第31話 オークは一束いくらの魔物でしょう?
「おい。やばいぞ。あっちから別働隊のオークが来ているじゃないか」
「あ、本当だ。うわっ、10体はいるんじゃないか、あっちだけで」
「それだけじゃないぞ。向こうの5体っていうのも増えているじゃないか。全部で18体?」
リーダーは迷っていた。
ひとりで戦うと宣言して飛び出して行った以上、手出しをするのは冒険者としては問題だ。
しかし、どうみても分が悪い。
「よし、いつでも応援ができるように近づいて待機だ」
「待ってくださいよ。リーダー。あんなに多いオークと戦ったことないですよ、我々は」
魔法使いが抗議する。
まだ一発の魔法も撃っていないから、ある程度の的なら対処ができるだろう。
しかし、18体ものオークが向かってきたら無事に終わるとは思えない。
「リーダー、さらにオークが来ます。それもでかい!多分オークリーダーだと思われます」
18体のオークに1体のオークリーダー。
どうしろというのだ?
「もし、僕らも突入したら全滅もありえます」
「そうでいよ。なにの義理もない奴じゃないですか」
「そうもいかないだろう。パーティとして戦うと決めたのだから」
「しかし、奴は手出し無用だと言っていましたよ」
完全にびびってしまった魔法使いはとにかく戦わない方向に話をもっていく。
リーダーは迷っている。
たしかに全滅覚悟の突入は避けるべきなんだ。
だからと言ってパーティメンバーを見殺しにしていいのか。
リーダーとしての決断をもとめられていた。
しかし、決断できないまま時間がすぎる。
「あれ?元のとこにいたオーク、立っている奴いないですよ」
「なんだって?そんな馬鹿な」
「あ、あいつが増援のオークの群れに向かって走っています」
「ありえない!バカかあいつは」
唖然として見ているだけのパーティメンバー。
しばらくすると増援のオーク12体プラスオークリーダー1体の群れに突っ込んでいく。
長剣を振り回す度にオークが1体倒れる。
時には一振りで二体倒れたりする。
見ているうちにあっという間に立っているのはオークリーダーだけになってしまった。
オークリーダーに飛びかかるようにして袈裟斬りをする。
両断さたれリーダーがばさっと倒れる。
長剣をしまって歩いて奴が歩いてくる。
「ば、バケモンだ」
「いや。あれならばS級の剣士ということなのではないか」
「たしかに。ギルドには登録していないというからランクがわからなかっただけだろう」
「おまえ、S級剣士に偉そうな口、叩いていたよな」
「ひーーー」
魔法使いが頭を抱えてしまった。
そんなことはお構いなしに奴は戻ってきた。
「オーク19体かな。ぶった切ってきたぞ」
「素晴らしい!我々とレベルが違いすぎる」
「そんなことも・・・あるかな」
「おみそれしました」
「ところで、こいつ、どうしたのか?」
ガタガタ震えている魔法使いを見て不思議そうな顔をした。
あくまで単なるレクレーションです。
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