第14話 パーティ崩壊の話をふってきた男
「お前、A級パーティを崩壊させたんだってな」
ハーレムに飽きて、食堂で飯を食っている。
同じテーブルには、花売り娘が座っていて、一心不乱に飯を食っている。
そんなときに、いきなり話しかけてきた男がいる。
ちょっと崩れた感じの年齢は20歳くらいの男。
「なんだ、お前は?」
全く知らない男だから、確認してみた。
「お前のパーティのメンバーだった男のことを少しは知っているだけだ」
パーティメンバーのうち、誰かのひとりの知り合いなのか。
なぜ、そんな奴が俺に話しかけてくるんだ?
「それで?」
「あいつらが裏切った本当の理由を知りたくないか、と思ってね」
その男の顔をじっと見てやった。
ただの親切心でそんなことを言うのではないだろう。
こいつには、こいつの打算があるはずだ。
「別に知りたいというほどのことはないかな。どうせ、あいつらは墓の下だ」
「そうか。残念だな。裏切りの原因を作った奴がまだ生きているという話だったんだがな」
それを聞いた瞬間、俺は頭にかーっと血が上ってしまった。
なんとあいつらの裏切りの原因を作った奴がいる。
それも、まだ生きている奴が。
腹の底から真っ黒い何かが上がってくる感覚。
怒りを通り越した感情。
裏切りの復讐が終わってから、こんなに感情が動いたことはない。
とにかく、今は、そいつのことを知りたい。
どこのどいつだ。
なぜ、俺たちに関わった?
理由を知りたい気持ちもあるがそれ以上に強い気持ちがある。
とにかく、そいつを無茶苦茶にしてやりたい。
「それは、ど、どういうことだ?」
「お前らA級パーティはハメられたって訳さ」
なんだと。
どういうことだ?
ハメられた?
本当のことを知りたい・・・。
だが、こいつ。
こいつも、嫌な感じがする奴だ。
俺が知りたい情報を握っていることをいいことに、自分に有利に話を進めようとしているのが見え見えだ。
こいつの思い通りになるのも、なんだかしゃくに感じる。
俺はにっこりと笑った。
そして、そいつのことを正面から見据えてやった。
奴は、自然と見返してくる。
良し、ハマった。
「それでは、その話を詳しく聞かせてもらおうか」
「はい。もちろんです」
魅了の瞳を男に使うことがあろうとは、な。
まぁ、こういうときに使えるとは、なかなか便利な物じゃないか。
俺は再び、復讐の悪魔に戻っていた。
新しい敵が現われた。ってよ。
楽しく書いて、楽しく読んでもらえたらうれしいです。
ブクマと評価もよろしくです。




