第19話 エターナル一家のアジト
結局、エターナル一家のアジトに案内してもらうことなった。
と言っても、アジトは娼館の地下にあるたのだが。
「おい。くれぐれも失礼のない様にしてくれよ」
「大丈夫だ。俺は強い男には敬意を払うからな」
「そうしてくれれば悪い様にはしないさ」
地下通路を歩いていると、通路の横にスリットがあることを確認する。
きっと、そこに人を配しておけば、通りがかる人を矢で殺すことができるだろう。
「その奥の部屋だ」
「どうやって入ったらいい?」
「ちょっと待て。ボス。俺です」
俺って、それじゃわからないだろう。
詐欺師の手口を真似しているのか。
「おっ、ジェックか」
「はい、ジャックです」
おいおい、まったく詐欺の会話を聞いている様だ。
「どうした?」
「見どころがある奴を連れてきました」
「そうか。入れ」
「はい」
パタンとドアが中から開く。
大きな剣を持った男が扉の左右にいる。
ドアを開けたのは、左の男だ。
「おや。これは。ガイナさんですね」
「そうなんです。噂のガイナさんです」
そうか。俺はエターナル一家の噂になっていたのか。
「ガイナさんがボスに興味があるというので連れてきました」
「ご苦労だったな」
娼館の主は、俺を紹介したせすぐに帰っていった。
「それで、ガイナさんはどんなご用件ですかな」
「この街の裏稼業で一番強いのがエターナル一家だと聞いたのでね」
「もちろん、うちが一番だ。圧倒的にな」
「もうひとつ聞いたのは、この街のエターナル一家で一番強いのがボスだと聞いてな」
「それはもちろんだ。まだまだ、下の者に負ける訳にはいかないからな」
年齢的に言えば40歳くらいだ。
力だけみたら若い奴にかなうはずがない。
しかし、ボスでいる間は誰もボスには手を出せない。
「街で一番強い男だと思って間違いないか?」
「もちろんだ」
「なら、お前を倒せば、俺が一番になれるのか?」
「お前は何を言っているんだ?」
「お前を倒して、俺が一番になるって言っておる」
ボスの顔が怒りで曲がり始めた。
「ボスである俺を倒すというんだな。だけど残念だったな。
お前は素手で俺たちは武器を持っているんだな」
ボスは机の下から長剣を取り出す。
同時に衛兵が入ってきて、俺の後ろに長剣を持った男が4人並らぶ。
「そして、こっちは5人になったな」
「武器を出してきたね。俺も出していいか」
「どうやって?」
「こうやるのさ」
右手を上に伸ばし、「装備装着」と叫ぶ。
右手には、プラチナドラゴンソードが現れる。
同時にプラチナドラゴンの防具一式が装着される。
既に悪魔に頼んで装備を一瞬で装着するスキルを手に入れていたたのだ。
もちろん、装備は持ち歩く必要もない。
「お前、最初から俺を狙っていたというのか」
「言ったろう。俺は一番しか興味ないって」
装備装着には決めポーズがあるらしい。
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