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メメントモリ
死を扱っている為、暗いです。
歩く度に視界に入る黒い影。
近寄ってくる訳でなく、ただ距離を離さずについてくる影。
声をかけても、物を投げても離れない。
小さい頃から、周りで誰かが死んだり、怪我をする事が多かった。
自ずと人と距離を取った。影は常に笑いわけでも馬鹿にする訳でもなく傍にいた。
ふと、歩道橋から下の道路を見下ろした時、影は前に回ってきた。じっと見ているかの様だった。
目を離せないでいたら、通りがかりの警察官に心配されて声をかけられた。影は見えなくなった。
あれから沢山の事があって、裏切りも信用もあったけれど、影はずっといた。私にしか見えなかったんだろう。
私が病床に伏して、病院で静かに寝ていた時に、影は優しく顔を撫でて来た。
嗚呼、ただ影そのものに、いいも悪いも無くて、ただそういうものなのだと。
汝、死を忘れるなかれ。
いつも近くにいたものね。
汝、死を恐れるなかれ。
いつも近くにいたもんね。
私はただ、静かにそれに委ねて目を閉じただけだった。




