表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/6

は、強制連行って何ですか。

「くろほしのみこ・・・・・ってなんですか。」


硬直した空気の中、私は二人のイケメン―――ギルバートとアルフレッドっていうらしい―――に連れられて、応接間っぽいところに通された。

さすが宮殿。リアル宮殿。

そこまでキンキラキンなわけじゃないけど、ソファーの座り心地がもう最高。

成金趣味じゃないところがさすがだと思う。


まあ、それは置いといて。


まずギルバートはこの国の王さまで、アルフレッドは執政官らしい。つまりナンバーワンとナンバーツー。

この世界で一番強い国がこの国、ダイムラー。経済、政治的に世界のリーダーらしい。

まあ、アメリカみたいなもんだ。

だからと言って国々がみんなダイムラーにへこへこしてるような感じではないらしいけど。


で、私はわけのわからない単語に遭遇した。


黒星の御子。


いかにも怪しい。


しかも、ギルバートとアルフレッドは私がその「黒星の御子」だとかいう。


うん、カルトには興味ないけど。

っていうか怪しすぎるでしょ!!!



私がめちゃくちゃ不満そうな顔をしていたのがわかったのか、アルフレッドが説明してくれた。



「黒星の御子というのは昔話に登場する伝説の少女だな。

彼女の心と体を手にしたものは、世界の覇者となるという。」



「で、どこでその大層な御子様と私がつながるんですか。」


「黒星の御子は、漆黒の瞳と髪をもつという話だ。」


「しかも、彼女は異世界から訪れるんだとさ。」



・・・・・・。


いや、でも、その特徴だけ挙げれば確かに私もあてはまるけど!!


でも!!でも!!!


「私黒星の御子じゃないですよ?」


「なぜそう言い切れる。」


「だって私何もできないし。美人じゃないし。」


「だが。」


「私をほしいなんて思う奴はいないですよ。それかよっぽど頭がおかしいか、どちらかです。」



それを言ったとたん、ギルバートが苦虫をかみつぶしたような顔をした。

いや、だから、私が美人じゃないことぐらいわかってるってば。


「どちらにしろ、お前の噂はもう国中に広まっている。黒星の御子の話を信じるかどうかは別にして、『世界の覇者』という言葉につられる輩は少なからずいるだろう。」


「その通り。だからこの宮殿にいろ。」



いや、二人して言わなくても。



「それは・・・・・・任意同行ですか?」


「いや、強制だ。」



「えええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!」


絶対王政ありえねー!!


アルフレッドが手を叩くと、可愛いいいいいメイド少女がペコっとやってきた。


え、これはまさか、まさかの。



「お部屋のご準備が整いました、黒星の御子様。」



ぎろっと二人をにらむが、アルフレッドはそっぽ向いてるし、ギルバートはなんか嬉しそう。

あいつMなのか?




むかつく勢いでメイドさんをにらんでしまった。

すくみあがっている。


っていうか可愛い。






メイドさんに免じてとりあえず許してやろう。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ