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異世界廃村復興記  作者: 野薔薇 零雅
第4章 復興再起

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村長の家

 始まりの村に新しい住民が加わった翌日。


 僕はいつも通りに畑に水やらをしているが、今日はオークのニグリ達も一緒に水やりをしている。

 彼らは前にいた所で農家をしていたこともあってか僕の育てている作物に興味津々のようだ。


「村長さんが育てている野菜、全部見たことない物ばかりで見ているだけでも楽しいっぺ」

「んだ。おらだぢこの村にきて良かっただぁ」

「この光景を故郷のみんなにも見せたいだず」


 最初は村になじめるか心配したが、ニグリたちは喜んでいるようだ。

 ニグリたちと水やりをし、できた作物を収穫をした後、僕はある場所へと向かう。

 というのも、今日は首を長くして待った僕の家が完成したのだ。

 早速、僕の家がある村の北側へ行くと、完成した僕の家の前にエリールや蒼我さんに、ダウストンといった村の住人が集まっていて、僕がこの家に来るのを待ってるようだ。

 そして、村の住人の一人が気づいて大きく手を振った。


「おっ!噂をすりゃあ、おーい村長ー!」

「練。こっちこっち」

「ゴ主人様ーーー」


 エリール達が僕に声を掛けて振っている。

 待たせるのもよくないので僕は小走りで向かった。

 完成した家の前に着くと、僕は驚いた。

 建築していた時から他の家よりも大きかったのだが、完成した家を改めてみてみると、やっぱり大きかった。

 この家の資材は木材を使いつつ、釘は一本も使っていないのだ。

 家というよりか豪邸というところか。

 家の大きさはヤマト地区にある長屋とは少し長いくらいで、二階建てなのが特徴だ。

 家の外観はごく普通の壁で、屋根は特に変わりはないが、一つだけ挙げるとしたら正面玄関があるエリアに鐘塔があることぐらいだ。

 ただ家の外観を見ているだけでは分からないのでエリール達と一緒に僕の家・・・いや、村長邸の内覧することにしよう。


 まず、最初に案内されたのは家の顔ともいえる正面玄関からだ。

 玄関の大きさは、大柄の人が入れるように高さは三メートルにしている。

 玄関扉の開く方向は僕の建築スキルで取り出した『自由蝶番』という手前と奥の両方向に開ける金具を使っている。


 次に、扉から入るとまず目に入るのはエントランスだ。

 エントランスはかなり広めで奥には二階へ続く階段がある左右に別れている。

 天井は吹き抜けになっていて高さはだいたい九メートルぐらいだろう。

 大柄の人はエントランスまでしか入らないようだが、エリール曰く、ここで集会や会議を行うためにしているそうだ。


 次に一階にある部屋についての説明だ。

 村長邸の一階はエントランスの他に食堂や調理場が設けており、基本はそこで食事をし、エントランスをはさんで反対側には図書室が併設しており、じっくり読書ができる。

 この本は元々村に残っていた本と数日前に国王陛下からの贈り物の中に二百冊の本があったので、みんなが読めるようにしたのだ。

 その他にも、洗濯場やまだ医者はいないが医務室、さらに五人入れる湯船がある浴室、遊戯室に仮眠室まであるなんて、まさに至り尽くせりだ。


 次は地下室に案内された。

 地下室へ行くには二階へ続く階段の右の壁に扉が付いており、そこから降りていけるようだ。

 地下室へ降りると、あたり一面は真っ暗で『一寸先は闇』というのはまさにこのことだ。

 何か明かりがないかと探そうとした時、エリールが僕に話しかけてきた。


「あっごめん。ちょっと待ってて今明かりをつけるから」


 そう言ってエリールがパチンっと指を鳴らすと、暗かった空間が一瞬で明かりが灯った。

 仕掛けとしては光属性の魔法による物で、薄い明りで暗い地下室を照らしているようだ。

 地下室の広さは奥行きが十二メートルで幅は十メートルあり、部屋は小さいのが六部屋と大きいのが二部屋がある。

 小さい部屋は主に薪や収穫した野菜や果物を保管するためで、大きい部屋は家具や武器を保管する倉庫として使用するようだ。


 あらかた地下室を見たので僕達は一階は上がろうとした時、何か嫌な気配を感じたので、その気配がするほうへむけると、異彩を放つ部屋があった。

 その部屋・・・というよりか明らかにこれは()()がある。

 ちゃんと隅々まで見ていなかったということもあるが、なぜこの地下室に牢屋があるんだ?

 てか、そもそもこの村に牢屋は必要なのだろうか?

 すこし考えていたら、エリールが答えてくれた。


「村の侵入者を一時勾留し交渉材料として使うためよ」


 どうやら発案者はエリールのようで、高らかに自慢している。

 中々物騒な物を採用したものだ。

 改めて僕達は一階へ上がり、そのまま二階へ続く階段を登った。

 次は二階にある部屋についてだが、この階では左右どちらもワンルームの個室になっており、一部屋に二人が住める広さだ。

 今のところはエリールとラーブさんが住むことになっている。

 今後はこの部屋に住みたい人に賃貸として貸出かつ、条件が合えば部屋の永住権の購入が出来る予定だ。

 僕の部屋はというと、他の個室より広く寝室に作業部屋、トイレに少し狭いリビングに物置、さらに浴室まで完備している。

 他の部屋と比べて、少し贅沢しすぎかもしれないが、村長なのだから贅沢にしても問題ないか。

 あと、全ての部屋に窓が付いており太陽の光が入るように設計しているので部屋全体が明るくなっている。


 この家のトイレは一階に四個、二階に五個用意している。

 トイレの排泄物処理はもちろんスライムに任せるつもりだ。

 家具はエストラル国王からの贈り物で、布団と枕などの寝具はコットンが製作してくれた。

 あと、初めて見た時から気になっていた鐘塔は、まだ鐘の設置しておらず、後日、鐘を鍛治職人達に作ってもらう予定だ。

 完成した鐘塔は魔法で決まった時刻になると自動で鐘を鳴らして時間を知らせることができ、手動でも鳴らせるので緊急時の警報にも使うことが出来る。

 他にも家の廊下には絵画や見たことがない観葉植物、さらに甲冑の像までいろんなものが置いてある。

 まさに僕が映像作品で見た豪邸のイメージのままだ。


 ひとまず、僕の家が完成したかに見えるが、外にはまだ運びきれてない家具や照明などの細かいところができてないので、この後、残ったところの修正や調整などをみんなで行った。


 数時間後・・・。


「はぁ〜〜〜、やっと終わった〜〜〜」


 家の内装工事や家具の搬入、地下室の整備やら調理場などの作業で疲労が溜まり身体がヘトヘトだ。

 食事を済まして、今から風呂に入るところだ。

 脱衣所で服を脱ぎ、体を洗い、そのまま風呂に入る。


 フゥ~~~、心が落ち着く。


 湯船につかりながら少し振り返ろう。


 最初来たときは朽ち果てて何もない廃村だったが、女神様から授けてくれたスキルを使って、時には畑を耕し、時には邪神竜と戦ったり、そして、焼け野原になった土地を再び耕し、簡単な小屋を作るなどコツコツと積み重ねて、気づけば総勢四百人以上の人たちが住む村となり、そのまま村長になった。

 今思えばいろいろな苦労があったが、それもいい思い出になった。


『もうそろそろ風呂から上がるとするか』


 十分体が温まったので、僕は風呂から上がった。

 風呂から上がった僕は、コットンが織ったタオルで濡れた身体を拭き、服を着てそのままベットへダイブして、寝ようとした時だ。


 コンコン。


 ん?こんな時間に何のようなんだ?


「はーい、とうぞ」


 ギィーっと音を立てて入ってきたのは、なんと自室に戻っていたエリールだった。

 しかも、エリールが着ている服は一枚かつ、少しはだけているので少しいやらしい。

 エリールの容姿を見て頬を赤くしていると、エリールが声をかけた。


「ちょっといいかな?」

「どっどうしたんだい?」

「今日は一緒に寝てもいいかな?」

「グッフォッ!!!」


 まさか、エリールから一緒に寝るというお誘いをするとかまるで夢でも見ているのか?

 いやいや、これは紛れもない現実だ。

 まさかの一言で慌てていると、エリールが一言つぶやく。


「だめ・・・かな?」

 かっかわいい。

 恥じらう表情を見せるエリールはなんだか新鮮だ。

 こっちも恥ずかしくなるので、僕の右隣へ座らせた。


 座らせたのはいいが、服は一枚しか着ておらず、裸同然のエリールになんて話せばいいのか悩んでいると、エリールから話しかけた。


「ねぇ練。私のこの姿、ちょっとやりすぎかな?」

「ううん。すごくきれいだよ」

「ふふ、ありがとう気を使ってくれて」


 僕のそっけない返事にエリールは優しく微笑む。

 そして、エリールは僕を無理やり押し倒してきた。


「急にどうしたんだよ?エリール?」

「わっ私だって本当はこうしたくはないけど・・・せっかくだから恋人らしいことしたくて・・・」


 そう言ったエリールは服を脱ぎ捨てて裸になったかと思いきや、やはり恥ずかしかったのかすぐに僕に抱き着いてきた。


「うわ。エリール。ちょっと恥ずかしいよ」

「ごめん。でもひとこと言いたいけどいいかな?」

「うん、いいよ。そのまま言ってごらん」

「分かったわ。私、大切な両親を亡くして叔父様に居候して落ち着いたかと思ったら、奴隷になって何もかも失い見放され、絶望した私を救ってくれたのが練だったの。そしてそんな経緯にもかかわらず優しく接してくれた練の表情を見て、私はあなたのことが好きになりました。だから私と結婚を前提で付き合ってくれませんか?」


 エリールからの結婚の前提で愛の告白!?


 僕は何て答えればいいんだ?

 でも、ここで否定をしたらエリールは悲しむ顔するのは目に見えている。

 ここは堂々と受け止めれば!


「分かった。これからもよろしくエリール」

「こちらこそよろしくね。練」


 僕とエリールはお互いの目を見つめあったかと思うと、顔を近づきそのまま熱いキスを交わした。


 こうして僕とエリールは結婚を前提にお付き合いすることとなったのだ。


 果たして僕とエリールの良好な関係は続くのだろうか・・・。


 それはまたのお話で。




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