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異世界廃村復興記  作者: 野薔薇 零雅
第4章 復興再起

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建設会議

 この村に朝日がさしたころ、僕は水やりに行く。


 昨日は大変な一日だった。


 なんせ一気に五組の避難民を受け入れたのだから。


 とにかく今日は家や施設の建設について話し合いする予定だ。


 僕が畑に着くとコロポックル族のウィシムたちとガネーシャがいたので彼らにあいさつをした。


「おはよう、ウィシムにガネーシャ」

「あっ練さん。おはようございます」

「パオーン」

「ウィシムたちはここで何をしているんだ?」

「はい、練さんの畑がどんなものかと見学に来たのですが、すごいです。僕も長年生きてきましたが、僕も見たことがない植物を育てているんですね」

「長年?今更だけどウィシムって今いくつなの?」

「僕ですか?今年で百十一です」

「百十一?全然見えないけど・・・」

「そうですか?これでもまだ若い方ですよ」


 コロポックルって体が小さいのにどこに長生きする活力があるんだ?

 僕が思っていたコロポックルの意外な生態が分かったところで僕はウィシム達と一緒に農作業を行うことにした。


 まずウィシム達には拡張したところに種を入れる穴を開ける作業をお願いした。


 コロポックル達は身体が小さいながらも一生懸命働いてくれたおかげで穴ができたので、僕は農業スキルで種を出した。


 種を手に持ちコロポックルたちが開けた穴に植えようとしたら、子供の声が聞こえた。


「お兄ちゃんすごーい!どうやって種を出したの?」


 声のする方へ向けるとエリールと蒼壱郎の母である月が東村の子供たちを率いて畑にやってきてたようだ。


「おはようございます。練さん」

「おはよう。練」

「おはよう。月さんはどうして畑に?」

「この村に畑があると聞いたのでエリールさんに案内してもらったのですが、こんな広い畑をお持ちなんですね。これ全部ひとりで耕したんですか?」

「はい、そうですね。せっかく子供とと来ているのだから一緒に種を植えませんか?」

「いいですね。ぜひお願いします」

「わーい」


 僕は東村の子供たちに種を渡して一緒に畑に種を植えた。


 ちなみに今回植えた野菜は、スナップエンドウ・オクラ・枝豆・シソだ。


 種を植えて水を撒いた後、一息入れようとしたら子供たちに囲まれた。


 どうやら農業スキルで取り出した種と農具に興味津々だ。


「やっぱりお兄ちゃんすごいよ。何もないところから一瞬で出てくるんだもの」

「ねぇーねぇー、お兄ちゃんは『妖術師』なの?」

「『妖術師』?」


 妖術師?この世界にきて聴いたことがない職業だな。


 名称からして呪術師なの一種だろうか?


 何のことが分からないでいると月が答えてくれた。


「『妖術師』というのはそのままの意味で『妖術』を使う人のことです。『妖術』はこの国でいう魔法のことでヤマトではごく一部の人しか使えないんです」

「へー、そうなんですね」


 ヤマトにはまだ知らない魅力がありそうなので、いつか行ってみたいな。


 朝の畑作業を終えた後、僕とエリールと月は元噴水広場に向かった。


 というのも今日は元噴水広場で代表者を集め、村内の住居や施設の建設場所についての会議を行うためだ。


 僕を除く参加者は、エリール、レコラ、ガウラ、ウィシム、ダウストン、ラーフ、八一家、キリヱ、シヴァ、ミョルニル、コットン。


 シヴァは草食性魔物、コットンは肉食性魔物代表として、ミョルニルはその通訳として参加している。


 レフコンとメランは正体がバレたくないという理由で僕の家で留守番している。


 その他の魔物は村の見回りをしたり避難民の話し相手などしているため不参加になっている。


「これより、第一回建設会議を始めます」


 僕の開始の宣言により会議が始まった。


「これから村の住居区の振分けや施設の建設について、意見がある方は挙手をお願いします」


 僕は挙手を(うなが)す発言をすると、最初に手を挙げたのは蒼我さんだ。


 蒼我さんの意見として、東村の人たちは東側に家を建てて、三棟の蔵を建ててほしいそうだ。


 なぜ蔵を建ててほしいかというと、東村の避難民の中に味噌、醤油、清酒の職人がいて、疲れ切った東村の皆に元気づけるために建ててほしいそうだ。


 味噌か・・・ここ数日、故郷の味が恋しくなっていたところなので蒼我さんの意見を採用した。


 僕は他の意見を聞こうとした時、蒼我さんが僕に声をかけた。


「練さん。あと一つ注文したいのだがよろしいか?」

「いいけど、注文って?」

「同じ地区に鍛冶場を建ててもらえないか?」

「構わないけど、どうして?」

「元々私は村で刀鍛冶をしておりました。腕が(にぶ)るといけないので建ててもらえないでしょうか?もちろん採用した(あかつき)には練さん専用の刀を打たせていただきます」

「えっいいんですか?僕のために作っていただいても?」

「はい。この地に住まわせていただいたお礼です」


 今までちゃんとした武器が無かったのでお言葉に甘えて蒼我さん個人の意見も採用した。


 次に、ダウストンの意見としては東村の真下に建ててほしいそうだ。


 理由は、前からヤマトの鉄の加工技術に興味を持っている人が多く、間近で学ぶ絶好の機会だったので建ててほしいとのことだ。


 そして、ボクードタ族とオレリア族は村の南側に、コロポックル族は村の北西にあるため池の近くに家を建てることにした。


 草食性魔物は畑の近くに、肉食性魔物は反対の東側に小屋を建てることにした。


 家の建設場所が決まったので次は施設の配置場所について議論が始まる。


「村の施設について話しだが、僕はこのような施設を建てたいんだけど異論はありますか?」


 僕は以前、ミョルニル達に提案した施設名を出した。

 皆の反応はバラバラで施設名を聞いてもいまいち納得していないようだ。


「練殿。この遊技場って何するところでござるか?」

「大衆食堂というのは何ですか?」

「公衆浴場?あまり聞かない言葉ですね」


 出るわ出るわ、まるであの時のミョルニルのような展開だ。


 僕は出来るだけ施設について説明した。


 説明を聞いたみんなは僕の提案に納得したが、まず家を建ててから改めて説明をすることにした。


 家の建設は明日に決まり話がまとまったので閉会しようとした時、蒼壱郎が声を上げた。


「ちょっと待つでござる」

「うん?どうした蒼壱郎?」

「拙者達の家を建てるのはよしとして、練殿とエリール殿の家はどうするでござるか?」

「あっ」


 しまった避難民のことばかり考えていたから僕たちの家の事すっかり忘れてた。


「そっそうだな。僕は・・・そうだ!僕の家は村の北側に建てよう。エリールはどうする?」


 僕はエリールにどこに家を建てる尋ねる。


 エリールは頬を赤くし最初から決まっていたような返答した。


「ほっ本当なら持ち家でいいんだけどせっかくだし・・・練と一つの屋根の下に暮らしたいなって」

「エリールさん。どうして練さんと一緒に?」

「だって、私と練で誓いのキスを交わしたからじゃない」

「「「「「おおぉーーーーーー」」」」」


 エリールの発言でみんなはざわつき、僕ははっきり言って落ち着いていられない。


「わっ分かったよ!でも今は会議中だからこの話は後でも・・・」

「恥ずかしがらないでいいでござるよ練殿。しかし、練殿とエリール殿が一つ屋根の下暮らすって(うらや)ましい限りでござるな」

「若いっていいのう」


 しばらく、僕とエリールの同棲の話になったが、大まかな建設計画の方針が決まり会議は閉会した。


 会議は午前で終わったため、昼休憩をはさんで午後は建設に必要な資材集めを行うことにしている。


 さて、僕は午後の作業のためにも昼飯を食べておこうかな。










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