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異世界廃村復興記  作者: 野薔薇 零雅
第4章 復興再起

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盤上遊戯

 村の建設開始から一週間がたった。


 今日の天気は大雨だったので、いつもやっている水やりはしないし、安全のため建設作業を中断した。

 ラーブさん曰く、しばらくは雨が降り続くそうだ。


 雨が降ったことで作業が中断しただけでなく、いつも外で遊んでいる子供たちが退屈して暇を持て余してしまっている。


「ママ、今日外で遊べないの?」

「・・・そうね。今日はお家でゆっくりしよっか」

「えーーー、お外で遊びたい~~~!」


 雨のせいで外で遊べず、駄々をこねている子供の悲痛な声で心が痛む。


 このままだとストレスを溜めるのは良くないので、村長である僕は何か良案がないか考える。


 ・・・・・・そうだ。


 以前にミョルニルに断られたボードゲームを作れば室内で遊べるので子供たちのストレスを解消できるし、頭の体操にもなるはずだ。


 なので、僕は仮設住宅で建築スキルを使いボードゲームを作った。


 作ったゲームは、『兎と猟犬』『麻雀』『将棋』『ルドー』『マンカラ』『リバーシ』『すごろく』『チェス』『バックギャモン』『カロム』だ。


 後、ゲームで遊ぶ際に必要なサイコロやコイン、トークンなどの小道具も作っておいた。

 初めて作った割には会心の出来だ。


 雨が降りしきる中、仮設住宅にエリールを含む各地区の人たちを数名来ていただいた。

 その中でエリールは、僕に話しかけてきた。


「練。こんな雨の日に私たちを集めてどうしたの?」

「皆に見せたいものがあるんだ」

「見せたいもの?」

「あー、皆に見せたいものっていうのはこれだ!」


 僕はみんなに完成したボードゲームをお披露目た。

 だけど、皆の反応は思ったよりもイマイチのようだ。

 ま、それは当然、いきなりこの世界には無い変な物を見せているわけだから戸惑(とまど)うのは当たり前だ。

 すると、アズマ地区の若者が僕に(たず)ねてきた。


「村長。これは一体何なのですか?」

「これは将棋なんだけど・・・」

「将棋?聞いたこともないですね。どうやって遊ぶのですか?」


 基本的には、本を読んだり、晩御飯の準備をするなど室内でできる作業で一日を過ごすそうだ。


 せっかく大雨で退屈しているみんなのために頑張って制作したので、僕がみんなの前でボードゲームの遊び方を説明した。


 最初はみんなそれぞれのゲームのルールに戸惑(とまど)っていたが、実際にやってみると次第にルールや駒の動かし方に慣れていき、気づいた時にはすっかりボードゲームの魅力にハマり盛り上がっていった。


「あーっ!後もうちょっとだったのに」

「なるほど、これは面白い」

「これでどうだ!」

「なっ!もう一回、もう一回だけ」

「よっしゃ、ロンだ!」

「ぐわぁー!負けた」


 すっかりボートゲームに夢中になっているようだな。

 皆がボードゲームで遊んでいる様子を見ていると、アズマ地区の住人が僕に声をかけてきた。


「村長」

「どうしたんだ?」

「その・・・なんて言いますか・・・麻雀?ってものは面白いのですが、やることが多くて子供には遊びにくいのでもうちょっと簡単にできないですかね?」


 子供の方に向けるといまだにやり方がわからないようで(はい)を持つ手がおろおろしているようだ。

 なるほど、確かに麻雀は必要な動作があってルールが複雑なので子供にはとっつくには難しいのだろう。

 これは麻雀のルールを改良する余地がありそうなので、一旦しばらく考えていると良いアイデアを思い付いた。

 早速、残った資材を元に新しいボードゲームを作った。


 その名も『属雀(シュージャン)』。


 ルールは麻雀を元にシンプルかつ子供達にも遊べるように調整している。

 この属雀の牌にはどの牌にもなれるワイルドを含む火・水・木・風・土・氷・雷・光・闇・無の属性をイメージしたマークが刻まれていて、それぞれ同じ種類の牌が三個で一セット、それらを三セット揃えたら上がりにするゲームにしたところ、子供にもすぐにゲームになじむことが出来てあっといういう間に白熱した展開に盛り上げることが出来た。


「これであがり!」

「うわー、参った。千夏ちゃん強いね」

「えへへへ」


 みんなが笑い合いながら楽しんでいる顔を見ていると僕も楽しくなってきたな。

 すると子供達が僕にやってきて話しかけてきた。


「村長も一緒に遊びませんか?」

「そうだな、よし!僕とゲームで勝負しよう」

「わーい」


 その後は、村人達と一緒ボードゲームでひたすら遊び倒した。


 僕は子供たちを相手に遊んでいたら、参加していたボクードタ族のリルッシュが声をかけてきた。


「村長が作ったボードゲームって面白いですね。すっかりハマっちゃいましたよ」

「それはどうも、それでどうしたの?」

「ボク考えたんですけど、これを村の名産品として販売すればいいじゃないんですか?そうすれば村の知名度が上がり、村の資金が確保できる思います」


 なるほど、そういう手があったか、でも・・・。


「すまないけど、この話は一旦保留でいいかな?」

「えっ!?どうしてですか?」

「もし販売するとしたら、商品の需要や均一の品質で大量生産できる体制が整えるのに時間と人員がかかるから販売出来ないんだ。それにボードゲームを作ったのは雨などで外で遊べない子供たちのために作ったものだから・・・」

「そうですか・・・、でも子供たちのためにボードゲームを作るなんて村長らしいですね」

「いやぁ、それほどでも」


 そうこうしているうちに気づけば夕方になっていた。

 もうこんな時間になるまで熱中していたのか。

 それでも外では雨は降り続いていたが、弱い雨だったのでエリール達をすぐに帰らせた。


 僕の仮住まいである仮設住宅は僕以外誰一人ともいなくなり、先ほどまでの賑わいは何処へやら。


 でも、ボードゲーム製作は成功し雨の日など外で遊べない日も遊べることが出来るので何よりだ。

 今回、ボードゲームを作り、試遊したことである傾向がみられた。

 子供の方は『マンカラ』や『兎と猟犬』、『カロム』といった簡単ですぐに終わるゲームが人気で、大人の方は、『麻雀』や『チェス』、『将棋』といった時間をかけるゲームが人気のようだ。


 この結果を元に今後、販売の視野を入れていこうと思う。

 ・・・しかし、早く雨が止まないかな・・・。

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