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異世界廃村復興記  作者: 野薔薇 零雅
第5章 ブランチ鉄鋼国皇帝 来襲

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調味料と加工食品づくり その二 シュバイエと共に

 シュバイエの審問が終わり、無理矢理奴隷契約を結んだ後、僕とエリールはシュバイエを連れて作業を行う場所へ向かっている途中だ。


 その前に、今回結んだ奴隷契約の魔法である血印の契約(ブラッディ・シール)の効力について話しておこう。


 血印の契約(ブラッディ・シール)はその名の通り、自分の血を使い体に印をつけて奴隷にする魔法だ。

 これがつけている間は当然、主人の命令は絶対であり、逆らうような真似をすれば全身に激痛が走る。

 たが、シュバイエが付与した魔法はあくまでも主人に逆らわなければ発動しないので、それ以外は問題ない。

 そのことはラーブさんに教えてもらった。


 話はここまでとして、作業場に着いた僕はエリールとシュバイエと共に今日の作業を開始した。


 今日の作業は少し前に塩漬けにしておいた白菜を使ってある物を作ろうと思う。


 白菜の漬物に関しては植えて二日後に収穫できるぐらいに大きく育ったので、すぐに収穫して塩漬けにしておいたのだ。

 早速、作っていこう。

 まずは塩漬けにした白菜を水で洗い流す。

 冬が近いので水はかなり冷たく感じる。


「うぅー、冷たい」


 エリールは冷水で凍えながらも洗ってくれた。

 それとは対照的にシュバイエはというと。


「くっ、第二皇女である私がなぜ野菜洗いをしなければならないんだ!」


 シュバイエは文句を言いながら洗っている。


 ともあれ白菜を洗い終えることが出来、次の作業へと移る。


 次は、生のトウガラシ、乾燥して粉末にしたトウガラシ、川魚の塩辛、リンゴ、ニンニクで合わせ調味料を、小麦粉と水でのりを作る。


 作った後、それらを混ぜ合わせてタネを作り、白菜にまんべんなくつける工程だが、本当ならトウガラシによる手荒れ防止のため使い捨て手袋を使いたいが、この世界にはないので仕方なく素手でつけることになった。


 素手で触っているので、トウガラシの成分のカプサイシンが無防備の肌にしみ込んで痛みが走る。


 エリールとシュバイエも同様に彼女たちも手が痛いようで。


「うっ、痛い」

「うぬぬ・・・」


 やはり肌に染み込んで痛いようだ。

 今後は手袋の代わりになりそうな物を探しておこう。


 白菜をつけ終わった後、それらを壺に入れて蓋をすれば作業は終了だ。


「練。そもそもこれはなんなの?」

「これはキムチっと言ってトウガラシを使った白菜の漬物だよ。食べるとお腹の調子をよくしてくれるんだ」

「へぇ~」

「ただ、しなびた野菜に泥のようなモノを塗っただけでおいしくなるのか?」

「まあ、信じられないかもしれないけど、味は保証するよ。食べたら絶っっっ対にキムチのとりこになるよ!」


 その後も同じ工程を繰り返して、全部で十個の壺に入れた。

 後はしばらく発酵すればキムチの完成だ。


 手に付いたキムチのタネを洗い流した後、このまま続けて次の作業へと移る。


 用意する物はリンゴ、グナの実などの果物、セロリ、にんじん、玉ねぎなどの野菜にトウガラシ、ニンニクなどの香辛料、酸味を加えるトマトのペースト、前に政義たちから貰った鰹節にそして隠し味の乾燥したデーツの実だ。


 デーツも白菜と同様に植えてから三日で収穫できる状態になっていた。


 材料がそろったところで、調理を開始しよう。


 最初は食材の下処理から。


 まずはセロリの筋を取り、玉ねぎの皮を剥き、人参の葉っぱを切り取ったら、そのままぶつ切りにする。

 次に、トウガラシなどの香辛料を細かく刻んで一旦ボールに移し、鰹節を削って水が張った鍋で出汁をとる。

 デーツは種とヘタを丁寧に取り除き、ヤマト地区の人に借りたすり鉢でデーツをペースト状にする。

 下準備が出来たので、このまま次の作業へ移る。


 鰹節の出汁が入った鍋にした処理をした材料を全て入れて色が変わるまでぐつぐつ煮込む。


 しっかり煮込んだら、別の鍋に濾しながら移して、濾した材料をすり鉢ですり潰したら、鍋に戻し、もう一度煮込んだら、樽に入れて蓋をすれば完成だ。


「練の言われた通りに何とか完成したけど、これはなんなんだ?」

「これは僕のいた世界のソースで、いろんな料理に使える万能調味料だよ。いずれこれを使った料理に使うから楽しみにしていてよ」


 その後もソース作りは順調に進んでいき、今後のことも考えてソースが入った樽は二十個作った。


 これだけあれば冬でも安心だ。


 ソース作りを終えた時には夕方になっていたので、今日のところはここまで。


 今日は一時的に奴隷になったシュバイエと一緒に作業をしたのだが、野菜の皮むきは綺麗に剥いたり、具材を混ぜたりしたので、以外にも手先が器用だ。


 恐らく、密偵などの任務をこなしているからなのだろう。


 作業を終えた僕はエリールとシュバイエと共に家へ帰ろうとした時、ラーブさんが慌てた様子で僕たちのところに現れた。


「大変じゃあ、村長殿~~~!!!」

「ラーブさん!?何かあったんですか?」

「はぁはぁ、すまんすまん」


 息を切らしたラーブさんは、息を整え落ち着いた後、僕に話しかけた。


「改めて村長殿。大変なことになりましたぞ」

「大変な事って何が?」

「先ほど、国王がブランチ鉄鋼国皇帝ライゼルにシュバイエの身柄について連絡を入れたんじゃ。そしたら、その話を聞いた皇帝はカンカンに怒って、すぐに身柄を引き取りに行くといって準備ができ次第、引き取りに行くようなんじゃ」

「父上が私を救いに!?」


自分の父親が迎えに来ることを聞いたシュバイエは、前のめりになる。


「まぁお主にとってはそうかもしれないが・・・。あと、引き取りの場所は・・・」


ラーブさんに何か言いたそうにしているようだ。


「どうしたんだ?」

「あーすまん。その引き取り場所はなんとこの村なんじゃよ」

「なんだって!?そ、その皇帝はいつくるんだ?」

「おそらくは明日の昼頃になるかと・・・」

「なに~~~!!!」

「そんな急に来れるものなの?」

「おぉー、父上が私を助けに来てくれるのか」


 なんてことだ!


 シュバイエの父でありダウストンが仕えてたブランチ鉄鋼国皇帝がシュバイエを取り戻しに来るだと!


 シュバイエを捕まえたばかりに大変なことになってしまった。


 僕の第二の人生は大きな山場を迎えようとしている。


 果たして僕はこの村を守ることはできるのだろうか・・・。


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