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プロローグ
真っ暗な暗闇。そんな中を僕は歩いていた。廃墟のような場所なので、月の光以外には明かりがない。僕は、ただ歩き続けていた、行き止まりがないような廃墟を。
『何でお前はこうも何も出来ないんだ!!』
『お兄ちゃんはくやまなくてもいいんだよ、悪いのは私だから……。』
嫌なものを思い出し、壁を殴る。
忘れろ、忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ
「忘れろってんだ!!」
自分に叫ぶ。
声は廃墟の中に、響き渡る。そんな中だった。月明かりを浴びるように立ちすくんでいた少女を見かけたのは。