


「なるほど...」


それなら納得できる

やけに朝早く来たりわざわざ猫像を待ち合わせにするわけだ

我ながら馬鹿だな、と


「ちょっと未来に電話してみる」


「おっけー」


聞きたいことは1つだった

それ以上は聞かないし受け付けない


「もしもし?未来?」


「あ、春くん、もう振り向いてくれる気になった?」


「違う違う、聞きたいことあるんだけど今いい?」


「うん」


「あのさ、住んでるところって本当に隣町?今日だったらそこでも祭りやってたと思うしわざわざ

こっち来なくてもよかったと思うんだけど」


「ん?違うよ、春くん家の少し先のとこだよ」


「え...?」


全く隠す気がない

逆に動揺してしまった


「いや、え?今まで嘘ついてたってことだよね?」


「そうなるね、ごめん」


「...そっか、ありがとう、おやすみ」


「うん、おやすみ春くん」


やはりあの子はわからない...

もう嘘をつく必要がなのはわかるけど

堂々としすぎじゃ...?


「どうだったの?」


「隠す気が全くなくてめっちゃびっくりした」


「うーん手強いねぇ...」


「まあ今幸せだしいいんだよ」


「うん、そうだね」


若干違和感が残りつつも無事夏休みを終える

それ以来未来からは何も来ていない

ほっとけば冷めてくれるだろう、そう思っていた


相変わらず学校が始まっても席変えがなかったが...

そしてまた何の変哲もない毎日が流れて行く

未来とは話す機会が何回かあったが

ほぼ業務連絡だけで未来からも話しかけてくることはかなり減った

が、メールで定期的に告白の文と返事の催促のメールを見ると冷める様子は

まだまだ無さそうだ...

心無しか嘘がバレてから未来の性格が変わった気がした


1つ変化があったとすれば最近汐里の友達が汐里を連れてどこかへ行っているようで

一緒にいる時間が減った

それでも一緒には居てくれるし特に気にしなかった


時間は流れ11月

文化祭の時期


クラスごとで出し物をすることになっていて

偶然にも未来と仕事をすることになった


仕事の途中、未来からとんでもない話を聞くことになる

こんな話を半年前くらい前に聞いたことがあった気がした


「春くん知ってる?春くんの彼女さん最近男の子と遊んでるって」


「は?冗談よせよ」


「別に信じなくてもいいけど、お友達と出かけてるのは知ってたよね?」


「うん」


「気付いてる?最近お友達の誘い無しなの、1人なの」


「あ...」


いつもどおり過ぎて全然気付かなかった

そういえば最近出かけてるのは知っていたけど

友達の姿が見えない


「そういうことだよ、春くん、私見ちゃったからさ」


「見たって何を?」


「彼女さんと知らない男の子がデートしてるの」


「何でデートって言い切れるんだよ...」


「夏休み終わって少ししてからだよね?友達に誘われるようになったの、最初は週1とかだったけど

今じゃ週4になってるよね」


「そうだけどそれが何?ちゃんと夜には会ってるんだけど?」


「ふーん...あ、ちなみに私は嘘とかついてないからね、今回のは本当」


信じられなかったけど心当たりが多すぎる

でも汐里に限ってそんなことは...


「本当のこと知る前に手を引いたほうがいいよ、一回経験してるんだからわかるでしょ」


信じたくないけど未来の言葉は重く心に突き刺さった

信じられないけど恐ろしいほど説得力があった


まだ決断を出すことができなかった

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