第21話 花売り娘の意見
「だからさ。結局、同じ訳でしょ」
食堂で十分食べて腹をさすっている花売り娘が言う。
最近、まともに話しているのは、こいつだけかもしれない。
「なにがだ?」
「嫌な奴を倒したところで、別にいいことなんてないってこと」
「そうでもないさ。瞬間的には満足するからな」
「でもまた、怒りがとこからか沸いてくるんでしょ」
「じゃあお前も、食べるのは無駄だろ。どうせそのうち空腹になるんだから」
「あ、そうか。今、満足しているというのは無駄じゃないのか」
「そういうこと」
何、花売り娘に人生を語っているんだ。
こいつも俺も単純だって話だな。
食い物も恨みの違いだけか。
「でも参ったな。もうやることがなくなってしまった」
「そうでも、ないみたいよ」
「なんだ?」
花売り娘の視線の先には、エルフがいた。
それも絶世の美女のエルフ。
「ありがとうございました。あなたのおかけで自由になれました」
そう娼館のナンバー1だったエルフだ。
きっと、どこかでエターナル一家につかまって、娼館で働かされていたんだろう。
「お礼などいらん。お前を助けるためにやったことじゃないからな」
「でも、私は自由になりました。何かお礼をさせてください」
別にエルフにやって欲しいことなどないんだけどな。
「私達の種族は恩をそのままにすることはできません。恩に報いることは重要な掟のひとつです」
こちとら、エルフじゃなくて人間なんだよ。
恩なんかより、目先の利益が大切な種族だっていうんだよ。
「私にできることなら、なんでもやります」
「本当に、なんでもしてくれるか?」
「はい」
「すごくやばい戦いになるけどいいか?」
「はい。命を懸けて戦います」
うん、使えるかも。
こいつを使えば、もしかして、うまくいくかも。
そんな気持ちを持ってエルフ美女を家に連れて帰った。
なぜか登場する花売り娘。。。レギュラー化するのか?
楽しく書いて、楽しく読んでもらえたらうれしいです。
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