表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/27

第7話 光の壁

俺と地図屋マッパーアイラは、2人でダンジョンの状況を確認することにした。

呉越同舟か、袖振り合うも多生の縁か、まあいいか。


向かう先はアイラがマッドハウスを確認した北の通路である。




北の通路には薄く光る壁がそそり立っていた。

向こう側はおぼろげに見えるが、通り抜けられなかった。

無理に通ろうとしたら弾き飛ばされた。


なるほど。

これがダンジョンの封鎖。

これがマッドハウス。



アイラが一步前に出る。

「犯人はこのエドモンです。私はエドモンが死体の側にいるのを目撃しました。

証拠は十分です」

アイラは壁に向かって言った。


「なにを言い出すんだよ!」


「こう言えばマッドハウスが解けないかと思ったんだけどね」


光の壁はなんの変化もない。



そういうことか。なら。


「犯人はこのアイラです。

アイラは俺より先にダンジョンにいました。

殺人を犯す時間は十分にあったと思います」


「何を言い出すのよ!」


やはり光る壁はなんの変化もなかった。

俺と地図屋マッパーアイラは大きくため息をついた。



マッドハウスは犯人が見つかれば解けると言われている。

つまり俺とアイラは犯人ではないということだろう。

多分。



「マッドハウスは解除されない。

つまり、あなたも私も犯人じゃない。

なら、とりあえず協力した方が良さそうね。

よろしく魔術師エドモン」

地図屋マッパーアイラは態度を変えた。

俺を犯人扱いしたことへの謝罪はなかった。


「マッドハウスから解放されて、できたらダンジョンから出るまでは協力しあおう。

よろしく地図屋マッパーアイラ」

俺も応える。

ここで謝罪を求めても何も始まらない。

姉と妹から以下同文。



「アイラでいいわ。

さっきも言ったけど地図屋マッパーよ。

冒険者組合から仕事を請け負っている。

半月の時期にダンジョンを調査するのが主な仕事よ」

アイラはだいぶ気安い様子になった。

とりあえず俺への疑いは晴れたようだ。



「俺もエドモンでいいよ。

見ての通り治癒師ヒーラーで、攻撃魔術も少し使う。

僕は上の階から一人で落ちてきたけど、アイラは仲間はいないのか?」


「私は一人よ。半月のダンジョンはおとなしいし。何より大勢で潜ると報酬も山分けになってしまうからね」


「危険じゃないのか?」


「今は半月で昼間で、場所やタイミングを選べばそこまで危なくない。

私は危険の避け方も知ってる。

それでも何か起きればそれまでのことよ」



アイラは相変わらず素っ気なく言いながら、片手を差し出した。



「仲直りしましょ。ダンジョンの中で治癒術師ヒーラーと喧嘩しても仕方ないわ」


俺とアイラは軽く悪手した。

落ち着いたアイラはすらっと背が高く、……美人だと思う。



今日は1話投稿です。


よろしければ、ブックマークまたは評価をお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ