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第3章

 ローラは、ミス=スカイ(結婚した今はミセス=ローズだが)のことを、ロチェスターにやってきた頃からよく知っていた。彼女はその頃からずっと、昔自分はあなたの伯父のエドワードと恋仲だったのですよ、などとは一言もいわずに――何かとローラに親切にしてくれたのであった。

 ミス=スカイはとても小柄で、そのちょこまかした動きを見ていると、ローラはいつもコマネズミを連想したものだった。また家事においては強者として村では有名で、彼女の家はろくでなしといわれた父親が死んでからというもの、整理整頓されて塵ひとつなく美しいと評判だった。

「べつにわたしはエリザベスが亡くなったからこんなことを言うわけじゃありませんけどね」と、少女のような瞳の、どこか羊を思わせる顔立ちをした老女は、きびきびした張りのある声音でローラに言った。「もしかしたらわたしたちが若い頃結婚していたとしたら、喧嘩ばかりしていたかもしれないって思うんですよ。ローラも知ってのとおり、わたしの父親は賭け事好きの飲んだくれのろくでなしだったものだから――製材所のお給金を全部、草競馬ですったこともあるくらいですよ――父がいなくなったあとは、家の中のことをなんでも理想どおりに寸分違わず自分の思いどおりにしなければ、わたしの気がすまなかったんです。だからエドワードはきっともってそのせいで窮屈な思いをしたことだろうし、なんといっても今でこそ、ですよ。結婚してもうまくやってかれるだろうと思うのはね――わたしはエドを必ず幸せにしますよ、ローラ。あの人の座骨神経痛がひどくて、機嫌が悪かったとしても、わたしは喜んで彼の大好きなマフィンに、クリームをたんとのせてあげましょう。昔のことを当てこすったりだとか、扉をバタンと閉めて仕返ししたりだとか、そんなことは一切しないと約束しますよ」

 ローラはひどく年のいった小さな花嫁の頬に、祝福のキスをした。ダイアナは式を挙げたあと、エドと一緒に馬車に乗りこむ時、ローラにブライダル・ブーケを投げてよこしたが、それは奇妙な結婚式の、実に奇妙なしめくくりであったかもしれない――まだ喪の明けない未亡人に、白薔薇のブライダル・ブーケとは!世間の人々が聞いたら、一体なんと思うことだろう?

「次に結婚するのは、あなたかもしれませんね」

 ローラの隣にいたフレッドは、笑いながらそう冗談を言った。ローラは戸惑ったような微笑みを浮かべつつ、

「ダイアナおばさんとしても、仕方なかったんじゃないかしら」と、薔薇の快い芳香をかぎながら言った。「だって花束を受けとるべき、未婚の女性が誰ひとり出席者の中にいないんですもの。わたしの他はジョスリンおばさんにダイアナおばさんの妹のアナベラ=マクラウドだけですものね。ダイアナのお姉さんのベリンダは、この結婚にいまだに反対してるらしいし――まあもし彼女が出席していたとしても、決してブライダル・ブーケを受けとったりはしなかったでしょうけれどね」

「そりゃそうだ」とフレッドはいかにも快活そうに大きな声で笑った。「ベリンダ=スカイはこの界隈きっての堅物だものな――教鞭がとれなくなるまでロカルノンの学校で教え、この地方の教育委員会の教育長でもあった人だ。ねえ、覚えてるかい?あの人がロチェスター校の視察にやってきた時のこと……ハワード先生ときたら、しゃかりきになって、朗読の練習やら、詩の暗唱やらを僕らに叩きこんだよな――僕はいまだにあれが忘れられないよ」

「『我が谷は緑なりき』ね。懐かしいわ」

 ローラはそう言って微笑み、フレッドの脇をすり抜けた。彼女はレナード牧師と、シャーロット夫人に式を挙げてもらったお礼の挨拶とともに、謝礼のお金を渡す用があったのだった。

 一方、フレッドはロチェスターへ戻ってきてからこの二週間というもの、ローラから肩すかしを食ってばかりいた。今もまったくそのとおりで、彼女はこれから話が盛り上がろうかという時に、席を外したり、どこかへ行ってしまったり、あるいは心ここにあらずといった態度をとった。彼の帰郷祝いのパーティが開かれた時も――トミーの兄だから義理で出席しているといったような、距離のある接し方をしたし、そのあと両家のどちらの家で食事会が開催された時も、まったく同様な態度であった。

 フレッドは七年ぶりにローラと会った時、最初彼女が誰だかまったくわからなかった。母親のジョスリンからトミーとローラが結婚したこと、またトミーがこの度の戦争でガリューダ半島へ赴き病死したことなどを聞かされ、強い衝撃を受けた。敵国に物資を輸入して、大いに儲けていたなどとは、とても言えることではない。弟が死んだ!弟が死んだ!弟が死んだ!フレッドは弔いの荘厳な鐘が、頭の中で何度も鳴り響くのを感じた。三人の兄と五人の姉妹の中で、フレッドは内心密かにトミーのことが一番好きであった。彼が小さな頃はよく、いじめっ子から守ってやったし、ヒキガエルやアマガエルを一緒に池へとりにいったり、魚釣りの仕方を教えてやったりと、トミーはよく自分のことを尊敬の眼差しで見上げていたものだった。その可愛い弟が、あの痩せぎすで、顔の青白い、目玉のぎょろっとした娘と結婚したというのか――フレッドはてっきり自分の弟が、戦争へいく前に慌てて間違った相手を選んだのではないかと、訝しんだ。

「え?ローラって、あのローラかい?」

 ジョスリンは、フレッドが<あの>という言葉にどういう意味をこめたのかを、敏感にかぎとっていた。それで、お腹の底のほうで笑いの虫がコロコロと転がりだすのを感じた。

「そうだよね。フレッドは病みあがりのあの娘しか記憶にないかもしれないけど――会ったらたぶんびっくりするよ。フレッドにはわからないかもしれないけどね、トミーはローラが今ほど美しくもない時から、ずっとあの娘に夢中だったんだから。芸術家の、美を見抜く目というのかね、そういうのがトミーには備わっていたんだろうよ」

「ふうん。ローラねえ」

 いくら相手がローズ家の御令嬢であるとはいえ、フレッドには納得がいかなかった。弟には――そう。せめてアリシア・クロフォードくらいの美貌の備わった女と結婚してもらいたいものだと、そう思っていた。

「トミーの生まれて初めてのガールフレンドを、母さん、覚えてるかい?」

「ああ、アリシア・クロフォードね」フレッドが何を言いたいのか、ジョスリンはお見通しのようだった。「あの娘はマックデイル家のヒューと結婚したんだよ。思いだすねえ。トミーがローラのことばかりを追うようになってから、あの娘はひどくローラをいじめたものだよ。いまだに裁縫の会やら何やら、ことあるたびごとにちくっとくさすようなことばかり言ってるんだから、女の嫉妬心てのは怖いもんだねえ。やれやれ、フレッド、あんたは随分立派になって帰ってきたようだけれど、女を見る目はさっぱりのようだね。あたしはあんたが見た目だけ綺麗な、とかげみたいな中身の女と結婚するんじゃないかと、今から心配だよ」

「なに言ってるんだよ、母さん」

 フレッドは浅黒い顔を赤らめた。そして母親が昔と同じく揺り椅子を揺らしながら繕いものをしているのを見て、とても懐かしい気持ちになった。ただ、父もそうだが、母も随分老けこんだものだと思ったし、その上家に兄弟姉妹がひとりもいないのを見て――少なからず心を痛めてもいた。

(できれば俺が、フラナガン農場を継げればいいのだが)

 考えてみると、七年前にした父親との口論は、それが原因だったような気がする。父、ジョサイアは、上三人の出来のいい兄と違って、勉強のろくすっぽできないフレッドにばかり、農場の手伝い仕事をさせたのだ。今にしてみれば父が、出来の悪い自分のことを心配してくれていたのだと理解できるが、当時は柵のペンキ塗りだの、馬具の修理だの、ブタの餌やりだのといったようなことは――どうにか理由をつけて逃れたい労働でしかなかった。そうだ。それで父が、

「そんなことじゃあ、将来立派な農夫になんかなれっこねえぞ」と言ったのだ。

 すかさず自分は言い返した。

「いいもん、俺、農夫になんかならないから。こんな仕事、馬鹿馬鹿しくてやってらんねえや」

 その時ジョサイアは、フレッドがかつて見たこともないほど怒り狂った目をして、彼のことを叱り飛ばした――そのあとこの親と子の間には、売り言葉に買い言葉で、ひどい喧嘩文句の応酬だけがあった。

「自分の父親の仕事を馬鹿にするような奴はでていけ!」

「ああ、出ていってやるとも!もう二度とこんな家になんか戻ってくるもんか!」

 フレッドは内心、家の敷居を跨いだ途端、父が熊手を手にして自分のことを追ってくるのではないかと思ったが、ジョサイアはフレッドの姿を認めると、すぐに自分の息子を許し、よく帰ってきたと言って抱きしめたのだった。ジョスリンにとってもまた、いくつになろうと息子は息子であり、トミーを戦争で亡くしたかわりに、神がフレッドを寄こしてくだすったのではないかとさえ思われていた。

 ――父と母以外、誰もいないフラナガン家は、昔十人の子供が押しあいへしあいして暮らしていた頃の賑やかな面影など微塵もなく、ひっそりとしていた。フレッドは、トミーと一緒だった屋根裏部屋で、弟の描いたスケッチなどを見るにつけ、親孝行ということを考えずにはいられなかった。

(そうだ。俺にはその義務があるのではないか?いってみればこの七年もの間、ずっとその義務をなおざりにしてきたのだし……)

 そしてそんな時に、ローズ家のフレデリックおじさんが、フラナガン農場を訪ねてきたのだ。フレッドはその変化にも驚いた。ローズ家の人間が、もともとは雇い人であったフラナガン家の敷居を跨ぐだなんて、かれこれ十数年なかったことだからだ。

 フレデリック・ローズは納屋でジョサイアと話をし、弟のエドワードが結婚することになったこと、また昨今雇い人を雇うにしてもなかなか難しいことなんかを、いかにも打ちとけた感じで話していた(フレッドはそのことを、おそらくはエリザベス・ローズが死んだことによる変化なのだろうと察した)。

「うちもスミス雑貨店の掲示板とこに、募集の貼紙をだしてるけども、せいぜい集まるのは年端のゆかない少年か、あるいは素性の知れない流れ者ってのが多くてね、なかなか難しいんでさあ。それでも何年か前からここに居ついてるユージン・メルヴィル――あいつは働き者でしたよ。見た目は都会の人間だがね、まあ悪くない人間でさあ。もしなんでしたら、ユージンにわしのほうから話してみてもええですし」

「い、いや、それはまずいだろうて」フレデリックは噎せたように慌てて言った。「何しろその……ユージンなんとかっていうのは、うちのローラにそのう……何年か前、トミーと結婚する前にプロポーズをしたらしいんでね。それに、なんていうのかね、こう……わしとしてはそこのところも心配なのだよ。独身の若い男に使用人として出入りされると、また厄介の種が増えるんじゃないかという気がしてね」

「ははあ、なるほど」ジョサイアは得心顔で頷いた。「それじゃあちょっと来てはないかもしれませんなあ。むしろマーシーと同じくらいの少年を何人か雇って、マーシーにリーダーとして監督させたほうがええんじゃねえですか。うちには今フレッドがおりますでね、こいつが家にいる間は、うちのことをまかせて、オラがローズさんちをてつどうてもええですし」

「すまんですなあ、助かります」

 そう言ってフレデリックは麦藁帽をとってジョサイアに礼を言った。あの気位の高いローズ家の人間が、昔は使用人だった家のものに頭を下げるとは!フレッドは干し草をおろす作業をしながら、ほとほと驚いてしまった。

「オラのうちもそうですけんど、今は若いのがみんな農家を嫌がって、街のほうにでてますからねえ。それでもオコナーさんちみたいに、何年かして都会の暮らしが嫌んなったーちゅうて、戻ってきて稼業を継いでくれればええんですけどね。うちのフレッドも、その気があるのだかどうだか……」

 納屋の二階部分にいるフレッドには、下の父親が熊手に寄りかかって首を振りふりしている様子が丸見えだった。おそらくは、自分に聞こえるように言っているのだろう。もしかしたら親父は――自分の息子が大型帆船の船長であるという話をまるで信じていないのかもしれない、とフレッドは思った。世界をほうぼう見てまわったという土産話も、半分以上法螺話だと思っているのかもしれない。それで、下級水夫の仕事がきつくて嫌になったので家に帰ってきたとでも考えているのだろうか?もしかしたらあるいは、そうなのかもしれない。

 フレッドは特別腹が立つということもなく、下の自分の父親と同じように、やれやれというように首を振った。そしてあることを思いついて、フレデリック・ローズが納屋をでていこうとした時、急いで下へと木製の階段を駆けおりていった。

「ローズのおじさん!もしよかったら俺、ここにいる間、農作業を手伝ってもいいですよ。こう見えても十六になるまで、家畜と農作物のことにかけては、父親にみっちり仕込まれましたからね――三つ子の魂百までというか、親父の教えは骨の髄までしみこんでいるので、お役に立てるのではないかと思うのですが」

「それはありがたい」フレデリックはくるりと振り返ると、ジョサイアのほうを物問いたげに見やった。「それで、ジョサイアはどう思いますかね?」

 息子の陽に焼けた赤銅色の顔と、深い皺のある、乾燥しきったような白い肌の、細目のフレデリックとを、ジョサイアは数瞬目だけで交互に見た――ピンと、勘にくるものがある。

(こういう場合、フレッドの奴には大抵、腹の底のほうになーにかがありやがるにちげえねえ。でもまあ、こいつにうちのことをまかせるよか、ローズさんちに手伝いにいってもらったほうが、オラとしても助かるだしな……)

「ローズさんが、このろくでなしの息子でもええっちゅうんなら、オラは一向構やしませんよ」

 ジョサイアは台車に干し草を積む作業を続けながら、そう答えた。フレッドは「やった!」というように両手のげんこつを打ちあわせている――これもまた、彼の小さな頃からの癖だった。

「それじゃあローズさん、早速明日からお手伝いにあがりますので、よろしくお願いします!」

「こちらこそ、よろしく頼むよ」

 フレデリックはもう一度麦藁帽をとって一礼すると、微かにこえだめの匂いのする納屋から、今度こそ出ていった――フレッドは自分の計略がうまくいったと思い、鼻歌を歌いながら再び二階へあがっていったが、父親のほうでは彼に何かよからぬ企みがあるに違いないとしっかり見抜いていた。

「昔からフレッドはそうだっただからな。あのゲンコツパンチ――あれが出る時には、何かを閃いたっちゅうこった。そんで、大抵の場合はそのあと、ろくなことが起こったためしがありゃしねえ。ハワード先生をへこますために、授業参観日に先生をトイレに閉じこめたりだとか、おたまじゃくしを増やしに増やして、あっちこっちの友達に渡した揚句、村中蛙だらけにしてみたりだとかさ――三つ子の魂百までってのはまったく、フレッドのためにあるような言葉さね」

 自分の父親が首を振りふりしながら、ぶつぶつ独り言を言っているのを上から見下ろして、フレッドは少々心配になった。

(親父も、そろそろ年だからなあ。爺ちゃんと親父がここまで大きくしたフラナガン農場を、やっぱり誰かが継がなきゃならないだろう。俺は陸地より船での暮らしのほうが好きだが、誰も継ぎ手がいないんじゃあ、俺が一肌脱ぐしかないだろうし……おふくろも、トミーを亡くして大分参ってるみたいだからな……)

 この時、フレッドには確かに、父親の言うようなよからぬ計画というわけではないが、ひとつの大きな人生上における展望があった。フレデリックがローズ農場の一部を人に貸しつけるか、売却せざるをえないかもしれないと父親と話しているのを聞いて、フラナガン農場を拡張する絶好の機会かもしれないと考えたのである。そのためにはやはり人手が必要になるが、彼には村に気心の知れた友人が今でもたくさんいた――みな、彼が突然姿を消した時には、もう死んでいるかもしれないと、心底心配したものであった――自分がほうぼうに声をかければ、昔のように何人かが後ろについて協力してくれるであろうことを、彼は確信していたのである。

(最終的にあの家に残るのはローラひとりきりだ)と、彼は狡賢く考えた。(母さんはローラはおそらく再婚しないだろうと言っているし、よしんば何年か後に結婚したとしても――フラナガン家とローズ家は、もうほとんど親戚同士なのだから、ローズ家の土地家屋もすべて、自分のものにすることができるかもしれない!)

 フレッドはこれまで、随分向こうみずな冒険をして、何度も船が沈みかかったり、難破したり、他船に救助されたり、無人島のような場所で生き延びたりと、死の間際まで追いつめられたことが、それこそ何度となくあった。だが彼はやはりどうしても海を離れられず、陸地にいる時さえ海辺の町で職を探して働いていた。そして難破した恐怖が時とともに薄れゆくと、また船に乗りこむという生活を繰り返していたのである。

(でも流石に俺もそろそろ、潮時ってやつがきたのかもしれんな)

 ローズ農場の三百エーカーの土地と、フラナガン農場の二百エーカーの土地――このふたつをひとつにしてフラナガン家のものとし、孫の代に譲り渡すこと――フレッドはその計画をとても魅力的だと感じた。そしてまずはローズ家のフレデリックに自分の働きぶりを見せてとり入り、土地の一部を貸しつけてもらうつもりでいた。なに、金ならば船仕事で儲けたのがたんまりとある。フレッドはローズ家から借りた土地にまずは自分の家を建てるつもりでいた――そしていまだ未婚で崇拝者もいないらしいサリー・ロンドにでも求婚してみようかと考えた。もちろん、他にもっとよさそうな女性がいれば、そちらにアプローチすればいいのだし――フレッドは、ロチェスターにおける自分の地位がこれから華やかなものになるだろうと予感して、野良仕事の最中も、鼻歌を歌いながら夢想に耽っていた。

(船のほうはニコラスに譲り渡せばいいのだしな。俺はもう十分海上では一財産築きあげることができたし――これからは花嫁をもらって、子作りに専念し、親父やおふくろのように、少なくとも十人は子供をつくろう。そのためには健康で、働き者の、器量のいい女がまずは必要だ。早速来週町のダンス・パーティにでもでかけて、物色してくるとするか)

 だが、フレッドのその浅はかともいえる考えは、その日の夕方、ローラと食事をともにした時に、石をガラスの塔にぶつけたように粉々になった。彼の恋はそのほとんどが一目惚れであったが、ローラの喪が明け次第、プロポーズすることにしようと決意したのであった。




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◇オリジナル小説サイト『天使の図書館』
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