賢者の正体は、
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20年前、
「報告があります。北の国がもう時期、兵をこちらに進軍させるとよことです。」
「兵士の数は?」
「は、推定5万人の兵士が攻めて来るそうです。」
「な、こちらの兵は5千人だぞ!」
「どうしますか?王、」
「『真』はどこにいるのだ?」
「は、今日も書庫に居られます。」
「呼んでこい!」
そう、この真こそが今の東の賢者であった。彼は物心が付いてから約30年間、ずっと書庫にこもっており、王は真が今まで国のために何もしなかった事に痺れを切らしていた。
ちなみに、この書庫というのは国で唯一の場所であり、あらゆる本が置いてあったと言われている。
「只今参りました。父上。」
「おい、この役立たず、まだ書庫にこもっていたのか?」
「はい、そのお陰で多少の知識は付きました。そして、今この知識を国のために使おうと思っておりました。」
「ほう、お前のような役立たずにも何かできると?」
「は、北の国の王に進軍を止めるよう説得させて来ます。」
「ふん、無理だな。北の国は今にも攻めようとしているのだぞ?今更間に合うわけが無い。まして、お前の演説なんかに耳を傾けまい。」
「いいえ、北の国は代々さらに北の聖地にお参りをしてから攻めてきます。なので、南にあるこの国に着くにはまだ多少の猶予があります。そして、必ずや説得させてみせます。もし出来なければこの命を断つまでであります。」
「ええぃ、勝手にしろ。多少の猶予があるにしてもお前には北の国に行くまでの足がないのだ。結局は無理な話なのだ。」
「足についてはご心配なく。では、」
「ふん、」
すると、真は王室を出て、家来に厩舎に案内させた。
「おお、これが馬か、本で読んだ物と同じだ。」
そして、真は馬に飛び乗るといきなり馬のたてがみを左手で引っ張った。馬は驚きそこらじゅうを暴れ回る。真は体が馬から離れ宙に浮く、しかし未だたてがみは離さない。そして、真は必死に足で馬の胴体にしがみつくと右腕を馬の首に引っ掛け思いっきり絞めた。馬はさらに暴れだしたが、次第に苦しくなったのか大人しくなっていった。
「これも本で読んだ通りだ!」
ちなみにこの手懐け方は赤馬の手懐け方に基づいている。(※諸説あり)
「おお、真様!どの馬術の達人でも手懐ける事の出来なかった『赤真姫』を手懐けてしまった。天才だ!」
「ほう、赤真姫と言うのか、いい名だな。では行くぞ赤真姫!」
「ヒヒーン!」
そして、真は北の国が兵を送る前に北の国に着くことが出来た。
「ギギーッ」
北の国の門が今開いた!
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