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第23話 帰宅

「久しぶりだな、自分の家に帰るのも」

「そうなんですか?」

「いやな。女が待っているから、ちょっと面倒になってな」

「奥さんがいるんですか?」

「似たような物だ。お前の役割は、俺の新しい女だ」

「ええーっ、まずいでしょ」


ここで逃げられては困る。


「命を懸けて戦うって言ったじゃん。エルフってそんなに簡単に言葉を翻すものなの?」

「えっ。だって、戦うのは魔物だと思うじゃないですか」

「まぁ、大丈夫。魔物ではないが、パーティだから」

「どういうことですか?」


玄関の扉を開いて中に入る。

エルフは横にちゃんとついてきている。


「帰ったぞ」

「「「「お帰りなさい。ご主人様?」」」


ハーレムの女性陣がずらりと7人揃っての出迎えだ。

美女と美少女が揃うと、それはずこい圧迫感がある。


それに対して、こっちはふたり。

でも、ひとりはご主人様。

もうひとりは、絶世のエルフ美女。


圧迫感は負けていないぞ。

いけるかも。


「あー、紹介しよう」

「誰、それっ」


代表でハーレム会議進行役の美少女が言葉を発する。


「俺の恋人だ」

「ええーー、8人目ですか?」

「いや。ハーレム要員じゃない。唯一無二の恋人だ」

「なんですって!!」


うわっ、怒っている。

綺麗な顔が怒ると般若の顔に早変わり。

7人の般若がにらんでいる。


ここで怯んでは作戦失敗だ。

ここは正面突破だ。


「君たちには悪いが、今の俺は人間の女に飽きた。今度はエルフにする」

「なに~」


うわっ、本気で7人、怒らせてしまった。

ここは、ひとつ、エルフさんにお願いしよう。


「そういうことです。私より美しいと思う人だけ残ってください」


うわー、挑戦的なこと言うな。

エルフな上に元々すげー美人だし。


このエルフより美しいと言える女いるのだろうか。


「えっ、どう?」


7人がそれぞれの顔とエルフを見比べている。

どっちが綺麗なのか。


あ、ハーレムの女同士、言い合いを始めた。


「私は・・・」

「あんたなんか・・・」

「まだ私の方が・・・」


大騒ぎになってしまった。


「おい、人間の女共。もうハーレムは解散だ」

「何言ってんのよ。認めないわよ、そんなこと」


えっ、ダメなの?

ご主人様って絶対じゃないの?

エルフにするって言ってるのに、どうして?


「私の恋人は、あなた達の様な、つまらない女達に飽きたっていうのよ。仕方ないじゃない」

「なによ。エルフ風情が何偉そうに言ってるのよ」


収拾がつかなくなってしまった。


コソコソコソ。


ご主人様は逃げ出した。

逃げるのに成功した。


男の戦いには絶対逃げません。でも、女の戦いは苦手らしい。


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