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霊感少女、真理亜
第一章
霊感少女、真理亜
真理亜は、生まれる前の記憶があった。また、読心術のように、人の心を見抜く力も、生まれながらに備わっていた。
ある程度物心つくまで真理亜は、自分が変わっているなんて思いもしなかった。
目には見えない世界が見え、人間ではない何者かの囁き声を聞き、そこにはないはずの薫りや感触等を感じる、、、
常識では考えられない世界を真理亜は、日常的に見聞きしていた。
幼児は素直だから、自分にとっての「当たり前」は他人にとっても「当たり前」だと必然として思い込む。
真理亜は、不思議な事を言う子だと、周りから珍しがられた。
しかし、真理亜は、時が経つにつれ、周りの人と自分は違っていることに気付いた。
人と合わせるように、自分の気持ちを押し殺し生きていた。
真理亜には使命があった。しかし、自分にはその使命が大き過ぎてどうすることも出来ないと悩んだ。真理亜は、秘密を抱えながら生きていた。