表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界廃村復興記  作者: 野薔薇 零雅
第5章 ブランチ鉄鋼国皇帝 来襲

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

57/60

村の侵入者

 新しい作物を植えて一週間後。


 僕はいつも通りに朝の水やり・・・と言いたいどころだが、今はそれどころでない。

 僕は自宅の玄関ホールで手足が縛られている侵入者と対峙している。

 なぜこのような展開になったのか?

 まずは少し前に遡る。

 時は静まり返る深夜、僕は自分の部屋で熟睡していると、村の見回りをしていたダークエルフ族のベルネがノックもせずに扉を思いっきり開いて言った。


「村長、大変です。侵入者があらわれました!!!」

「うわぁ!なになになに!?」


 しっかり寝ているところに、いきなり大声を聞かれたので僕は目を覚ますと同時にパニックになり、動揺してしまった。


「なんだベルネか、どうしたの?こんな真夜中に?」

「寝ているところを申し訳ありません。先ほど見回りをしていたところ、侵入者を発見し戦闘になりましたが、シザーとハーグの加勢により確保しました」

「捕まえた侵入者は?」

「今は大広間に連行してあります」

「うーん・・・分かった。着かえてからでもいいかな?」

「承知しました」


 ベルネから報告を聞いた僕は、眠気がありながらも服を着替えて、捕まった侵入者に会うため大広間へと向かった。

 玄関ホールに着いたら、玄関のところに縄で縛られた侵入者とルーベがいた。


「村長。こやつが例の侵入者です」

「うーん」


 僕はまだ目が覚めておらず、目をこすりながら確保した侵入者をよーく見てみたら、全体の姿を見て眠気が飛んでしまった。


 今回、確保した侵入者の特徴は、性別は女性でダークブラウンの褐色の肌、そして何より彼女にはスイカのような胸を持っている。


 次に女性の着ている服装についてだが、その・・・なんというか・・・肌の露出が激しく服装がかなりきわどいため、ほぼ全裸といってもいい。


 どんな服装かというと、靴は斥候には不向きのハイヒールを履き、脚は網タイツ、腰にはガーターベルトを着用しており、腰に巻いているベルトには短剣を携えるための鞘と小さいバッグが付いて、それ以外は何も着用していない。


 彼女のデリケートゾーンはかろうじてお札のような物でペタリと貼っているだけだ。


 彼女に着させた奴はよほどの変態に違いないし、小さい子供には見せられない。


 一体何の趣味で着させているのか気になるが、今はそんなことよりも侵入者に尋問しよう。


 早速、この村に来た目的を聞こうとしたのだが。


「くそっ!離せっ、離せ―!!!」

「こら!暴れるな!」


 ご覧の通り侵入者は縄を解こうと激しく抵抗しており、聞く耳を持とうとしない。


 これじゃあ埒が明かない。

 どうしたもんだかと考えていたら。


「ふあ~、何?こんな時間に何してんのよ~」


 どうやらさっきの声でエリールが目を覚ましたようだ。


「あっ、エリール。今来たらだめだ!」


 階段から降りてくるエリールに注意を促すため声を出したら、激しく抵抗していた侵入者の女性はピタリと止まり、エリールを見ると彼女から意外な言葉が出てきた。


「エリール?」

「えっ?もしかしてシュバイエ?シュバイエなの!?」


 一瞬何が起きたかと思ったら、なんと、侵入者の女性とエリールは知り合いだって!?

 これはどういうことなんだ・・・ってシュバイエ?


 その名前はどこかで聞いたことがあるような・・・。

 そうだ!

 以前、エリールにブランチ鉄鋼国の説明の時に出ていた姫の名前じゃないか!


 まさか、ダウストンのところの姫がこんな露出狂のような格好で出てくるとは、ダウストンが見たら大泣きするに違いなし、まさかこんな形で再会するとはなんだか気まずい。


 しかし、この服装にした人などんな人なのだろうか・・・、全身の姿が気になりつい視線がそれてしまう。


 そして、縛られているシュバイエの格好を見たエリールはシュバイエに服装のことを聞く。


「それにしてもシュバイエ」

「なんだ?」

「この格好は何なの!?」

「なんなのって、何がおかしいんだ!これは暗殺者の衣装に決まっているじゃないか!」


 ダメだ、シュバイエは羞恥心がないどころかこれを暗殺に適したものと認識しているようで、しかも、エリール相手にこの村に来た目的?をはっきり言うとはアホを通り越して呆れかえる。


 この人は何の目的で来たのかわからず、素人の漫才を見ているようだ。


「エリール。今までどこにいたんだ?私はエリールが行方不明になったと聞いて心配をしてたのだぞ!生きていたら生きていたで連絡すればよかったのに・・・」

「ごめんなさい。私も手紙を出したかったけど、すっかり忘れてて・・・」


 エリールの生存していたことに安堵したのか、シュバイエとエリールは連絡のことで話しているようでこれで一安心だ。


 だが、話はエリールが現在までの経緯の話題に入り話が進むに連れシュバイエは少しずつ表情を変えていき、僕に睨みつけると同時に大声を出した。


「ってことは貴様がエリールを攫った犯人か!!!」


 どうやら僕はエリールを誘拐した犯人だと思いはじめ怒号を上げ、縄を解こうと激しく暴れはじめた。


「待ってシュバイエ。彼は私の・・・」

「うるさい。私は父上の命により、この村にいる神の使いと裏切り者のダウストンの首を獲らなければならぬのだ!だからこの縄を外せ!」


 結局、シュバイエの目的は僕で、さらに今回の黒幕まで話しているじゃないか。


 自分で敵に情報を話している自覚がないのだろうか?


 これはこれでなんてつっこめば良いのかわからないかつ、かなり興奮しており、まともに話せる状態ではないので、シュバイエは一度牢屋に入ってもらい、朝になるまでベルネが見張ってもらうことになった。

 シュバイエがいなくなった後、この玄関ホールに残っているのは僕とエリールだけだ。


 エリールの知人との再会は嬉しいはずだが、なんだか気まずい空気になりなんて話しかければよいのかと悩んでいたら、エリールから僕に謝り始めた。


「練。ごめんなさい!私の知人が迷惑をかけてしまい!」

「エリールが謝ることじゃないよ!」

「でもっ!」


 エリールはどうしても僕に謝りたいようで中々引き下がらなさそうなので、僕はエリールにある提案をした。


「分かったよ。じゃあ代わりにシュバイエのことを教えてくれないかな?」

「構わないけど・・・どうして?」

「だって、さっきの彼女の服装といい、普通なら黙秘するはずなのに敵の前でベラベラ話すなんて・・・、彼女はいつもこの衣装で何かやっているのか?」

「昔あっていた時はそんな子じゃないの。私もこんな格好で再開することになるとは思わなかったの!しばらく何があったか分からないけど・・・。分かった、私がシュバイエについて知っていることをすべて話すわ」


 ということで、僕はエリールと一緒に部屋に戻った後、そこで侵入者のシュバイエについて話を聞いた。


 彼女の名前はシュバイエ・ディフェルエロ・フィチャーチャー。


 彼女は以前、ブランチ鉄鋼国の時の話に出てきたエリールの姪、メイレスと腹違いの妹でデョエーリナ族という部族の母を持ち、ブランチ鉄鋼国第二皇女の皇位を持つ人だ。


 そのデョエーリナ族とは何かというと、別の大陸にかつて存在していたデョエルルナ王国のルーツを持つ部族で、ダークブラウンの肌をしており体はオレリア族のように屈強な体をしていて、戦闘面では屈強な体を生かし力任せの戦い方は右に出る者がいないと言われているそうだ。


 だが、一つ欠点がありそれは他の人と比べて知能が低いため魔法が使えないので、文明が発展した武器を使う他国との戦争であっという間に国が滅んでしまったそうだ。


 さらに相手が嘘を言ってもすぐに真を受けやすい性格のため、その肉体を用いて奴隷にされたこともあるそうな。


 時は流れ、絶滅をしたと思っていたが実は奴隷にならず密かに暮らしていたことがわかり、大陸に残っていた元デョエルルナ王国の人たちはデョエーリナ族と名乗って静かに暮らしているようだ。

 そして、屈強な体に興味を持ったブランチ鉄鋼国皇帝ライゼルはデョエーリナ族の娘を第二婦人として娶り、シュバイエを設けたという。


 なるほど、だからあの時の衣装といい、すぐに秘密を漏らしていたのは元々そういう性格だからなのか。


 これはこれで変な人が来てしまったようだ。


 とにかく明日は彼女の取り調べをしなければならないし、この村はエストラル王国の領地扱いなので他国の者が侵入したとなると国家間の亀裂が走るのは避けられない。


 出来れば大事になることなく、穏便にすましてほしいものだ。


 難しいことは明日になってからにしよう。


 ふあぁ~~~、もう寝るか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ