プロローグ
なにか「俺TUEEE」作品を書いてみたくて書き始めました。
初心者なりに頑張っていきますので興味のある人や「俺TUEEE」作品が好きな人はよろしくお願いします。
感想などお待ちしてます。
プロローグ
暗い廃墟ビルの三階の一室に男が三人。
一人は白衣を着た若い男。もう二人はいかつい顔した四十代後半の男とその付き添いのような男だった。
「それで」
いかつい男がおもむろに口を開く。
「親父の手術は無事に成功したっていうのは本当だな」
「本当ですよ。何日か安静にしてれば立てるようになりますし銃も持てますよ」
若い白衣の男が応える。
「そうか、ならいい。おい」
いかつい男が呼ぶと横に立っていた男は黒いアタッシュケースを開く。中には札束がぎっしり入っていた。
「約束通り五百万だ。受け取れ」
「では」
そう言って白衣の男はアタッシュケースを受け取ろうと手を伸ばす。
「先生」
いかつい男は言う。
「あんたとはこれからも仲良くやっていきたい。できればもう一つの昔の仕事のほうも頼みたいんだが」
「残念ですが」
白衣の男はきっぱりとした口調で言う。
「そちらの仕事はやめたので。お断りします」
そう言って白衣の男はアタッシュケースを受け取り足早にビルの一室から消えた。
付き添いの男は白衣の男が出ていったのを見計らい口を開く。
「兄貴信用していいんですか? 見たところかなり若い奴じゃないですか」
「本人は二十二だと言っていたな」
「俺より年下じゃないですか! まだ大学生みたいなもんですよ。本当に大丈夫なんですかあのヤミ医者。親父に何かあったらうちの組は…」
「大丈夫だ。あいつには何度かあってるが腕は確かだ。安心しろ。それにてめえも分かってんだろ。うちの親父のことが知れたら他の組が動き出す。そうならねぇためには極秘で動く必要がある」
「そいつは分かりますが…。あの男が他の組に情報を流さないとも限ませんか?」
「まあ、確かにあいつは他の組の手術もしているな」
「なら今からでも追いかけて口を封じないと! うちの組存亡がかかってるんですよ!」
「…。お前二年前でけえ組がつぶれた事件知ってるか?」
「ええ、たしか黒井組ってとこが一夜にしてつぶれたとか。日本でも三本の指に入るところでしたから裏だけでなく表の世間でもかなり騒がれてたような」
「あいつだよ」
「はい?」
「あいつが潰したんだよ」
「あのヤミ医者がですか!? いや、でもどうやって」
「一人で突っ込んでって組員全員と組長を殺ったんだよ」
「いやでもあいつは医者なんすよね?」
「今はな。その事件を機にあいつは殺しの事件は請け負わなくなった。代わりにヤミ医者まがいの仕事始めやがった。腕はよくて今で公にはできない手術やらなんやらはあいつに回ってくる。だからどこの組もあいつを始末しようなんて考えない。殺されるのが目に見えているからな」
「兄貴。じゃあ昔やってた仕事っていうのは」
「殺しだ。その道であいつ以上の奴を俺は知らん」
まずはプロローグです。
第一話もそろそろ上げると思います。