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天下御免  作者: 深町珠
16/21

「坊や、お母様が亡くなられて淋しいでしょうね」と、蕎麦屋の娘は

眉を潜めた。



かわいそう、と。




右京は、蕎麦屋で

いつもの盛りと冷や酒である。



客の居ない時間なので、右京の近くで

娘は、その役人の息子の話を聞いていて

それで、淋しいでしょうね、と


愛らしい娘らしい感想。




右京は、次の言葉を言えなくなった。




役人の息子は、侍として士官を目指す、両親のようにはならないと

そう言って、志を新たにした。




むしろ、両親が居たら

汚濁の役人、後継ぎにさせられた事だろうから


彼にとっては幸運だったかもしれない

親の死であった。




志とはそのように、事によっては

我が身を呈しても守るべきものなのだろう。



潔い少年は、しかし少年故に割り切れるのだ。




両親とて、はなから汚濁の人生であった訳ではなく



役人という職業がそうさせた。


とも言えるので



清廉なる役人であると、寧ろ商人たちが

困惑するのである(笑)。


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