第3話 扉の向こう側の声が怒りを呼ぶ
「たった3日か」
もっと長い時間が経過した気がする。
しかし、俺は元いた街に戻ってきた。
「おい、門番、通るぞ」
「ちょっと待ってください。身分証明書を提示してください」
「俺の顔、忘れたとは言わさんぞ」
顔を全面で覆っている兜の顔部分を開けた。
「ガイナ。なんでお前がここにいるんだ?」
「なぜいてはいけないと思うのだ」
「お前のバーティメンバーがお前は死んだと言っているからな」
「そうか。俺は死んだのか。では、俺は死霊だな」
「まぁ、誰でも間違いくらいはする。ガイナなら、ギルド証を提示してくれ」
「持っていない。すべては失われた」
どう対応するか迷っている門番。しかし、方針を決めたと見えてしっかりとした言葉でいう。
「ガイナなのは間違いない。ギルド証は紛失と。再発行すればいいだけだ。ここは通れ」
「ありがとうな。面倒なことにならなくて助かった」
「なに、お前がいたからこの街で安心して暮らせていることがあるからな」
門を通ったガイナはそのまま、パーティが寝泊まりしていた宿屋に行く。
どの部屋に泊まっているのかも、変えていない限り、分かっている。
時間的にも、日が暮れている。
ふだんならパーティメンバーは部屋にもどっているはずだ。
「おい。おまえ。宿泊者じゃないだろう」
「そういうなって。ずいぶん長い間、お客でいたんだからさ」
宿屋のマスターにそう告げる。
「あっ」って顔をしたところを見ると声で俺だってわかったんだろう。
「ちょうどいい。5号室の鍵貸してくれないか」
「そんなことできるはずないだろう」
「では、扉をこいつで破壊するまでだが」
「・・・・それは、困る」
「なら、鍵をよこしな。関係ないマスターにはできるだけ迷惑はかけたくないしな」
「・・・・ほら」
5と書いた鍵を投げてよこす。
「それは、管理室に掛けてあるんだから、そこからもっていったんだよな」
「ああ、そういうことだ」
マスターが管理室に戻っていく。
俺は、二階にある5号室の扉の前に立った。
中から、サブリーダーと、元彼女のあいつの声がする。
何をしているのか、間違い様もない。
俺の心は真っ黒な闇に満たされたいた。
怒っています。悪魔のせいじゃありません。人間のせいですね。
ブクマしてもらえると嬉しいな。