第17話 巨大娼館
「ここがエターナル一家の直轄している娼館です」
「でかいな」
表通りに面した建物は横30mはあるだろうか。
総3階建てのこの世界の市民区においてはトップクラスに大きい建物だろう。
「奥行は間口の倍はありますぜ」
「その全部が娼館なのか」
「はい」
まずは入口を入る。
もうここまでで役割は終わりだと思っていたチンピラは帰ろうとするが、首根っこを押さえて一緒に入る。
「いらっしゃいませ」
燕尾服を来た40才くらいのおっさんが迎えてくれる。
「この店は初めてで?」
「ああ。この店のナンバー1からナンバー3までを呼んでくれ」
「ここは高級娼館です。人気のある女性は料金も高くなりますよ」
「これで足りるかな」
腰の袋から金貨を出す。
数えてみたら、全部で32枚あった。
「なかなか豪勢な遊びをご希望の様で。わかりました。用意しましょう」
チンピラとふたり、待合いの個室に案内される。
キンキラキンの金を多用したいかにも成金って感じの部屋だ。
「ここで少々お待ちください」
燕尾服の男は出て行った。
「兄貴。どうしようというんですか?」
いつの間にか兄貴扱いをしているな、こいつ。
まぁ、いいか。
「まぁ、焦るな。まずはどんな女がいるか、見てやろうじゃないか」
「あっしも、おこぼれに預からしてもらえるんで?」
「おう。一緒に楽しもうや」
しぱらく待っている。
意外と時間がかかっている。
「ずいぶんと待たせるものだな」
「ナンバー1からナンバー3なんて言うからですよ。当然、お仕事中のお姉さんがいるんだろうから」
「そうだな」
「どんなに綺麗な女か楽しみですね」
「そうだな」
またしばらく待っていると、先ほどの燕尾服が入ってくる。
「準備ができました。うちのナンバー1からナンバー3を呼びますね」
「ああ」
奥から女性が入ってくる。
「失礼します」
ナイスバディー女だ。
おっぱいが大きいのに、ウエストは細目。
ヒップはまた大きい。
顔は愛嬌があるな。
「うちのナンバー3です」
「そうか」
また別の女が億から入ってくる。
「こんにちは」
今度の女は美人だ。
すらっとしたモデル体型で長いブロンドの髪。
瞳に吸い込まれてしまう感じがする。
「うちのナンバー2です」
「そうか」
また別の女が入ってくる。
なんとエルフではないか。
緑の髪に透き通るような肌。
この世の物とは思えない美形な顔。
「うちのナンバー1です」
「・・・・」
俺は黙ったまま。
「どうしました?」
「こんなものなのか?」
「はい?」
「これだけのでかい店なのに、女はこんなしょーもない奴しかいないのか」
3人の女はびっくりした様にこっちを見ている。
「がっかりだな。エターナル一家の娼館だと聞いて期待したのが間違いだったな」
「兄貴ぃ、何いうんですか」
「帰るぞ。その金はチップだ」
金貨32枚、置いて帰ろうとすると。
「お待ちください」
「なんだ?」
「エターナル一家の名前を出して侮辱して帰るとは正気ですか?」
「それがどうした?」
「こいつらを捕らえろ!」
どこからか、黒服が10人以上沸いて出てきた。
ナンバー1はエルフでした。
間違って、この話を別の連載にあげてしまいました。
そっちも読んでいるかたは、ご迷惑おかけしました。




