少しほろ苦い今
中3 夏
パーカッションのスネアが、少しずつ、少しずつ、大きく聞こえてきて。
クライマックスだ!っていう雰囲気を醸し出す。
フルートの高音ロングトーンに、クラリネットが重ね、オーボエのB♭を引き金に、チューバが低音を響かせ、ファゴットの落ち着いた音を筆頭に、音が小さくなって、抜ける。
私はすかさず、立ち上がる。
ホルンが柔らかく初め、サックスが響かせて…
一拍。
high Fが、他の金管よりも小さいベルから元気よく飛び出す。
高音という高音の連続。
クラリネットのハモリもリズムよく、ビブラフォンが引き立てる。
みんなが、私をみている。私の音を聞いている。
それが、たまらなく嬉しかった。
「プェ⤵︎」
やってしまった、と思う暇もなかった。
トランペットは、金管楽器というのは、口の形で音を調整している。
運指はその次で、ぶっちゃけ決められたものとは違っても、出る時があるのだ。
あぁ、息を吸ってしまったから。
口がずれた。
いや、息を吸っていなかったら、ここの最高音は出なかったと思う。
まぁ、どちらにせよ出てないのだから、考えるだけ無駄だ。
それよりも、今は吹かないと。
ここのメロディは私だけ…!
吹かないと、最後、敗退?、私のせい、みんなの努力、ソロパート…
あれ、息ってどうやって吸ってたっけ??
あれ、今、音出てる?
私、何して…
「っはぁ!」
パチパチパチパチ…
拍手が、ホール内に響く。
こうして、最後のコンクールが、最初で最後の全国大会が、幕を閉じたのだ。
こんにちは、淡雪純恋です。
引き続き今作を読んでいただき本当にありがとうございます。
この辺から時系列がバラバラしてきて、「ハァン??」となってしまわれるかもしれませんが、もしよろしければ何も考えずにノリで読んでみてください。
案外そちらの方がわかるかもしれません。
改めて、読んでいただきありがとうございました。
少しでも、面白いと思っていただけたら幸いです。




