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ゆいこのトライアングルレッスンU2~ひろし先生とゆいこのバレンタイン~

作者: ナイアシン

「下野紘・巽悠衣子の小説家になろうラジオ」の企画「ゆいこのトライアングルレッスン」

2025年2月14日オンエア分のテーマ:U2(ユニフォーム)に投稿したものです。

不採用でしたがここで供養させていただきます!

 今日はバレンタインデー。

なのだけど、チョコを学校に持ってきたら先生に見つかって没収されてしまった。

うちの高校はチョコ禁止なのだ。今どき無いよねー……

まあ没収と言っても、されたのはひろしくんなので別に平気なんだけど。

 ひろしくんは近所に住む8歳上のお兄ちゃん。小さいときによく遊んでもらっていたのだけど、今は教師になってこの高校で働いている。

担当教科は化学だ。


 放課後、チョコを回収しにくるように言われていた化学室へと向かう。


「失礼します。」


 やっぱり、白衣が似合うなあ…

うちの高校の理科系の先生は、なぜか実験以外でも普段から白衣を着ていて、ひろしくんも例に漏れず白衣を着ている。

生徒になめられないように年齢を上に見せたいのか、普段と違って前髪を上げているのも大人っぽくてかっこいい。


「ひろしくん、来たよー」


「こら、学校では『ひろしくん』じゃなくて『先生』だろ?あと、敬語」


「えー。ほかに誰もいないじゃん」


「それでも、だーめ」


「はあい。じゃあ……先生。

 わたし、チョコは返してもらわなくていいです。」


「返してもらわなくていいって……

 いや、誰かに渡したくて持ってきたんだろ?

 チョコ持ち込み禁止のルールまで破って」


「先生です。」


「え?」


「わたし、先生に渡したくて持ってきたんです」


「えっと……」


「本当はちゃんと直接渡したかったけど、

 わたしたち、もう昔みたいに気軽に会える感じじゃないし。

 学校に持ってきたらいいんじゃないかって……

 わかりやすくチョコの袋を出してたら、やっぱりひろし先生は没収して

 くれました!わたしの予想通り、ですね!」


「……ごめん。

 生徒からチョコを受け取る訳には……」


「いいえ、先生。わたしはチョコをあげてません。

 先生が没収して、わたしが取りに来なかっただけ、ですよ?」


 何かを言おうとしているひろしくんを遮って言葉を続ける。


「先生、好きです。小さなころからずっと。」


「………」


「心配しなくても、無理だってちゃんとわかってます。

 ただ、わたしが先生のこと好きだって、知ってほしかっただけ。

 ……じゃあ、わたし帰ります。

 それ、ちゃんと食べてくださいね!たくさん練習して作ったんですよ?

 またね、先生。」


 ひろしくんが戸惑っているうちに、チョコを返されないよう退室する。


 8つも年齢差があるし、今は教師と生徒だから問題だけど、卒業して大人になったら大丈夫だよね?

頑張りますから、これからわたしのこと意識してくれませんか。

 ねえ、お願い。好きになってよ。

ゆいこ:高校1年生(16歳)

ひろし:高校教師2年目(24歳)

の8歳差設定で書いてます!

年の差が結構あるので呼び方を呼び捨てから「くん」付けに変えてみました。


たくみは出せませんでしたが、試作のチョコはきっとたくみのお腹に収まっていると思います。

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― 新着の感想 ―
策士なゆいこのラストの気持ちが、切なさもあって青春を感じます。「ひろしくん」呼び!!好きです!8歳差のゆいことひろしのストーリーを拝読できて嬉しいです! あとがきのたくみも楽しいです!
「ひろしくん」呼び、新鮮ですね。 没収されることを前提でチョコを持ってきて告白するゆいこ、なかなかの策士ですね。ラストのセリフがあざと可愛くて、好きです。 試作チョコは、たくみのお腹に収まっているとい…
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