第5話 裏切り女には死ではなく
一瞬でふたりがもつれ合っているベッドの横まで移動する。
プラチナ・ドラゴン装備で、静かに、軽やかに移動が完成する。
長剣を横に一振りすると、ベッドの上からごろんと物が転がる。
ベッドの上の男は、首がなくなり血が一気に噴出した。
「きゃあああーーー」
その下にいる女は上から落ちてくる血で真っ赤になり叫んだ。
「どうだ。首がない男のイチモツは。血が減るから、ふにゃふにゃになったか?」
「た、助けて。私はこいつに脅さけていただけなのよ」
男の身体を投げ捨て、ベッドの上に座って語りかけてくる。
「ほう、死人に口なしというが、首なしだからな。本当のことは分からないな」
「そ、そうでしょう。本当なのよ、。私はあなたのこと・・・」
あまりに良く回る口に辟易したので、口の中に長剣を差し込む。
「あんまりしゃべるなよ。口が横でなく縦に裂けるぞ」
「むぐぐぐく」
この女は二重に俺を裏切った。
冒険者として、そして女として。
「そんなに奴とのセックスは気持ち良かったのかい?」
「むぐぐぐ」
返事が欲しい訳ではない。
ただ、怒りをぶつけたいだけだ。
「そんなにな。セックスが好きなお前には、特別なプレゼントを用意してやるよ」
「むぐぐぐ」
まずは、この女の口を猿ぐつわをハメてしゃべれない様にする。
そして、裸のまま、血だけはぬぐってやる。
「ほら、歩け!」
長剣を突きつけて、前を歩かせる。
もし、立ち止まろうとするなら、剣が突き刺さるだけだ。
「まだ、そんなに暗くなっていないから、よかったな」
返事ができないことは十分わかっている。
ただ、聞かせたいだけだ。
「街の中を歩くぞ。きっと注目の的になれるからな」
全裸のまま、歩かせる。
建物から出ると、通行人が振り返りじっと見ている。
「ほら、隠すんじゃない。ちゃんと見てもらえ」
歩かせて、街の外に向かう。
「おい、何をやっているんだ、お前」
「関わるな!邪魔すると、命はないぞ」
門番を脅して外に出る。
そのまま歩かせていって、向かうのは最初の討伐をした森だ。
その森はゴブリンが出る森。
冒険者になったばかりの頃は、討伐すると言ってもゴブリンくらいしかできなかった。
その思い出の森に今、立とうとしている。
当然ながら、ゴブリンに遭遇するだろう。
この女はゴブリンにプレゼントしてやるつもりだ。
今日は4話のつもりだったけど、もう1話アップします。
このあたりが切りがいいかなと。
楽しく書いて、楽しく読んでもらえたらうれしいです。
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