6/19
霊感少女、真理亜 続き
白崎家は、長崎に親戚の家がある。
父、歳三の姉、美代の嫁ぎ先が長崎だったから。
真理亜は、美代のことを、「ながさきのおばちゃん」と読んでいた。
ある日、ながさきのおばちゃんから、お菓子が送られて来た。
銘菓「ざびえる」
母、絹江は、家族みんなに「高級そうなお菓子貰ったよ。」と言った。
真理亜にも、そのなかの一つが渡された。
一口、口にすると、「何か、お酒っぽい味がする、、、」
真理亜はそう思った。
真理亜は、干しぶどうが苦手だったが、その味にも似ているような気がした。
味が濃過ぎて、食べられない。
食べかけの、ザビエルを絹恵に手渡し
「私は、もういらない。」
と言った。
両親や姉や兄は、その高級だと表現されたお菓子を、次々に食べて、あっという間に、箱は、空っぽになった。
真理亜は、空っぽになった箱に、吸い寄せられるように、歩みよった。
母、絹江に向かって真理亜は言った。
「その箱、私にちょうだい。」