イチゴジャムの味がした。
扉を開いて直ぐに目につく
真っ赤な瓶
軽く捻っただけでは開かない
完全に密封され 匂いすら溢れない
渾身の力を振り絞ると
パカッと開いた途端 豊潤な薫りが
甘味を吐き出した
濃厚なソレを
焼きたての食パンが待ち受けている
粒々の正体は分からない
カルシウムが
口にした途端 隅々にまで行き渡る
命の儚さを咀嚼した
口許を濡らす 邪悪な微笑み
そして 痛感する愛しさを
爪楊枝で 隙間から取り除く
まだ 余っている
冷蔵庫のなかの 旨味を
カニバリズムは 留まる事を知らない
頭蓋骨が 嗤っていた