第34話 あいつらの襲撃
「リーダー、助けてくれ!」
「どうしたんですか?こんな夜に」
リーダー達が宿泊している宿屋を聞いておいてよかった。
俺ひとりでは対応しきれない事態が起きたのだ。
事件が起きたのは俺の泊まっている宿でだ。
「お連れさんが着きましたよ」
宿のおばさんがそんなことを言ってきたとき、嫌な予感がした。
連れなんかいないはずだ・・・誰だ?
扉を開けると、美形なエルフがひとり立っている。
あ、やっぱり。
正式には俺のハーレムに入った訳ではないが、同等な関係だとこいつは思っているらしい。
もっとも、俺のハーレムは解散したから、入るも何もないがな。
「やっとみつけたわ。みんなも一緒に来ているわ」
最悪だ。
ただ見つかっただけではなく、ハーレムメンバーが全部来ているらしい。
せっかく、のんびりと冒険者ごっこをして楽しんでいるのに、こいつらが来たら台無しだ。
「そうか。よく来たな。まずは部屋に入ってくれ」
「はい。またお会いできてうれしいです」
「他の奴らも部屋に呼んできてくれ」
「わかりました。みんな喜びますよ」
「そうだな。久しぶりだからな」
美形エルフはみんなを呼びに一旦外に出た。
俺は裏口からこっそりに逃げ出した。
そして、リーダー達が泊まっている部屋にやってきたのだ。
「いったい何が起きたんですか?」
「それがな。部屋で寝ていたら襲撃を受けてな」
「襲撃ですか?当然、返り討ちですよね」
「それが、そういうことができない相手でな。とにかく逃げてきた」
「私達はどうしたらいいのですか?」
「すまんが全員集めてくれ」
「わかりました」
オーク狩りをした俺も入れて5人が揃った。
いきなり呼び出されて、相当眠そうだ。
「お願いがあるんだ」
「ええっ、お願いですか?命令とかではなく?」
一番気軽に話す魔法使いが突っ込みを入れてくる。
「そうだ。お願いだ」
「どんな願いですか?」
「とにかく、みんな、一緒に来て欲しい」
「どこにですか?」
「俺の部屋だ」
リーダーがびっくりしている。
それもそうだ。
リーダーには襲撃と言っておいたからな。
「実は俺の部屋に8人ほど客人がいる」
「そうなんですか」
「その客人の相手をしてほしい」
「客人の相手ですか?僕たち、そういうの慣れていませんよ」
「慣れていなければ、それはそれとしていい物さ」
「どういうことですか?」
「まぁ、細かい話は俺の部屋で話そう。客人と一緒に」
「その人達はどんな関係の人達で?」
「それも俺の部屋で話そう」
とにかく俺ひとりでハーレムの女達と話すのはまずい。
絶対、押し切られる。
こいつらがいてくれたら、元の街に戻れない説明もできるだろう。
それでなんとかしてみよう。
パーティの男たちとハーレムの女達のご対面です。何が起きるんだろうか?




