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異世界廃村復興記  作者: 野薔薇 零雅
第4章 復興再起

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個別面談

 エリールと一緒に寝た翌朝。


「ふぁーー」


 僕は目をこすりながら大きなあくびした。

 ふと、左隣を見ると、裸でスヤスヤ寝ているエリールがいる。

 そうだ、昨晩はエリールとなんかいい感じになって一緒に寝たんだっけ。

 ちなみに昨晩はエリールと一緒寝たが、()()は越えておらず、ただ抱き合ったぐらいで終わっている。

 そりゃあ、いきなり異性と一緒になること自体が初めてだし、この年で大人の階段を上るには早すぎたので、出来なかったというわけだ。


「んん」


 おっと、どうやらエリールが目覚めたようだ。

 僕は何も変わらず朝の挨拶をした。


「おはよう。エリール」

「うぅん・・・おはよう」


 エリールは目をこすりながら挨拶を返した。

 うーん、やはり女性の裸に目のやり場に困る。

 すると、今の状況を察したのか、エリールの頬が赤くなりハニカミながらも脱ぎ捨てた服を着替え始めた。


「ねえ、練」

「何?」

「うっうんうん。なんでもないの」

「そっそっか・・・」


 エリールの質問に返事をした僕はすぐさま服に着替えると、すぐに家を出て畑の水やりへと向かった。


 数分後・・・。


 朝の水やりを終えた僕はまっすぐ自室に戻ってベットにうずくまった。


「はぁー、疲れたー」

「お疲れ様。今、月さんが来ていて朝ごはんを作っているから出来たら一緒に食べよっか」

「あー、そうするよ」


 少しベットで横になった後、朝ごはんができたので一階にある食堂へ行き、朝ごはんを頂いた。

 今日の献立はご飯、大根の味噌汁、魔物の肉の醤油炒めだ。


 気になる味の方はすごくおいしく、少しボリュームがあったがすぐにぺろりと平らげた。


「ふぅー、おいしかったぁ~。月さん、朝ご飯を用意していただきありがとうございます」

「あら、どういたしまして。また食べたかったらいつでもお待ちしております」


 月さんと何気ない会話を交わしつつ、朝ご飯を食べ終えた後、僕は自分の部屋に戻った。


 数分後・・・。


 僕はエリールを僕の自室へと呼びだした。


「急にどうしたの?私を呼び出して」

「ごめん。すこし話したいことがあるんだ」

「話し?」

「うん。実は今日にも一対一で面談をしたいかなと思っているんだ」

「面談?どうして面談が必要なの?」

「今、この村にはいろんな種族や国の人たちがいるでしょ?」

「えぇ、そうね」

「でも、ここ最近は、僕に気遣ってなかなか本音が言えずにどこか遠慮いているような気がするんだ。そこでその関係が長く続けるように地区の代表の人と腹を割って話せるように一対一で話し合おうと考えているんだけどどうかな?」

「そう?私にはそうは見えないけど・・・」


 僕の話をエリールは不信感を抱いているようだ。

 このままだと話が進まないのでこの面談の目的と真の理由についてエリールに話した。


「分かったよ。実はこの面談には本当の目的があるんだ」

「目的?」

「うん。以前、国王が来た時に、ダウストンとの話ででた『フィアンナ』って人が気になっているんだけどエリールは知っているの?」

「あっそれ私も気になっていたのよ!」

「本当!?」

「もちろんよ!だってファアンナは私の古い友人なんだから」

「えっ!?そうなの!!」


 どうやらファアンナはエリールの友人であり、なんと、以前、訪問したエストラル王国の第一騎士団団長のアーノッドの婚約者だというのだ。

 しかし、誘拐にあって以降、全然会っていないようだ。

 僕はエリールに奴隷の時に新聞か何か情報を得てないか聞いたが、エリール曰く、奴隷になっていた時、当時の新聞の記事には書いていなかったのでダウストンからファアンナの名前が出た時、エリール自身も気になっていたようだ。


「私もファアンナのことが気になるから今すぐに実行しましょう!」

「分かった。そうしよう!」


 その後、僕は蒼我さんやウィシムら各地区の代表に声をかけて、それぞれ了承を得ることができたので、個人面談を行うことになった。


 数分後・・・。


 僕は家の中にある一室に僕とエリールと一緒に椅子に腰かけている。


「はぁー」

「どうしたのよ?そんな顔して、練らしくないわ」

「あー、ごめん。いざ面談ってなると緊張しちゃって」

「もうー」


 僕とエリートの間で何気ない会話をしていると、コンコンとドアがノックしたので、僕はそのまま入るように促した。


「失礼します」


 キィーと扉を開けて入っていたのは、ヤマト地区代表の蒼我さんだ。


「こちらへどうぞ」


 僕は蒼我さんに椅子へ座るよう催促して座らせた。


「いやー、こうして蒼我さんと話すのは初めてですね」

「ごもっともです」

「では、蒼我さんは何か困りごととかないでしょうか?遠慮せずに話してください」


 僕は蒼我さんに困りごとがないか話しかけたら、蒼我さんはすぐに話し始めた。


「私たちの方は特に問題はないですが、強いて言えば私たちが住むアズマ地区にも自給自足をするための田畑が欲しいぐらいですかね」

「そうですか・・・、分かりました。では、検討をしておきます」

「ありがたい」

「では、蒼我さん」

「はい?」

「少し聞きたいことがあるのですがよろしいですか?」

「はい、構いませんが・・・」


 僕は前から気になっていたことを蒼我さんに聞いてみた。


「蒼我さんが暮らしていたアズマ村の襲撃についてもう詳しく聞きたいのですが・・・」


 僕は蒼我さん達が暮らしていたアズマ村の襲撃時の状況について聞きたかったが、蒼我さんは僕の話を遮るかのように返答した。


「私たちのことをご心配してくださりありがたいですが、私たちは大丈夫ですのでお気になさらず」


 急に話を終わらせたので、少し有耶無耶な気分になったが、これ以上は蒼我さんの気持ちのことを考えて

 蒼我さんとの面談はここで終わりにすることになった。


 それからというもの、各地区の代表との面談はサクサクと進んだ。


 一応、各地区の代表の意見としては、ボクードタ族のレコラは、今後、接触してくるであろう外部の人たちとの交流の注意をして欲しいとことだ。


 次にオレリア族のガウラの意見は、自分たちの強靭な肉体を鍛える目的で村で武闘大会の開催してほしいそとのこと。


 他にもコロポックル族たちは身体が小さいので移動手段を増やして欲しいことや、人魚族とセイレーン族が暮らせる池、オーガ族のギャリガンは教会を建築してほしいなどたくさんの意見が収集することができた。


 そして最後にこの面談の目的であるダウストンの番となった。

 扉を開けて入ってきたダウストンは何も疑いもなく椅子に座った。


「あのー、俺は何をすればよいでしょうか?」

「ダウストンさんは僕の質問に答えだけでいいので緊張なさらずに」

「はぁー・・・」


 ダウストンは戸惑いながらも、僕の質問に答えてくれるようだ。

 では、早速目的であるフィアンナについて聞くのは今しかない。


「ダウストンさん。早速ですが、以前、エストラル国王との話の中で出てきたフィアンナって何者なんですか?知っているのならば教えていただきたいのですが」

「・・・・・・」


 この質問にダウストンは返答せず、口を噤んだ。

 そこは想定内だが、ダウストン自身が口を開かない限り話が進まない。

 しばらく膠着状態が続くかと思っていたその時、僕の隣に座っていたエリールがダウストンに問いかけた。


「ダウストン、いい加減にしてちょうだい!」

「・・・・・・」

「私もフィアンナの事が心配なのよ。だからお願いダウストン、フィアンナに何があったのか教えて」


 エリールの必死の説得に心を打たれたのか、今まで黙っていたダウストンは口を開いた。


「・・・エリール様」

「ダウストンさん。もしかして」

「はい。エリール様にここまで言われては仕方がありません」

「じゃあ、すべて話してくれるのね?」

「はい。俺が知る限りすべて話させていただきます」


 エリールの訴えに負けたダウストンは、フィアンナの事に関する話をした。


 なぜ、ブランチ鉄鋼国のダウストンがフィアンナの事を知っているのかというと、なんと現在のフィアンナはブランチ鉄鋼国の第一皇子グラベル・フィチャーチャー婚約者になっているとのことだ。


 なぜ、このような事態になってしまったのかというと、事の始まりはエリールが誘拐された後の話で、この時エストラル王国は他の国に武器支援をしており、武器作りに必要な鉄が不足してしまい、納期に間に合わせるためやむを得ず、ブランチ鉄鋼国に交渉をしたのだとそう。

 だた、そう簡単にはいかず、支援の条件としてオリハルコンの鉱脈の採掘の許可を要求したのだ。

 しかし、エストラル王国の方も一歩も引かず、交渉は決裂になるかと思っていたが、そんな時に自ら人質になったのがフィアンナというわけだ。

 当然、婚約者であるアーノッドはこの提案に猛反対したのだが、フィアンナの意思は固く、何を言っても聞かなかったので、しぶしぶ了承し、ブランチ鉄鋼国から鉄を輸入し何とか納期に間に合わせたというわけだ。


 そして、この一件は思わぬ混乱と市民の不安を与えぬよう情報統制がしかれていたので、新聞には掲載していなかったのだ。


 なるほど。

 それでアーノッドはダウストンにフィアンナの安否を聞いたというわけなのか。

 なんだか複雑な感情を持ってしまいそうで、何とかフィアンナをもとに返すことができるのだろうか?

 でも、今のところは解決策がないのでそのままそっとおくのが正解だろう。


 一通り話を聞いたエリールには重たすぎとようで手で口を覆い、目には涙を浮かべていた。


「そんな・・・フィアンナ」

「俺から言えることは全て話しました。俺が出来ることはフィアンナ様の安否を答えることしかできません」


 フィアンナの事を話したダウストンは緊張の糸が切れたのか、かなりぐったりしているようだ。

 少し休ませた後、ダウストンは何も言わずに僕のいる部屋を出て行った。


 ダウストンが部屋から出た後、部屋全体は静寂に包まれた。

 しばらくして僕とエリールはそれぞれの自室へ戻り、自室に戻った僕は今日のことを振り返る。


 今回の面談の収穫はとても大きかったが、今後、村に係わるであろう懸念点が出てきた。


 僕が気になっていたフィアンナの件は国同士の問題で僕が少しでも介入すれば何が起こるかわからず、最悪の場合は村の存亡に瀕することは確実だ。

 今後は、よほどのことがない限り、こちらから接触をするのは控えて、面談で得た意見をもとに村のルールや新しい施設作りに優先して行こう。


 さて、色々不安が残るが、今は前を向いて村第一に考えて行かなければな。

 気づけば、夕方になっていたので、そろそろ夕ご飯の時間のようだな。


 僕は気分を変えて食堂へと向かった。

 今日のメニューは何かな。

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