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天下御免  作者: 深町珠
14/21

淘汰

それから、その役人の女房は

奉行所に、幾度も来ては


騒いで行った、との事。




騒いで、余録が貰えたので

それで食って行こうと思ったらしい。




今も昔も同じだが、暇を与えると

そういう人種はろくな事を考えない。







ただ、侍の世では

今と違って、武士は刀を持っている。







度重なる奉行への蛮行。




その時も、その女房は

悪態をついた。




太った顔をのけ反らせ、目を見開き


「おかしいんじゃありません!御役目途中で

行方知らずになったのですよ」と



亭主の貰っていた録を、全て寄越せと

請求する。







奉行の名前を呼び、出てこい、などと

言ったので



若い事務方が追い出そうとした。







悪態をついていた女房は、「あら、あんた

いい男ね」と



細い、その事務方のくちびるを吸おうとした。





「止めろ!」と、その事務方が



跳ね除けた。





悪態女は、敷石に頭を打って


絶命。






奉行は、あ、と驚いたが

「まあよい。自明である。護身であるから

放免だ」と




悪態女の死骸を、片付けさせた。






江戸時代は、平均寿命が30才くらいだったが


まあ、淘汰される事もあったのだ。





淘汰しないと、人の質が悪くなるのである。


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