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御曹司な俺、庶民な女  作者: 夜桜
出逢うまでの二人
3/4

滅茶苦茶(不敏)な姉






姉貴が起床したことによって通常運転に戻った西木家のテーブルには沢山の朝食が並んでいる。

西木家では朝は必ず家族で食べることが絶対。

破れば音葉さんがキレて家は氷河期に突入してしまう!

「はい、手を合わせて…」

「「「「「いただきます」」」」」

「…いただきます」

留佳さん1人遅れて言ってから俺達の箸は進む。

西木家では基本的に朝食は和食で夕食はその時の音葉さんと姉貴の気分で決まる。

そして今日の話題は…

「それにしても姉さんどこ行ってたの?」

朝早くに突撃して帰って来た音嶺さんについてだった。

音嶺さんは世界各国を飛び回っており様々な業種についている。

ある時は病院で、ある時はペンタゴンに、またある時は大統領補佐…簡単に言えば俺ら双子よりもはるかに優秀でチート。

そんな彼女はもうすぐで三十路とは思えない幼い顔つきで卵焼きをゴクンとする。

「えーっと…

最初にフランス飛んでからのドイツ行って、ロシアを横断して中国に侵入して、モンゴルで馬と戯れてきたよ!」

「色々ツッコみたいことだらけなところに行ってきたのはよくわかったよ!!」

「えっへん( ̄^ ̄)」

「「威張るな!!」」

「なんで音樹だけじゃなくてお母さんまで!?」

「…」

目の前で繰り広げられる非日常と言う名の日常に俺と姉貴は黙秘。

留佳さんは片手で音葉さんを止めている。

唯一止められていない音樹はため息をついた。

「だから結婚出来ないのか…」

「する気ないし!

甥っ子と姪っ子を可愛がるだけだもん!」

「誰が姉さんに近づけるか!!

変態が移る!!」

「音樹くん…変態は病気じゃないよ?」

「意味が違うからね!?梢さん」

「梢ちゃんマジ天使!」

「黙れ三十路!」

一喝、それにより朝食の間が静かになった。

やっちゃったねと穏やかに微笑む音葉さん、黙々と食べる留佳さん、状況が掴めていない姉貴、そして…

「…み、三十路じゃないもん!!!!」

泣きながら絶叫する音嶺さん。

なにか色々喋っているが音葉さんをはじめてする西木家の皆は全く相手にしていない。

元凶の音樹なんて隣に座る姉貴と和やかに会話している。

おい、まてコラ!

いくら夫とは言えそれ以上は近づくなよ!!

「ちょっと!姉が泣いているのにスルーなの!!?」

「姉さん、そこの酢の物とって

梢さんが食べたいって」

「音樹くん、自分でとれるから」

そう言って立ち上がろうとする姉貴だけどにこりと微笑む音樹が押し止める。

「駄目だよ

もう梢さん一人の体じゃないから無理は禁物」

「でも少しは動いた方がいいって…」

「じゃあ、後で散歩いこうか

それだったら運動になるよね?

ちょうど今日は1限目休みだしゆっくりできる」

「本当!嬉しい!」

音樹の言葉に可愛らしく頬を桃色に染める姉貴、そんな姉貴を優しく見守る音樹。

夫婦というよりはまだまだ初々しい恋人同士に見える二人に音葉さんは頬を弛め留佳さんは少しだけ口許を緩めている。

俺も大好きな姉貴が幸せそうなので少しばかりムカつくが邪魔するのは止めよう。





「皆揃って無視しないでよ!!!」



今日も西木家は平和だ。

滅茶苦茶にするつもりが不憫な姉になってしまった。

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