第35話 妙案ができた
「皆さんが広間でお待ちです」
俺の泊まっているは一人用の部屋だから、そんなに人数は入れない。
宿のおかみが気を聞かせて女達を広間に案内してくれたらしい。
「こっちです」
「こっちだそうだ。みんな頼むぞ」
「えっと、何をしたらいいんですか?」
「そんなのは臨機応変で頼む」
パーティの4人はげげんそうな顔をしてついてくる。
広間の扉を開ける。
その向こうには女が8人いる。
美麗エルフ。
究極美少女。
巨乳美人。
笑顔美人。
小動物系美少女。
癒し系美女。
中性的美女。
清純系美少女。
美女と美少女8人は圧巻だな。
それも厳しい顔をしている女達は。
「えっと、どういうご関係なんですか。この女性たちは」
魔法使いが聞いてくる。
「なに。俺のハーレムというか、元ハーレムというか・・・」
「ハーレム!」
4人は絶句している。
たしかに、いきなりこんな女達を見せられたらそうなるわな。
「ご主人様、お久しぶりです」
美麗エルフが代表して話す。
彼女は別にハーレムに入れたつもりはないが、いつの間にかハーレムメンバーになっていたらしい。
それも、どうもリーダー役になってしまった様だ。
「ああ。久しぶりだな」
「こんなとこまで押しかけてきたのは謝ります」
「あ、あぁ」
「でも、ご主人様が帰ってきてくれないからですよ」
「あー。それはだな。この男たちの依頼でオークと戦っていたからだ」
リーダーをはじめ、4人の男たちは何が起きているかわからず黙っている。
おいおい、ちゃんと援護してくれよ。
「そうだな、リーダー」
「えっ、あっ。そうですよ。おかげさまでオークを討伐できました」
「それならば、もう帰ってきてくれるというんですか?」
「それは・・・無理だ!」
「なぜです?」
怖いっ。本当に整った美麗エルフの美しい顔が怒りを含んだ時。
恐ろしい顔になる。
見たこともないような、ね。
「それは、この男達は俺の仲間になったからだ」
「仲間ですか?」
「そうだ、仲間。仲間を置いてひとりだけ帰るなんでできないだろう」
「わかりました」
ふぅ、分かってくれたか。
それはよかった。
「それならば私達もこの街で暮らします。戦いにいかないときは、私達の元にお戻りください」
うわっ、そうくるか。
参った・・・どう断ろう。
「それはできない。男には男の付き合いがあるのだ。俺だけ女達のところに戻るなんてこと、できる訳なかろう?」
「わかりました」
ふぅ、分かってくれたか。それかよかった。
「それでは、お仲間の人達と一緒に暮らせる家を探しましょう」
「えっ」
一緒に、って。
ハーレムの女達とこの男たちと一緒に暮らす。
「それはいいアイデアだ!」
いいこと思いついてしまった。
ご主人様の権限を使ってしまおう。
「この男たちは俺の仲間だ。だから、お前たちもこの男達に俺と同じ様に仕えるように」
「同じ様に、ですか?」
「もちろん」
「それは夜も、ってことですか」
「もちろん、そうだ。夜も、朝も、昼も。俺と同じ様にだ」
美麗エルフは他の7人のハーレムメンバーと話し出す。
三分もした後、美麗エルフが答える。
「わかりました。皆さまよろしくお願いします」
「「「「「「「よろしくお願いします」」」」」」」
美女美少女の8人に頭を下げられて、4人の男達は固まっていた。
なんと。ハーレムに男を増やす作戦発動したらしい。
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