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猫は歌う

作者: 御劔剣次



 歌う歌うよ猫は歌う。にゃおんと一声、伴奏を始めよう。風と鈴の音が鳴り響き、ゆりかごを揺らすような伴奏が。にゃおん。



 歌う歌うよ猫は歌う。にゃおんと一声、歌うよ歌う。一声鳴けば風がおどり、二声鳴けば鈴も鳴く。にゃおん。



 歌う歌うよ猫は歌う。見初めたかわいいあの子のために。一生懸命歌ったら、隣であの子も歌ってくれた。にゃおん。



 歌う歌うよ猫は歌う。にゃおんと一声命の声が。新しい命もにゃおんと鳴いて。嬉しい歌をみんなで歌おう。にゃおん。



 歌う歌うよ猫は歌う。歌えば気分も良くなる。空腹だって忘れられる。餌がとれないその日には、励まし合おうよ。にゃおん。



 歌う歌うよ涙も震えて。仲間が死んだよ車にひかれて。薄暗い住み家で歌えや歌え。友を泣いて送り出せ。にゃおん。



 歌う歌うよ猫は歌う。歌えばなんでもへっちゃらだ。暑けりゃ日陰で、寒けりゃみんな寄り添って。歌えよ歌え。にゃおん。



 歌う歌うよ猫は歌う。最期の時にもせいいっぱい。歌えや歌えやお迎えだ。歌が迎えを導いた。この歌が道しるべ。にゃおん。



 歌う歌うよ猫は歌う。死んだ猫にも負けない声で、仲間は元気ににゃおんと歌う。新しい猫もにゃあにゃあと。そうしてみんなで歌えたら、一人でいても独りじゃない。みんなどこかで、同じ歌を歌ってる。天国の仲間も歌ってる。歌えや歌え、歌えや歌え。



 にゃおん。




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― 新着の感想 ―
[一言] なんとなく惹き付けられて読ませてもらいました。猫の鳴き声が人生のあり方と混ざっていて、じんわりくるものがありました。 素敵な詩でした。 あまり詩は読んでないので、偉そうなことは言えないのです…
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