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異世界廃村復興記  作者: 野薔薇 零雅
第4章 復興再起

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ほかほかのご飯

 村の建設工事が開始して十日後の朝。


 七日目から降り続いていた雨が止み、雲一つもない一面の空が広がっていた。

 ただ、今の季節は夏なので強い日差しにさらされて暑く感じる。

 体感温度はだいたい三十度ぐらいだろう。

 とはいえ、これぐらいの温度でも熱中症に可能性があるので、こまめな水分補給は欠かせない。


 雨で中断していた建設工事は再開し、いつもなら日課となっている朝の水やりに行くのだが、雨の影響で地面がぬかるんでいて、畑も雨で濡れていたので水やりはせずその代わり朝ごはんを作ることにした。

 僕はさん達にお願いして作っていた大きめの羽釜を用意し、ため池作りの時に出た土で作ったレンガでかまどを作る。


 そう、今日はこの世界に来て念願の白ご飯を炊くのだ。

 本当なら初めて稲刈りをしたときに作ればよかったが、量が少なくこの村には小人を含む、約三百人いて貴重な炭水化物である穀物を食尽くししてしまうので、約一週間分の量を貯めてから食べることを決めていたからだ。


 そして、やっと一週間分の穀物を確保が出来たので今日はご飯を炊くことにしたのだ。

 話は戻して僕は炊飯の準備としてため池で洗米していると村のみんながやってきてオレリア族のゴランが僕に声をかけてきた。


「おはよう村長って、こんな朝から何を洗っているんだ?」

「おはよう」

「おはようでござる練殿。今洗っているのはもしかして・・・」

「うん、お米だよ。今日の朝ごはんはご飯にしようと思って、今洗米しているところだけど」

「お米!?ってことは、今日はご飯が出るでござるか?」

「そうだよ。なんとか一週間分確保できたから食べようと思っていて、今洗米しているところだったんだ」


 蒼壱郎達の質問に返答していると、アズマ地区のみんなは歓声が上がる。


「この異国の地で白米を食すとはなんと嬉しい!」

「あぁ、ありがたやありがたや」

「ご飯を食べるのはいつ振りだろうか・・・考えているだけで、うぅっ」


 アズマ地区のみんなは温かいご飯が食べれると喜んでいる中、他のみんなは何のことだかわからすポカーンとして立っていた。

 すると、ゴランが泣いている蒼壱郎に話しかけてきた。


「あのー、泣いているところで悪いんだけどよ。あんた達が言うご飯ってそんなにおいしいのか?」

「それはおいしいに決まっているでござろう!ご飯はヤマトの原動力でござるからな、一度食べてみるといいでござる」

「わ、分かったよ。そのご飯を頂こうじゃないか」


 皆がご飯に興味を持ち始めてきたので、すぐに洗米を済ましてご飯を炊きにかかる。


 大きな羽釜に洗米したての米と水を入れて特製のかまどにセットし、火を入れた。


「よし、あとはご飯が炊き上がるのを待つだけだ。」

「ふふふ、出来るのが楽しみね」


 後のことはヤマトの人達が見てくれるので、まだ作っていない調味料を作ることにした。

 まずは調理の必需品の油からだ。

 油は畑で育てていたアブラナから採る。

 アブラナの種をコットンが作った袋に入れて板と板の間にはさみ、重しの代わりにシヴァの足で圧搾し油を搾りだした。

 次に鍛冶職人たちにお願いして作った鉄製の容器に搾り出した油を入れ、少し油を残した。

「ゴ主人様、油ヲ少シ残シテイルヨウデスガ何ニ使ウノデスカ?」

「それは出来てからのお楽しみだよ」

「ハァー」

 ミョルニルが言っている油は別の調味料を作るため、あえて残しておいたのだ。

 まず、残しておいた油を鍋で熱しておき、別で用意しておいた鉄製の容器の中に畑で育てていた唐辛子を入れて、そこに先ほど熱した油を唐辛子が入った鉄製の容器に流しいれた。

 この一連の作業を見ていたウィシムが僕に尋ねる。


「よし、完成だ」

「村長、これは何ですか?」

「ラー油といって辛い調味料だ」

「へー、そうなんですね」


 そう、僕は残した油でラー油を作っていたのだ。

 初めて作った割にはしっかりとした出来栄えだ。

 そうこうしているうちにご飯が炊き上がったようだ。

 蓋を開けると、白い湯気が立ち上りその中には純白のパールのように輝き、一粒一粒ツヤがあり米粒がしっかりと立っている。


 まさに僕がいた世界のご飯そのものだ。


 ホカホカの出来たてご飯を見た皆は歓喜の声が上がった。


「おおぉーーー!拙者たちが知るご飯そのものでござる」


 皆は待ちきれないようなので、すぐに朝ご飯の準備をした。

 できたてホカホカのご飯をお椀に寄せ、用意していたおかずを配膳した。


 さて、今日の朝ごはんは炊き立てご飯と野菜炒めだ。

 僕とアズマ地区の人たちは竹でできた箸を使い、エリールとそれ以外の人たちは箸が使えないので代わりにフォークを使っていただくことにした。


 では早速、ご飯を口へ運ぶ。

 う、うまい!!!

 嚙めば噛むほど甘みを感じ、お米特有のにおいが鼻から抜けていく。

 この世界に来て食べるお米は格別だ。

「ん〜〜〜、うまい!」

「久しぶりに食べるご飯は特別にうまい!」

「ご飯を食べれる日が来るとはありがたや~~~」


 僕とアズマ地区のみんなは久しぶりに食べるご飯に感動し、中には涙を流す者もいた。

 それを見ていた他の人たちは少し引いているようだ。


「なぁ村長。ご飯ってそんなに美味しいのか?」

「美味しいよ。ほら遠慮せずにみんなも」

「私も昔食べたことがあって本当に美味しかったからみんなもぜひ」

「そこまで言うなら、いただきます」


 みんなは僕達の言葉に疑いつつもフォークでご飯をすくい口へ運んだ。


「ん!?うっうまいじゃないか!!!」

「なんだが優しい味ですね」

「このご飯ってのうめーーー!」

「噛んでいくうちに甘味が感じます」

「我々が食べている小麦とは違う美味しさだ」


 ご飯を食べたみんなは絶賛の嵐だ。

 その後もおかずよりそっちのけでご飯を食べ、お代わりをする人が続出したため、羽釜にたくさんあったご飯はあっという間に空っぽになってしまった。


「あー、あっという間になくなってしまったわね。また食べたかったな~」

「大丈夫だよ。お米はたくさんあるからまた作ればいいし、今日の晩御飯にもご飯を使った料理を考えているから楽しみにしておいてよ」

「やったー!」

「では、腹ごしらえをした所で今日の工事を取り掛かるとしますか」

「はい」


 こうして朝ごはんを食べた皆は朝の作業へと向かうのだった。


 さて、僕も一仕事しますか。

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