もうにんぐ
また、徒然なるままに
書いてみんとす。
『今、まさに歴史的な瞬間が!』
喫茶店のモーニングを食べながら、コーヒーをずるずると飲みながらモニターになんとなく目をやる。有名な国同士が手を取り合って〜という内容だ。
近くでハムエッグ定食を食べていたおじさんが、うろんげな目でモニターを見て、自分には関係無いとばかりにスープを音を立てて飲む。横のお姉さんはひたすら優雅にクロワッサンを頬張ると、口元をハンカチで押さえて、コーヒーを飲む。
『世界が注目するこの大事件が……!』
――世界ねぇ。みんなねぇ。
周りの慌ただしさの中で、私はずーるずるとコーヒーを飲む。おかわりをダラダラ飲んでるのは私だけだ。どんどんと食べ終えたお客たちは、息急ききって出ていく。
気付けば私を含めた常連客だけの静かな気配に。今では珍しくなった漏斗式でコーヒーを入れながら、マスターもうろんげな目でモニターを見る。
「みんなって、どこまでなんだろなぁ」
常連客がみな、ちょっとだけ止まって、また自分のペースで動き出す。
――私と同じ事を、きっと思ったんだろうな。
みんなは、この範囲位でいいんじゃないのかな。世界なんて知らない。私は私の範囲内で。
ずーるずると、コーヒーをまた一杯。朝が過ぎていく。私の朝が。




