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御曹司な俺、庶民な女  作者: 夜桜
出逢うまでの二人
2/4

混沌(カオス)な会話

最初は懐かしの西木家の会話からお送りします。

年齢的には音嶺(28)音樹(20)梢、桐(19)です。

プロローグ前の会話で音樹と梢の結婚後で珍しく桐目線です!









あの事件(『天才な姉、万能な弟』にて)以来、俺こと最上桐(さいじょうきり)と姉貴の梢は西木家に居候させてもらっている。

その際、俺も姉貴もお袋の旧姓“西木”を名乗ることに。

これは音嶺さんが結婚し音樹が人生の終わりかと思う出来事の少し前の話だ。







西木家の朝は早い。

特に主婦の西木音葉さんは異常に早い。

皆が6時に起きるのなら音葉さんは4時に起きる。

早すぎないか?と思うが西木家では普通のことらしい。

だから俺がリビングに向かうと音葉さんが生き生きと料理をしているのがみられる。

今日も生き生きとしている。

低血圧な俺には羨ましいことこの上ない!

「……おはよう」

「あら、お早う桐くん」

テンション低い俺と晴れやかに笑う音葉さん。

その隣では無表情の男が立っている。

明るい音葉さんとは対照的なこの男性は西木留佳さん。

俺の叔父にして音樹の父。

無口無表情な叔父はかなり苦手で何を考えているかわからない。

「おはようございます」

「……」

挨拶しても微かに頷くだけ。

最初の頃は嫌われているのかと思っていたがどうやらこれが通常運転らしく、実子にもこの反応。

唯一の例外は奥さんの音葉さんが関わるときのみ。

「留佳さん」

「…………おはよう」

「(音葉さん強すぎだろ!!?)」

音葉さんがにっこり微笑むだけで留佳さんは素直に言うことを聞く。

実子おろか実妹でさえにもあまり愛情を見せない留佳さんはドン引きするぐらいまでに音葉さん至上主義。

頬がひきつっているのがよくわかる。

微妙な空気を破ってくれたのは、

「おはよう……何してるの」

呆れ顔の親友兼義兄 西木音樹(にしきおとき)

入ってきた音樹は眉をひそめる。

「おはよう、音樹」

「おはよう

で?なんでこんな空気に?」

「留佳さんが挨拶したからよ」

「……“させた”じゃなくて?」

「(流石!息子!!

恐ろしいまでの細かい詳細把握と正確無比なツッコみ!)」

何もかも平凡な音樹だがある意味家族一の常識人で最後の良心だと思うのは俺だけじゃないと思う。

そんな音樹に音葉さんはにこりと微笑むだけで深くはツッコまなかった。

そんな母に対して息子はため息をつくだけ。

もはや“慣れ”というレベルじゃないな……。

少しだけ親友に同情してしまう。

若干殺伐した朝の光景をぶち壊すのは……


バンッ ピキッ

「おは羊羮食べたい音嶺ちゃんただいま参上!」

「「扉を壊すな!馬鹿娘(姉)!!」」


……いや、火に油を注いだのは西木家長女にしてもっとも非常識人間たる西木音嶺(にしきおとね)姉さん。

マジ切れした音葉さんと音樹のツッコみに少し小さくなってしまったが。

留佳さんは呆れたように息を吐き出すだけで助けることはしない。

少し混沌(カオス)な空気の中、音嶺姉さんは可愛らしく頬を膨らましているが……。

「かわい「「可愛いのは梢ちゃんよ(さんだ)!!」」即答なの!?」

「……」

「(誰でもいいから止めてくれ!!)」




このあと身重の姉貴 西木梢(にしきこずえ)が起きてくるまでこの状況は続いた。






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