第37話 極楽の翌朝に思いついたこと
「どうだった、昨晩は?」
「兄貴っ。一生ついていきます!」
なんとも変わり身が早い男だな、この魔法使いは。
まぁ、こいつには今まで体験してたこともない極楽な夜だったのだろう。
俺もハーレムを作ったばかりの頃はそんな気持ちになったものだ。
すぐに飽きてしまったけど。
「他のメンバーはどうした?」
今、宿についている食堂にいるのは、魔法使いと女がふたりだけ。
ふたりの女から朝食を食べさせてもらって、デレデレしている魔法使いだけだ。
「リーダーと2ふたりの剣士まだ部屋です」
「がんばるな、あいつら」
「ええ。まだハッスル中だと思います」
そうとう溜まっていたのだろう。
いきなりのいい女がふたりもいると、男としての本能が爆発したようだ。
「そういう兄貴はどうしたんですか?」
「俺か。俺はお前たちの協力のおかけで、ひとりでぐっすりと寝たよ」
「それでいいんですか?」
「いいんだ。それが」
納得できない顔の魔法使い。
毎日7人の女から迫られる経験を続けた男だけが分かる気持ちだから、こいつにはわからないだろう。
「今日は何をする予定なんですか?」
「別に。予定などなんにもないよ」
「じゃあ、それなら、このふたりに何か買ってあげたいですが。いいですか?」
「お前がそうしたいなら、いいんじゃないか」
「ありがとうございます。なら、一緒に買い物に行きましょう」
「えっ、俺もか?」
あんまり乗り気しないが・・・おっと。
いいことを思いついてしまった。
こいつと女ふたりを前に歩かせて、それも人前でいちゃいちゃさせる。
こいつ弱そうだから、面白いことになるかもしれない。
「いいな、それ。だけど、どうせ買い物するなら派手にいこう」
「ええっ、そんなにお金ないですよ。オーク討伐の賞金くらいですから」
「まぁ、この女達の装備品だろ。それなら俺が金を出すから気にするな」
「そんなぁ、悪いですよ」
どうせ金なら使いきれないほどある。
こいつにとっては大金でも俺にとっては余っているかねだ。
「いいんだ、いいんだ。ただし、この女達に合うくらいの豪華な買い物にしてくれ」
「それはそうですよね。こんないい女達に買うんですから」
「だろ。現場ではお前が仕切るんだぞ。いいな」
「僕が、ですか。できますか?そういうことしたことがないんですが」
「大丈夫だ。女達に振り回されてデレデレするのがお前の役割だ」
「どういうことですか?」
不思議そうな顔をしている。
それで、いい。
何も知らずにせいぜいデレデレしてくれ。
楽しいことが起きるようにな。
面白がって悪だくみしている主人公でした。
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